結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−31482(T2000−31482/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第657414号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりよりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和38年5月24日登録出願、同39年11月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、甲第1号証ないし甲第7号証(枝番を含む。)を提出している。
1.本件商標は、その指定商品中「被服(溶接マスク,防毒マスク,防じんマスク,防火被服を除く)」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。
2.答弁に対する弁駁
通常使用権者であるキングベビー株式会社(以下「通常使用権者」という。)が製造、販売する「おむつカバー」及びその包装台紙並びに商品カタログには「ベビーネンネ」及び「BABY NEN・NE」が付されている事実は確認できるが、以下のとおり、本件商標が付されている事実は全く確認できない。
(1)通常使用権者の「おむつカバー」を掲載した商品カタログ(甲第1ないし3号証)について
甲第1ないし3号証は、乙第3号証の1ないし5に示す通常使用権者が製造、販売する「おむつカバー」と同じ種類の「おむつカバー」を掲載した商品カタログの写しである。
ア.甲第1号証は、小田急百貨店新宿店本館7階ベビー用品売場で2000年春及び夏に頒布された通常使用権者の商品カタログの写しであり、売場用として保存していたものである。この商品カタログの表紙の右上には「2000 Spring&SummerCollection」と、この商品カタログの頒布時期が記載され、その下には「KingBaby」と、通常使用権者の名前が記載されており、左側には「BABY NEN・NE」と、この商品カタログが取り扱う商品名、即ち商標が付されている。そして、この商品カタログ中の「ベビーネンネ スリーセット」の表示の下に記載されている「カバーの特徴」の欄には「ベビーネンネのカバー」であることが表示されている。さらに、次頁の「カバー」の欄には使用に係る商品と同種の「おむつカバー」が8種類掲載されているが、そのいずれにも本件商標は付されていない。但し、掲載されている「おむつカバー」のうちの5種類は「キャンベル加工」である旨が表示されているが、これは、後述する「キャンベル」という商標名が付された被請求人の生地が用いられていることを示すものであり、「おむつカバー」の商標として使用されているのではない。
イ.甲第2号証は、甲第1号証同様、小田急百貨店新宿店本館7階ベビー用品売場で2000年秋及び冬に頒布された通常使用権者の商品カタログの写しである。
甲第1号証とは掲載されている商品の構成等が多少異なるが、2頁目の「カバー」の欄の記載内容は、甲第1号証とほぼ同じであり、いずれの「おむつカバー」にも本件商標は付されていない。
ウ.甲第3号証は、ベビーショップ「ワイズマミイ」東京四谷店で現在頒布されている通常使用権者の商品カタログの写しである。同店は、通常使用権者の代理店で通常使用権者のベビー商品を数多く取り扱っている。
この商品カタログの表紙にも「BABY NEN・NE」とこのカタログが取り扱う商品の名称たる商標が付され、使用に係る商品と同種の「おむつカバー」が「ベビーネンネ」という商標を付して販売されているが、いずれの「おむつカバー」にも本件商標は付されていない。
(2)通常使用権者の「おむつカバー」の販売状況
ア.甲第4号証の1ないし4は、東武百貨店本店7階ベビー用品売場で通常使用権者の製造、販売する「おむつカバー」の販売状況を撮影した写真である。
甲第4号証の1及び2は、通常使用権者の「おむつカバー」が陳列されている棚を撮影した写真である。
甲第4号証の3は、陳列されている棚全体を撮影した写真である。
甲第4号証の4は、甲第4号証の1及び2に示す通常使用権者の「おむつカバー」のうちの一番右端の商品の写真である。
イ.甲第4号証の5は、前記のベビーショップ「ワイズマミイ」東京四谷店で通常使用権者の「おむつカバー」の販売状況を撮影した写真であるが、いずれの写真も本件商標が付されている事実は確認できない。
ウ.甲第5号証の1及び2は、前記の東武百貨店本店7階ベビー用品売場で購入した通常使用権者の「おむつカバー」の表面と裏面を夫々撮影した写真である。
エ.甲第5号証の3及び4は、撮影した「おむつカバー」の表面と裏面をより鮮明に示すコピー(原寸大)である。甲第5号証の1及び3に示す「おむつカバー」の中央に付された折ネームにはオレンジ色で「BABY NEN・NE」と記され、オレンジ色の包装台紙にも「BABY NEN・NE」と白抜き文字で記されている。
オ.甲第5号証の2及び4に示す包装台紙の中央上にもオレンジ色で「BABY NEN・NE」と記され、その下にも黒色で「ベビーネンネは機能性をはじめ、〜」と記されている。
カ.以上から、百貨店や専門店で販売されている通常使用権者の「おむつカバー」には「BABY NEN・NE」又は「ベビーネンネ」の商標が付されている事実は確認できるが、本件商標が付されている事実は確認できない。
(3)通常使用権者の「おむつカバー」の品番
ア.請求人は、乙第3号証の3に示された品番「K062」の商品を購入しようとして前記東武百貨店本店、小田急百貨店新宿店及び「ワイズマミイ」東京四谷店で問い合わせたがいずれの店舗においても取り扱っていなかった。
イ.一方、請求人の調査によれば、甲第4号証の4、甲第5号証の1及び3に示されるように通常使用権者の「おむつカバー」の品番は9桁の数字で特定されており、例えば、甲第4号証の4、甲第5号証の1及び3に示される「おむつカバー」の品番は、「777103003」である。これは、甲第1、2号証の商品カタログの「カバー」の欄の「ソフトピケ」に掲載されている「おむつカバー」の品番と一致する。
ウ.乙第4号証の納品書(控)の日付である2000年6月6日は、甲第1号証の商品カタログが頒布されていた時期であり、この商品カタログに掲載されている通常使用権者の「おむつカバー」の品番も9桁の数字で特定され、「K062」という品番はない。
(4)「キャンベル」という商標名が付された被請求人の取扱いに係る生地について
ア.被請求人は、欧文字「Cambell」と片仮名文字「キャンベル」とを二段に横書きした構成からなり、第16類「織物、編物、フェルト、その他の布地」を指定商品とする登録第650435号商標の商標権者でもある(甲第6号証)。
そして、日本化学繊維協会のホームページの「化学繊維主要素材商標一覧」での検索結果からも、被請求人は化学繊維の商標として「キャンベル」を使用していることが看取される(甲第7号証)。この「キャンベル」は合成繊維のポリエステルに撥水、防水処理加工を施した布地のことである。
イ.被請求人の通常使用権者は、布地の特徴を表すために登録商標「キャンベル」に「加工」の文字を付加した「キャンベル加工」という表示を、以下のように使用している。
甲第1ないし3号証の商品カタログの「カバー」欄には「キャンベル加工」と表示され、甲第3号証の商品カタログの「カバー」の説明部分の「特殊素材」の欄にも「キャンベル加工」と表示され、同カタログの「エプロン」の欄にも「特殊素材(キャンベル加工)」と表示されている。これらの表示は全て被請求人の布地についての商標として使用されているものである。
ウ.したがって、乙第3号証の1に示す使用に係る商品に付された「キャンベル」は、上記と同様に、被請求人の布地の商標として使用されているのであり、使用に係る商品の商標として使用されているのではない。それ故に、使用に係る商品には1箇所しか示されていないのである。
エ.被請求人は、甲第6、7号証は、本件審判事件とは何らの関係を有しない旨主張するが、上記したとおり、「キャンベル」は、「ベビーネンネ」という商標の下で販売されているおむつカバーに使用されている布地の商標である。
(5)本件商標の使用の事実を証明する証拠について
ア.被請求人は、乙第3号証の1の使用に係る商品の包装袋の右下部に示された1ヶ所の「キャンベル」の表示をもって本件商標の使用であると主張する。
しかしながら、この「キャンベル」の表示は、前述のとおり、「キャンベル」という商標名が付された被請求人の生地が用いられていることを示すにすぎない。
一方で、乙第3号証の1の使用に係る商品の中央に付された折ネームには赤色で 「ベビーネンネ」と、また、商品の包装袋の中央下にもピンク色で「ベビーネンネ」と、さらに包装袋の右上にも赤色で「ベビーネンネ」と表示されている。
また、乙第3号証の2の使用に係る商品の包装袋の中央上にも赤色で「ベビーネンネ」と表示されている。
さらに、上記調査結果を踏まえると、乙第3号証の1ないし5に示される使用に係る商品の商標は「キャンベル」ではなく、「ベビーネンネ」であることは明らかである。
したがって、乙第3号証の1ないし5からは本件商標の使用は証明されていない。
イ.被請求人は、使用商品の使用時期について、通常使用権者からその得意先に送付された2000年6月6日付の納品書(控)を乙第4号証として提出し、品番「K062」と品名「カバー」が納品書(控)に記載されている事実をもって本件商標の使用であると主張する。
しかしながら、そもそも、前記のとおり、使用に係る商品自体が本件商標を使用した商品とはいえない。また、仮に、使用に係る商品が本件商標を使用した商品であったとしても、乙第3号証の1ないし5の写真のみでは納品書(控)に記載された品番「K062」が使用に係る商品の品番であるとは断定できない。品名「カバー」についても同様であり、納品書(控)に記載された品名「カバー」が必ずしも使用に係る商品を指すとはいえない。以上から、乙第4号証の納品書(控)からは、通常使用権者により本件商標が使用されているという事実は確認できない。
(6)被請求人は、本件商標の使用の事実を確認できなかったのは、取扱い店の種類によって商品の品番もカタログも異なるからである旨主張する。
しかしながら、仮に被請求人が本件商標を使用していたのであれば、被請求人は、乙第3号証の1ないし乙第4号証に示す通常使用権者の商品(品番「K062」)が掲載され、かつ、本件商標が付されたカタログやパンフレット等の書類を本件商標の使用の証拠として提出してしかるべきであるが、そのような証拠は一切提出していない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。
1.乙第1号証は、本件商標に関する2000年1月1日から2001年12月31日まで2年間有効の「商標使用許諾契約書」であり、権利者である被請求人と大阪府箕面市船場西2丁目2−7に所在する通常使用権者との間で取り交わしたものである。
この契約書に記載されている使用許諾商品は「おむつカバー」であり、「おむつカバー」は、昭和34年法の第17類、類似群コード「17A04」に属する商品であって(乙第2号証)、本件取消に係る商品「被服」に包含される商品である。
2.乙第3号証は、本件商標の使用許諾商品である「おむつカバー」についての写真である。
(1)乙第3号証の1は、商品が包装されている状態の全体を表から撮影した写真であり、乙第3号証の2は、同商品を裏から撮影した写真である。
(2)乙第3号証の3は、包装袋(表)の左上部の写真である。この部分の表示からは品番として「K062」、素材として「ポリエステル100%」の文字が読み取れる。
(3)乙第3号証の4は、包装袋(表)の右下部の写真である。このうちのピンク地の部分には、上から順に白抜きで「さわやか、快適。」、青色で「ユニチカ」、白抜きで大きく「キャンベル」の文字、その下部に「きもちいーい!」「BABU!/BABU!」及び本商品を身につけた赤ん坊の図が表示されている。
(4)上記「キャンベル」の文字は、本件商標が欧文字「Cambell」と片仮名文字「キャンベル」との二段構成であり、いずれからも同一の称呼「キャンベル」が生じることより、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用であるといえる。
(5)乙第3号証の5は、商品の裏面の下部の写真である。この部分には「カバー、スペア、ネットと組み合わせてお使いください。」との図入り説明とともに、「製造」、「キングベビー株式会社」、KingBaby co.,ltd.」、「〒562 大阪府箕面市船場西2丁目2−7 TEL.(0727)29−9200」の記載があり、この会社名と住所は乙第1号証の通常実施権者と一致する。
すなわち、商品「おむつカバー」につき、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されており、また商品の製造者の表示として通常実施権者が記載されていることからも、「キャンベル」の表示が本件商標の使用許諾契約に基づくものであることは明白である。
(6)なお、これらの写真は、本件商標の使用実態を明示するために本件審判事件の副本送達の日以後に撮影したものであり、商品の使用時期を証明するものではない。
3.甲第4号証は、通常使用権者からその得意先である広島県三原市宮浦5−2−3に所在する「有限会社みどり薬局 くすりのタイムベビーランド」へ送られた2000年6月6日の納品書の控である。
この納品書の5、6欄の記載より、品番「K062」、品名「カバー」である商品が合計2点納品されていることが確認できる。品番「K062」は、乙第3号証の3から読み取れる品番と一致し、また、品名「カバー」は、乙第3号証の5の商品説明の記載と一致する。これより、乙第3号証の写真と同種のおむつカバーが納品されていることが明白である。
4.弁駁に対する答弁
(1)請求人は、東京都内の3店舗を調査した結果である甲第1ないし5号証を提出し、本件商標を付した通常使用権者の取扱に係る「おむつカバー」、品番「K062」の「おむつカバー」が見つからなかったために、本件商標は商品「おむつカバー」に使用されていない旨主張する。
しかしながら、本件商標の使用の事実を証明するために提出の商品「おむつカバー」であっても、商品に要求される物性、機能は販売店によって異なり、また、百貨店と量販店とでは、販売価格が異なるために、商品の品番は取扱店によって細分化されており、管理上品番が相違するのは当然である。
甲第1、2号証のカタログの品番と甲第4号証の4及び甲第5号証の1、3の商品に付された品番が一致しているのは、どちらも同格商品であるためである。
百貨店用の甲第1、2号証には品番が記載されているが、甲第3号証には記載されておらず、このように、取扱店の種類によってカタログも区別して管理している。
(2)請求人は、甲第6、7号証を提出し、カタログに記載されている「キャンベル加工」は素材についての使用である旨主張する。
しかしながら、素材表示であれば、それは素材メーカーによる使用であり、商標使用許諾契約書(乙第1号証)は締結の必要はなく、したがって、これらは本件審判事件とは何らの関係を有しない。
5.以上のとおり、本件商標は、取消請求に係る指定商品「被服(溶接マスク、防毒マスク、防じんマスク、防火被服を除く)」に、本件審判の請求の日前3年以内に通常使用権者が日本国内において使用されていたことは明らかである。
1.被請求人は、その通常使用権者が本件商標と社会通念上同一の商標を、通常使用権者の製造、販売に係る「おむつカバー」について使用しているとして、乙第1号証、乙第3号証の1ないし5及び乙第4号証を提出しているので以下検討する。
(1)乙第1号証(商標使用許諾契約書)によれば、被請求人(商標権者)は、通常使用権者との間で、2000年(平成12年)1月1日に、通常使用権者が本件商標をその指定商品中の「おむつカバー」について使用することを許諾する通常使用権の許諾の契約を締結したことが認められる。
(2)乙第3号証の1ないし5(使用商品の写真)によれば、「おむつカバー」が入った透明の包装用袋の表面には、右上部に「ベビーネンネ」の文字が表示され、その下に「通気性」、「伸縮性」、「防水性」の各文字が表示されている。右下部には、「さわやか、快適」、「ユニチカ」、「キャンベル」、「きもちいーぃ!」、「BABU!BABU!」の各文字及び赤ん坊の図形が表示されたシールが貼付され、下部中央には、「B・Nen−ne」、「ベビーネンネ」の各文字が、左上部に「品番K062」、「素材 ポリエステル100%」、「C−OS−1816 日本製」、「60」、「サイズ 身長60cm 体重6kg 従来の3ヶ月用です。」の各文字が表示されたシールが貼付されていることが認められる。
また、該包装用袋の裏面には、最上部に「ベビーネンネ」の文字、下部に「製造」、「キングベビー株式会社」、「KingBaby co.,ltd.」、「〒562 大阪府箕面市船場西2丁目2−7 TEL.(0727)29−9200」の各文字をはじめ、おむつカバーの特徴や使用方法等を説明した文字及び図が表示されていることが認められる。
さらに、「おむつカバー」の前部には、赤色で「ベビーネンネ」の文字が表示された折りネームが付されていることが認められる。
(3)乙第4号証(納品書(控))によれば、2000年6月6日に通常使用権者が広島県三原市宮浦5−2−3所在の「有限会社みどり薬局 くすりのタイムベビーランド」へ「品番」を「777131003」とする「ツメカエヨウセンザ」、「サイズカバー」が3件(それぞれ品名の記号が異なる。)、「品番」を「K062」とする「カバー」が2件(それぞれ品名の記号が異なる。)、「品番」を「777131003」とする「サイズカバー」を納品したことが認められ、これら商品の「摘要」欄には、「1」から順に「680」、「2200」、「2200」、「2200」、「2300」、「2300」、「2200」と記載されていることが認められる。
2.甲各号証について
(1)甲第1号証(通常使用権者の取扱いに係る「BABYNEN・NE」製品の「2000 Spring&SummerCollectoin」商品カタログ)の1枚目右には、「ベビーネンネ スリーセット」と表示のあるおむつカバーの特徴及び使用方法等が図入りで説明され、同下部には「777131003 ネンネ洗剤詰め替え用 ¥680」等の記載が認められる。
2枚目左には、「カバー」として、「キャンベル加工」、「ベビーネンネ独自の加工で、強力なはっ水性、伸縮性、防水性を兼ね備えています。・・・」の文字の下に「777103002 ¥2000」、「777103003 ¥2200」、「777103004 ¥2500」と記載されたおむつカバーが掲載されていることが認められる。
(2)甲第2号証(通常使用権者の取扱いに係る「BABYNEN・NE」製品の「2000 autumn−winterCollectoin」商品カタログ)の1枚目右には、「ベビーネンネ スリーセットと表示のあるおむつカバーの特徴及び使用方法等が図入りで説明され、同下部には「777131003 ネンネ洗剤詰め替え用 ¥680」等の記載が認められる。
2枚目左には、「カバー」として、「キャンベル加工」、「ベビーネンネ独自の加工で、強力なはっ水性、伸縮性、防水性を兼ね備えています。・・・」の文字の下に「777103002 ¥2000」、「777103003 ¥2200」などと記載されたおむつカバーが掲載されていることが認められる。
(3)甲第3号証(通常使用権者の取扱いに係る「BABYNEN・NE」製品の商品カタログ)の2枚目には、「ベビーネンネ スリーセット」と表示のあるおむつカバーの特徴及び使用方法等が図入りで説明されている。そしてその中央部には、「カバー」として、「特殊素材 キャンベル加工(撥水加工)。水をはじいて空気を通す画期的な加工法。・・・糸そのものにていねいな撥水加工を施しているため、洗濯しても機能は低下しません。」の文字が記載されていることが認められる。
3枚目には、「ベビーネンネ スリーセットの洗濯方法」欄の下部に「ベビーネンネ液体洗剤」として「ネンネ洗剤詰め替え用 ¥680」の記載が認められ、また、中央の「cover」欄に「キャンベル加工」、「ベビーネンネ独自の加工で、通気性、伸縮性、防水性を兼ね備えています。・・・」の文字の下に「ソフトピケカバー ¥2000」、「ソフトピケサイズカバー ¥2200」などと記載されたおむつカバーが掲載されていることが認められる。
4枚目の「apron」欄には、「特殊素材(キャンベル加工)」として「水をはじいて空気を通す画期的な加工法で、・・・」なる文字が記載されていることが認められる。
(4)甲第4号証の1ないし5及び甲第5号証の1ないし4を総合すれば、通常使用権者の取扱いに係る「BABYNEN・NE」と表示された「品番777103003」のおむつカバーが実際に販売され、該商品には本件商標が使用されていないことが認められるが、甲第4号証の1ないし5の撮影年月日は、平成13年6月15日であり、甲第5号証の1及び2の撮影年月日は、平成13年7月13日であって、他にこれらに示されたおむつカバーの使用が本件審判の請求の登録前3年以内の使用であることを特定する資料はないから、これをもって、本件審判の請求の登録前3年以内に通常使用権者の取扱いに係るおむつカバーに本件商標が使用されていないとすることはできない。
3.通常使用権者による使用について
(1)前記1.で認定した事実によれば、通常使用権者は、形式的にみれば、取消に係る指定商品中の「おむつカバー」(品番K062)について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、「キャンベル」の商標を使用していたということができる。しかしながら、以下の理由により、通常使用権者は、本件商標を取消に係る指定商品中の「おむつカバー」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用していないものといわざるを得ない。
(2)乙第1号証(商標使用許諾契約書)は、2000年1月1日に被請求人(商標権者)と通常使用権者との間で取り交わされた通常使用権に関する契約書であり、答弁の理由によれば、被請求人は、上記契約書に基づいて、本件商標をその指定商品中の「おむつカバー」について、通常使用権者に使用許諾を与えていること、乙第3号証の5の「製造」には、通常使用権者の名称の記載があり、その住所の郵便番号が「〒562」であることが認められる。
ところで、郵便番号が3桁から7桁に変更されたのは、1998年(平成10年)2月であることからすると、乙第3号証の1ないし5に示された「品番K062」の「おむつカバー」は、1998年2月以前の商品であると推認され、1998年2月以前には、被請求人と通常使用権者とは、本件商標につき通常使用権の許諾契約がなされていなかったことは明らかである。
そして、通常使用権者が使用する商品について、郵便番号が変更になったというような事情があったにもかかわらず、通常使用権契約が締結された約2年前の商品、ないし包装を、依然としてそのまま使用していたとは、通常考えられないところである。
なお、通常使用権者の商品カタログ(「2000 autumn−winter Collectoin」;甲第2号証)には、その住所の郵便番号として、「〒562−0036」の表示が認められる。
そうすると、商標権者と通常使用権者との間に締結された2000年1月1日付けの商標使用許諾契約により、本件商標が通常使用権者により使用されているとする被請求人の主張は、極めて疑わしいものといわざるを得ない。
(3)仮に、2000年6月6日に「品番K062」の「カバー」が通常使用権者から「有限会社みどり薬局 くすりのタイムベビーランド」へ納品されたことが真実であるとしても、その時期とほぼ同時期に使用されたと認められる通常使用権者の商品カタログ(甲第1、2号証)には、「品番K062」のおむつカバーは存在しない。
この点に関し、被請求人は、本件商標の使用の事実を証明するために提出の商品「おむつカバー」であっても、商品に要求される物性、機能は販売店によって異なり、また、百貨店と量販店とでは、販売価格が異なるために、商品の品番は取扱店によって細分化されており、管理上品番が相違するのは当然である旨主張する。
しかしながら、前記3.(1)ないし(3)で認定したように、例えば、「ネンネ洗剤詰め替え用1は、甲第1ないし3号証のいずれも、「¥680」であり、その他の商品についても価格が同一のもが存在する。したがって、被請求人の上記主張は、にわかには首肯できない。
そして、甲第1、2号証(商品カタログ)には、前記認定のとおり、「ベビーネンネ独自の加工で、強力なはっ水性、伸縮性、防水性を兼ね備えています。・・・」との説明文とともに「キャンベル加工」の文字が記載されており、また、取扱者である通常使用権者の郵便番号から、1998年2月以降の使用と認められる甲第3号証(商品カタログ)には、「特殊素材 キャンベル加工(撥水加工)。水をはじいて空気を通す画期的な加工法。・・・糸そのものにていねいな撥水加工を施しているため、洗濯しても機能は低下しません。」との文字が記載されていることを併せ考えると、通常使用権者の商品カタログにおける「キャンベル」の表示は、商品「おむつカバー」についての商標の使用というより、むしろ「おむつカバー」の素材に施される、はっ水加工、伸縮加工、防水加工といったような特殊な加工についての名称を表したと理解されるというのが相当である。
上記について、被請求人は、何等反証するところがない。
(4)ところで、本件商標は、前記したように、「Cambell」の欧文字と「キャンベル」の片仮名文字を二段に書してなるものであるところ、乙第3号証の1ないし5に示された「品番K062」の「おむつカバー」に表示された商標は、「キャンベル」の片仮名文字である。
そうすると、本件商標と使用に係る商標とは、「キャンベル」の称呼を共通にするものであることは被請求人主張のとおりである。
しかしながら、「キャンベル」の称呼からは、人名の「Campbell」、ないしアメリカ原産の果皮の黒い大粒のぶどうを指称する「campbell」の語が存在するところから、使用に係る商標「キャンベル」から、常に造語としての本件商標中の欧文字部分「Cambell」が想起されるというものではなく、むしろ上記「Campbell」、ないし「campbell」の語が想起されるというのが相当である。
したがって、本件商標と使用に係る商標とは観念上同一のものということができないし、外観においても異なるものであるから、社会通念上同一のものということはできない。
4.以上のとおりであるから、被請求人は、通常使用権者が取消に係る指定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたことを証明していないばかりでなく、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないものであるから、本件商標は、その指定商品中「被服(溶接マスク,防毒マスク,防じんマスク,防火被服を除く)」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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