Trademark Appeal Case
生前予約システムの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第12599号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「生前予約システム」の文字を横書きしてなり、第42類「葬儀の執行,葬式のための祭壇の貸与」を指定役務として、平成7年12月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、指定役務との関係において、自分が死んだ時の葬儀の方法・内容等を事前に選択しておく方式の意を容易に認識させる『生前予約システム』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これをその指定役務に使用しても、この方式を利用した役務の提供であることを認識させるにすぎず、単に役務の質・内容を表示するものと認められる。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」として本願を拒絶したものである。
3 当審の半断
本願商標は、上記のとおり、「生前予約システム」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、岩波書店発行「広辞苑第5版」によれば、「生前」の語は「(亡くなった人が)生存していた時。存命中。」の、「予約」の語は「あらかじめ約束すること。また、その約束。」の、「システム」の語は「複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。組織。系統。仕組み。」の各意味を有するものであることか認められ、本願商標がこれらの語を結合してなるものであることは明らかである。
ところで、朝日新聞社発行「朝日現代用語『知恵蔵』’99」の「生前契約」の項によれば、「生前契約」とは「生前に自分の葬儀の内容、費用、支払い方法等を予め決めておくこと」を意味し、「自分らしい葬儀を」と考える人や身寄りのない人が増えており、生前契約か注目され始め、また、葬祭業者の立場でも将来の需要を確保できるため、このサービスを行う会社が増えていることが認められる。そして、以下の新聞記事データベース及びインターネットのホームページの記載によれば、この生前契約と同義で「生前予約」又は「生前予約システム」の語が一般に用いられていることが認められる。
例えば、読売新聞記事データべース、92.9.25付西部読売朝刊には、「予約するのは自分自身の葬式だ。...六月に発表した生前予約システムに加入しようと...。生前予約は互助会を進化させた積み立てシステム。すべてを生前におぜん立てしてくれる。...」と、毎日新聞記事データベース、98.5.28付東京本紙朝刊には、「葬儀、遺言、お墓について、一般的な手続きや費用、考え方を解説。生前葬や葬儀の生前予約システム、...」と、日経新聞記事データベース、99.8.15付本紙朝刊には、「生前予約すれば費用確定...生保と葬儀社が企画している生前予約システムが便利だ。」とそれぞれ記載されている。
また、インターネットの各ホームページ、例えば、「三友ライフサービス」及び「せいわライフサービス」では、「生前予約」の表題の下に「ご自身や周辺を問わず8葬儀のスタイル●宗教●価格●総儀式希望場所等の細目あるいは大筋について、予め意思表示をして頂き、...というのが生前予約システムの目的です。...」と記載され、「(株)公営社」では、「生前予約について」と題して、生前予約の起源、生前予約の背景と現状、生前予約の方法等について記述し、「全国儀式共済協力会」では、「生前予約の奨め」の表題の下に「最近葬儀の生前予約が増えてまいりました。葬儀の生前予約は大きく分けて2つのタイプがあります。...」と記載されているほか、多数のホームページにおいて同様の記述がされている。
以上を総合すれば、本願商標は、上記の3語を結合してなるものであるとしても、全体として「生前に自分の葬儀の内容、費用、支払い方法等を予め決めておく仕組み」の意味合いを容易に認識し理解し得るものであり、これをその指定役務に使用するときは、該仕組みに係る役務を提供するという役務の質(内容)を表示したものと看者に認識せしめるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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