sokuhyo

Trademark Appeal Case

MASTERシリーズ商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90731(T2001−90731/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4486958号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4486958号商標(以下「本件商標」という。)は、「MASTERLEASE」の欧文字を横書きしてなり、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成8年12月26日に登録出願、同13年6月29に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第3294157号商標は、「MasterCard」の欧文字を書してなり、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成4年9月30日に登録出願、同9年4月25日に設定登録され、同登録第4370485号商標は、「MASTERCARD」の欧文字を書してなり、第9類、第16類、第25類、第28類、第35類、第36類、第38類、第39類、第41類、第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品又は役務を指定商品又は指定役務として、同10年1月7日に登録出願、同12年3月24日に設定登録され、同登録第3307535号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同5年4月9日に登録出願、同9年5月16日に設定登録され、同登録第3307541号商標は、「MASTERASSIST」の欧文字を書してなり、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同5年8月23日に登録出願、同9年5月16日に設定登録され、同登録第3364778号商標は、「MASTERPHONE」の欧文字を書してなり、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同6年3月1日に登録出願、同9年12月5日に設定登録され、同登録第4025727号商標は、「MASTERBANKING」の欧文字を書してなり、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同6年5月9日に登録出願、同9年7月11日に設定登録され、同登録第4057759号商標は、「MASTER CHARGE」の欧文字を書してなり、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年7月21日に登録出願、同9年9月19日に設定登録され、同登録第4213071号商標は、「MASTERNET」の欧文字を書してなり、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年12月25日に登録出願、同10年11月20日に設定登録され、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について

(イ)観念における類否

申立人は、自己の名称の一部「MASTER」を使用した「MASTER」シリーズの登録商標を多数所有しているものである。その中でも本件商標の指定役務と抵触する主なものが上記引用各商標である。消費者等は、前半に位置する「MASTER」プラス後半に続く名詞により構成される引用商標を見聞きすれば「マスターカード インターナショナル インコーポレイテッド」と観念を容易に抱くものである。

一方、本件商標は、引用各商標と同様に前半が「MASTER」からなり「マスターカード インターナショナル インコーポレイテッド」を想起させる。

後半の「LEASE」は「賃貸借契約」等の意味を含む。当然、本件商標を目にした取引者・消費者等に「マスターカード インターナショナル インコーポレイテッドによるMASTERシリーズ商標の一つで、マスターカード インターナショナル インコーポレイテッドが提供している賃貸借契約サービス」であるかのごとき観念を容易に認識させるものである。

よって、観念において本件商標と引用各商標は類似するものであることは疑いの余地がない。

(ロ)称呼における類否

本件商標は、申立人の引用各商標の一部である「MASTER」の文字の後に「LEASE」が左横に配置さているので「マスターリース」の称呼が生じる。一方、引用各商標も申立人自身の名称の一部である「MASTER」或いは「Master」を含み「マスターカード」「マスターコム」「マスターアシスト」「マスターホン」「マスターバンキング」「マスターチャージ」「マスターネット」等の称呼が生ずる。

本件商標と引用各商標の指定役務は抵触し、双方とも先頭に「マスター」の称呼を等しく有するので、称呼においても類似商標と認識される。

(ハ)外観における類否

本件商標は、申立人の商標の一部である「MASTER」の欧文字の後に「LEASE」を左横一列に配置している。一方、引用各商標も申立人自身の名称の一部である「MASTER」或いは「Master」を前半に置き、その他の名詞との組み合わせで「MasterCard」、「MASTERCARD」、「Master COM」、「MASTERASSIST」、「MASTERPHONE」、「MASTERBANKING」、「MASTER CHARGE」及び「MASTERNET」となり、何れも前半において欧文字「MASTER」を有する。

商標構成における前方部分はその商標を目にする者にとって、非常に印象に残る重要な部分である。

したがって、外観においても本件商標は申立人の引用各商標に類似するものである。

以上の結果、本件商標と引用各商標の観念、称呼、外観の全てにおいて類似性が極めて高く、又、双方の指定役務も類似又は同一といえる。よって、本件商標は引用各商標に類似する商標である。

(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について

申立人マスターカード インターナショナル インコーポレイテッドは、世界最大手のクレジットカード会社であり、本件が出願される前年の199 5年には既に世界総売上高は約4700億ドル(甲第10号証)に達し、本件が出願された翌年の1997年に日本におけるカード発行枚数は約2600万枚を誇る(甲第11号証)。近年では、その広告を新聞、雑誌、テレビ、街中の看板等あらゆるところで頻繁に目にする事が出来る。更にマスターカード インターナショナル インコーポレイテッドは本件出願日をかなり遡る時点から、我が国においてすでに著名であったことは株式会社小学館発行の最新英語情報辞典(昭和58年1月10日発行)に記述があることからも明らかである(甲第12号証)。

本件商標の後半の「LEASE」は「賃貸借契約」等の意味を含むものであり、この「賃貸借契約」は申立人の周知の役務に深く関連し、且つ、本件商標は申立人の社名及びその役務を容易に想像させるものである。

その一例として、本件商標の出願審査中に、申立人の登録商標に類似するとして第4条第1項第11号を理由に特許庁から拒絶理由通知が為されている。その拒絶理由通知に申立人の登録商標が引用されたのは、本件商標後方の「LEASE」が申立人の役務を暗示し、前方は申立人の会社名称の主要部分であり、同申立人の会社をかくまで広く世界に知らしめた「MASTER」が存在したためと考えられる。

更に、本件指定役務は申立人の提供する主要な役務と抵触する上、その抵触する役務の提供場所が限られており、消費者等が本件商標及び引用各商標に時と所を同じくして接した場合、本件商標の存在は消費者等に混乱・誤解を招くだけに他ならない。

本件権利者により提供されたされた役務が、あたかも申立人の提供によるもの、あるいは関連ある役務であるかのように誤解されることは、申立人にとっての名誉毀損、信用毀損であり、また、申立人の役務であるとの錯覚から利用してしまうことは消費者にとって多大な損害で、不利益である。申立人の営業規模を考慮し、種々の業務を世界的に展開していることからすれば、こうした事態が社会に大きな混乱をもたらすことは必死である。異議申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如くその出所について混同するおそれがあることは明らかである。

従って、他人の業務に関わる役務と混同を生じるさせるおそれのある本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当し、登録されるべきではない。

(3)結論

本件商標「MASTERLEASE」は、証拠(甲第2号証ないし甲第9号証)から明らかなように、商標法第4条第1項第11号及び同第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取消さるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について

本件商標は、「MASTERLEASE」の欧文字を同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく表してなり、これより生ずる「マスターリース」の称呼もそれ程冗長なものとはいえず、淀みなく一連に称呼し得るものであるから、構成中の「LEASE」の文字が「賃貸借契約」等を意味する語であるとしても、かかる構成においては全体として一連の造語を表したものとみるべきであり、構成全体より「マスターリース」の一連の称呼を生じ、特定の意味合いを有しない造語というのが相当である。

他方、引用各商標は、上記のとおり「MasterCard」「MASTERCARD」「MasterCom」「MASTERASSIST」「MASTERPHONE」「MASTERBANKING」「MASTER CHARGE」及び「MASTERNET」の各文字などよりなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、「マスターカード」「マスターコム」「マスターアシスト」「マスターホーン」「マスターバンキング」「マスターチャージ」「マスターネット」の一連の各称呼を生じ、かつ、いずれも特定の意味合いを有しない造語というのが相当である。

そうすると、本件商標より生ずる称呼「マスターリース」と引用各商標より生ずる称呼「マスターカード」「マスターコム」「マスターアシスト」「マスターホーン」「マスターバンキング」「マスターチャージ」「マスターネット」とは、冒頭の「マスター」の構成音が共通するとしても、これに続く「カード」「コム」「アシスト」「ホーン」「バンキング」「チャージ」「ネット」の各構成音が相違するので、明確に聴別できるものである。

また、本件商標と引用各商標とは、外観上においては構成文字の相違により容易に見分けられるものであり、観念においてはいずれも造語と認められるものであるから比較することができない。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点においても区別できる非類似の商標といわざるを得ない。

(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について

本件商標及び引用各商標はいずれも構成中に「MASTER」又は「Master」の文字を有するが、該語は、我が国においては、比較的良く知られた英語であり、その称呼「マスター」も外来語として、「飲食店などの店主、技術やこつを修得すること」などの意味をもって親しまれ使用されているが、申立人の提出した証拠によっては、申立人の名称又は引用各商標の略称として著名であるとは認められない。そして、本件商標と引用各商標とは、上述したとおり、外観、称呼及び観念において相違する別異の商標というべきものである。

したがって、本件商標は、指定役務にその使用をしたとしても、申立人の業務に係る役務と混同を生じさせるおそれがあるとはいえない。

(3)結論

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。