結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30495号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第437834号商標(以下「本件商標」という。)は、「ロンシャン」と「Longchamps」の各文字を上下二段に併記してなり、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品として、昭和27年7月29日登録出願、同29年1月13日に設定登録され、その後、昭和49年5月27日、同59年5月21日及び平成6年11月29日の3回にわたって商標権存続期間の更新の登録がされているものである。
請求人は、「商標法第50条の規定により、本件商標は、これを取消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていない。」と述べている。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証を提出した。
(1)被請求人である商標権者は、東京都豊島区に本店が所在する株式会社百日草および株式会社百日草ケミカルズの代表取締役であり、同人が所有する登録商標の多くをこれらに使用させている。従って、前記両社は通常使用権者の地位にあるものである。なお、前記両社は美容院向けの化粧品その他の業務用品を主要な取扱品目としており、株式会社百日草ケミカルズが商品の開発、製造を行ない、株式会社百日草が商品の販売を行なっている。
(2)本件商標の使用事実について
(イ)本件商標である「ロンシャン」「Longchamps」は、旧々第3類「香料及び他類に属しない化粧品」の内で総括名称「髪油、髪液」に包含され旧第4類の化粧品における「頭髪用化粧品」を経て現行第3類の化粧品における「頭髪用化粧品」に属するに至った「コールドパーマ用液」について、その共通商品名として通常使用権者が大々的に使用している商標である。
なお、コールドパーマネント技術は本件商標が出願された昭和27年当時、既に日本国内に広く普及していた美容技術であったことは、改めて立証するまでもなく業界で周知の事実であり、従ってそのために使用される「コールドパーマ用液」が旧々第3類の「髪油、髪液」に含まれていることは明かである。
(ロ)そこで、先ず通常使用権者株式会社百日草と件外日東商事株式会社とが作成発行した「百日草・日東商事製品価格表(平成7年2月改訂版)」乙第1号証)の第2頁に掲載されているコールドウェーブ液の商品名の欄を見ると、「ロンシヤン・ユニ」「ロンシヤン・カスタム」「ロンシヤンCS」など、「ロンシャン」にコールドウェーブ液の主として種類に応じた識別機能をもたせる「ユニ」「カスタム」「SC」などを付記した使用が認められる。なお、乙第1号証は「平成7年2月改訂版」の表示から見て、本件審判請求日より3年以上前に発行されたものと推定するのが普通であり、審判請求日からさかのぼる3年の間に乙第1号証が存在したか否かは、これのみでは不明である。
(ハ)しかし、通常使用権者株式会社百日草が作成配布した「HYAKUNICHISO DIARY ’99」(乙第2号証)の末尾近くに掲載されている「百日草製品及び取扱品一覧」の「コールドウェーブ液」の項を見ると、これらには乙第1号証に列挙されている「ロンシャン」を冠してなる商品名の殆んどがそのまま掲載されている。このことからすると、乙第1号証が前記3年の間、少なくとも取引者、需要者に利用され、且つこれらの商品名を付した「コールドパーマ液」が「ロンシャン」シリーズの商品として取引の対象となっていたと考えることはきわめて自然である。
なお、乙第2号証は、一年間の暦と日記欄とを有する手帳であって、この種の手帳が歳暮の品或いは年末挨拶の印として前年末に配られるものであることは、社会通念上の常識であり、’99年用の手帳が平成10年に作成され同年の年末頃に得意先、取引先などに配られたものであることは明かである。
(ニ)また、通常使用権者が本件商標を同社の代表ブランドとして宣伝している事実が存在する。即ち、平成11年2月1日発行に係る東京化粧品工業会の「会員名簿」(乙第3号証)を見ると、通常使用権者株式会社百日草ケミカルズ(代表者 山川和男は太田善夫と共同代表者)が会員となっており、同社のブランド欄に「ロンシャン」と掲載されている。
このことから、同社が積極的に「ロンシャン」なるブランドの周知化に努力していることをうかがうことができる。
(ホ)更に、通常使用権者株式会社百日草は美容師を主な対象とした髪形、整髪技術などに関する美容雑誌である月刊誌「百日草」を発行しており、同社が取扱っている商標の一部を広告欄に掲載し宣伝に務めている。
同誌は昭和26年6月15日に第三種郵便物認可を受け、現在通算600号を越えるに至っており、例えばその1997年4月号(乙第4号証)、1998年6月号(乙第5号証)、1998年8月号(乙第6号証)には、コールドウェーブ液の内で二浴式用のものについて、容器に「Longchamps」の文字の下に「髪ing21」(ingにイングとふり仮名を付している)と表記してなる商品写真と、「ロンシャン」の文字と「髪ing21」(ingにイングとふり仮名を付している)の文字とを横並びに表記してなる記事とを有する広告が掲載されている。
商品写真について見ると、「Longchamps」と「髪ing21」とは上下二段とになっていることと文字の大きさにかなりの差異があることにより、「Longchamps」の部分のみが独立して看取されるものである。また記事について見ると、「ロンシャン」と「髪ing21」とは書体に顕著な相違があり、互いに別異のものとして看取されるものである。更に、これらを称呼するとき表記手段と全体の長さからして「ロンシャンカミイングニジュウイチ」と連続して一気に称呼することはなく、「ロンシャン」と「カミイングニジュウイチ」とを明瞭に分断して称呼するのが自然であり、また取引者、需要者はコールドウェーブ液シリーズ商品の一つであるとの認識の下に「ロンシャン」の「髪ing21」と間に「の」を入れ一呼吸おいて称呼する場合もあることも自然である。
従って、このような表記がなされている商品およびその広告から「Longchamps」および「ロンシャン」が「髪ing21」から分断されて独立した商標であると認識するのはきわめて普通のことである。
(ヘ)更にまた、通常使用権者株式会社百日草は自身が発行する雑誌に広告を掲載するにとどまらず、積極的な宣伝広告活動を行なっている事実がある。即ち、1997年(平成9年)7月14日福岡で開催された日本ヘアデザイン協会主催の「ニューヘアモード発表会&九州PRショウ」のプログラム(乙第7号証)、および1997年11月4日東京で開催された美容十二章会主催の美容技術コンテスト、ヘアショー「第20回フェスティバル・ド・ジャポン」のプログラム(乙第8号証)のそれぞれにコールドパーマ液の「髪ingシリーズ」として、商品写真と記事とからなる広告を掲載している。
これらの広告では、コールドウェーブ液の「髪ing」シリーズとして「ロンシャン」を使用しているが、商品容器における使用の態様、記事における表示の形態は乙第4、5、6各号証のものと同一であり、従ってこれらにおいても「Longchamps」および「ロンシャン」の部分が分断抽出され、これらのみが独立した商標として認識されるものである。
(3)むすび
以上から明かなように、本件商標は本件審判請求の日から3年前までの間、継続して使用されていたものである。従って、答弁の趣旨通りの審決を求める。
被請求人は、東京都豊島区に本店が所在する株式会社百日草及び、株式会社百日草ケミカルズの代表取締役である。そして同人は、本件商標を自身が代表取締役を務める上記2社に使用させていたと述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出している。
そして、その証拠中、
(1)乙第1号証ないし乙第2号証の「百日草・日東商事製品価格表」及び「HYAKUNICHISO DIARY’99」によれば、本件商標は、「ロンシャン・ユニ」「ロンシャン・カスタム」「ロンシャンCS」等の如く商標の一部に「ユニ」「カスタム」「CS」等、商品の品質、記号を表す文字を付して使用されており、この場合「ロンシャン」の文字部分が「コールドパーマ液」のシリーズとして理解されていたものとみるのが相当である。
(2)商標としての使用ではないが、「会員名簿」(平成11年2月1日付発行、乙第3号証)の株式会社百日草ケミカルズのブランド欄に「ロンシャン」の記載がある。
(3)株式会社百日草発光の月刊誌「百日草」(1998年4、6、8月号、乙第4、5、6号証)の広告欄のコールドウェーブ液の容器に「Longchamps」「髪ing21」「Perm Liquid」等の文字が表されているが、このような構成にあっては「Longchamps」の文字部分が分離・独立して看取されるものである。
(4)1997年7月14日福岡で開催された日本ヘアデザイン協会主催「ニューヘアモード発表会&九州PRショウ」のプログラム(乙第7号証)及び1997年11月4日東京で開催された美容十二章会主催、美容技術コンテスト、ヘアショー「第20回フェスティバル・ド・ジャポン」のプログラム(乙第8号証)の広告中には、上記(3)と同様に「Longchamps」の広告が掲載されており、そこでも該「Longchamps」の文字は「Longchamps」の文字部分が分離・独立して看取されるものである。
(5)そして、本件商標が使用されている商品「コールドウェーブ液」は商品「コールドパーマ用液」の一種であると認められ、本件商標の指定商品旧々第3類「香料及び他類に属しない化粧品」中に包含されている商品である。
以上の事項を総合的に判断すれば、本件商標は、通常使用権者と認められる「株式会社百日草」によって、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において使用されていたものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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