Trademark Appeal Case
「ELLE」の著名性と混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第10540号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙(1)に表示したとおり「ELLECLUB」の欧文字を横書きしてなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計,記念カップ,記念たて」を指定商品として、平成8年1月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、フランス国 ルヴァロア ペレ セデックス リュー アナトール フランス149番に所在する、『アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム』が、ファッションを中心とした女性雑誌に使用して、本願商標出願時にすでに著名な商標であり、又、最近では被服をはじめ本願指定商品との関係では、時計及び身飾品等にも使用されている商標である『ELLE』の文字を有してなるものであるから、これを出願人がその指定商品に使用するときには、恰も前記法人若しくは前記法人と何らかの関係に有るものの商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)原査定において引用する「ELLE」の商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙(2)に表示したとおりのものであって、フランス国 ルヴァロア ペレ セデックス リュー アナトール フランス149番に所在する「アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム」(以下、「アシェット社」という。)が、昭和20年(1945年)にフランスで引用商標を題号として使用した女性向けファッション雑誌(以下、「雑誌『ELLE』」という。)を創刊した(株式会社研究社1991年発行「英和商品名辞典」141頁「E11e エル」の項参照。)。その後、アシェット社は、アメリカ合衆国、イギリス(メディア・リサーチ・センター株式会社1988年6月10日発行「雑誌新聞総カタログ1988年版(第10版)」944頁「ELLE/アメリカ版」、「ELLE/イギリス版」の項参照。)を始め世界各国で雑誌「ELLE」を発行している。
日本においては、昭和57年に株式会社マガジンハウスが雑誌「ELLE」の日本語版を発行し、その後、株式会社タイムアシェト ジャパンがこれを承継して現在に至っていることを認めることができる。なお、昭和54年7月20日増補版第二刷「増補版服飾大百科事典下巻」(文化出版局 発行)には、「エル」の項目に、アシェット社のファッション雑誌がファッション中心に編集したフランスの若い女性向きの週刊誌であり、最近では「エル・ファッション」と呼ばれ、全世界の若い女性たちの間に支持者を持つようになっている旨の記載があり、昭和63年9月5日第10刷「服飾辞典」(同文化出版局 発行)にも、「エル・ファッション」の項目に、フランスの女性雑誌「ELLE」によって生み出されたファッションのことと記載されている。
(2)アシェット社は、引用商標の商品化活動を推進し、昭和39年以降は帝人株式会社を介して、昭和59年7月からは自ら設立した東洋ファッション開発株式会社(平成4年7月1日、エルパリス株式会社に商号変更)を介して、日本国内においても多数の企業に対して引用商標の使用を許諾し、現在までに、それら使用権者により、被服、アクセサリー、バッグ類、はき物、傘、時計、眼鏡製品、喫煙具、生活用品等多種類の分野につき、引用商標の付された商品が製造・販売されている(株式会社アパレルファッション昭和59年1月10日発行「月刊『アパレルファッション』別冊海外ファッション・ブランド総覧」163頁、164頁、198頁「エル ELLE」の項及び株式会社チャネラー昭和59年9月20日発行「別冊チャネラー’84−9/ファッション・ブランド年鑑’85年版」49頁、205頁、420頁「エル(ELLE)」の項、同社昭和59年1月10日発行「別冊チャネラー’86−9/ファッション・ブランド年鑑’87年版」47頁、214、216頁「エル(ELLE)」の項、同社1995年11月20日発行「別冊チャネラー’95−11/ファッション・ブランド年鑑’96年版」159頁、214頁「エル(ELLE)」の項参照。)。
(3)以上の事実に照らしてみれば、引用商標は、少なくとも、本願商標の出願時である平成8年1月9日以前には、「女性向けファッション雑誌」の商標として、我が国における取引者・需要者間に広く認識されていたものであり、また、本願商標の指定商品である「身飾品,時計」をはじめ、「洋服、スカーフ、ハンカチ類、エプロン、寝装寝具類、手袋、かさ」等の各種商品の商標としても、取引者・需要者間に相当程度知られた周知かつ著名な商標と認められる。
(4)そうすると、本願商標は、別紙(1)に示すとおり「ELLECLUB」の欧文字を横書きしてなるものであり、前記周知かつ著名な別紙(2)に示す商標「ELLE」と同一の綴りの文字を構成文字の先頭に有してなるものであるから、本願商標をその指定商品に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、本願商標の構成中の「ELLE」の文字に注目し、前記周知かつ著名なアシェット社に係る別紙(2)に示す「ELLE」の商標を連想し、該商品がアシェット社又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
ところで、請求人は、「ELLE」の商標登録及び「ELLE」、「elle」または「エル」の文字を一部に有する商標が商標登録されている例を示して種々主張しているが、これらの商標が登録されている事実を考慮しても、前記のとおり認定できるものであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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