Trademark Appeal Case
商品形状の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第12971号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、商標の構成を別紙に示すものとし、第10類「綿棒」を指定商品として、平成9年4月1日に立体商標として登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『綿棒』を表札たものと容易に理解し得る(綿棒を写真に写して商標を記載したものと認められる。)ものであることから、これをその指定商品である「綿棒」に使用するときは、その商品の形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的形状若しくは立体的形状と文字、図形、記号等の結合又はこれらと色彩との結合された標章であって、商品又は役務について使用をするものを登録する立体商標制度を導入した。
立体商標は、商品又は商品の包装及び役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状を含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)に商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まるというのが相当である。
また、商品等の形状は同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用をする必要があり、かつ、何人も使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用された結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品又は役務と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
立体商標制度を審議した工業所有権審議会の平成7年12月13日付け「『商標法等の改正に関する答申』P30においても、『3.(1)立体商標制度の導入▲3▼需要者が指定商品若しくはその容器又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識する形状のみからなる立体商標は登録対象としないことが適当拷えられる。・・・ただし、これらの商標であっても使用の結果識別力が生ずるに至ったものは、現行法第3条第2項に基づき登録が認められることが適当である。』」としている。
(2)これを本願についてみれば、本願商標は、商品「綿棒」の形状としてその一形態を表したものとみられるものであるから、これをその指定商品「綿棒」について使用しても、取引者、需要者は、単に商品「綿棒」の形状と認識するにすぎないものと判断するのが相当である。
(3)請求人は、本願商標は、別紙に示すとおり、一端部にマッチの頭状をした綿塊を有し、他端には四か所においてくびれ部を形成し、五つの小塊に分割した棒状の綿塊を設けてなる形態に係るもので、軸体の一端部または両端部にマッチの頭状をした綿塊を設けた構成に係る通常の綿棒と比べ、極めて特異であり、その特異な形態に注目して他人が提供する綿棒との相違を認識し、当該形態を目印に商品を購入するものであり、本願商標は、商品「綿棒」について自他商品識別力を発揮し得る商標である旨等種々主張する。
しかしながら、本願商標は、綿棒の片方の先端部の綿塊に四か所においてくびれ部を形成した点において、通常の綿棒とは異なる形状を示しているが、それは機能的にみて、棒状のものの先端部に頭状をした綿塊を設けるという商品「綿棒」の本質的形状において変わりはなく、ただ、耳などの汚れを取りやすくするという機能を発揮するためにその片方の先端部にくび榔を採択したものと認められ、通常の綿棒に比べ綿棒の機能をより発揮させるためのものというべきであるから、それをもって、自他商品の識別力を有するものとは認められない。また、通常の商品とは異なる形態であっても、それが商品の機能に関わるものである以上は、これに接する取引者、需要者は、当該商品の形状を表示したものであると認識するに止まるというのが相当である。
してみれば、本願商標は、指定商品の形状を表示するものとし、商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。