Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90064(T2002−90064/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4518633号商標(以下「本件商標」という。)は、「CELL」の欧文字を横書きしてなり、平成12年10月31日登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、同13年11月2日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由(1)、登録異議申立人;高野勝弘
本件商標を構成する「CELL」の文字は、その指定商品、特に、クリーム、エッセンス、シャンプー等との関係において、「細胞」あるいは「細胞に働きかける商品」の意味合いをもって使用されているものである。
してみると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、「細胞に働きかける商品」を直感させ、単に商品の用途、品質を表示するにすぎないものである。
また、本件商標は、これを上記以外の商品について使用した場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
さらに、本件商標の指定商品の分野における「CELL」、「セル」の語、あるいはこれらを含む語の使用例からすると、本件商標をその指定商品について使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することがでない商標である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は、取り消されるべきである。
3.登録異議の申立ての理由(2)、登録異議申立人;セラップ ラボラトワール エス エー
本件商標は、「CELLCOSMET」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年11月21日登録出願、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品として、同63年5月26日に設定登録された登録第2046936号商標(以下「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、両者の指定商品は抵触するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
4.当審の判断
(1)登録異議の申立ての理由(1)について
商標法第3条第1項の規定に該当するか否かの判断時期は査定時であると解されるところ、本件商標が商標法第3条第1項第3号及び同第6号に該当する証拠資料として登録異議申立人が提出した甲第1号証及び平成14年3月8日付け上申書に添付の資料1は、いずれも本件商標の登録査定日(平成13年(2001年)9月7日)以降の日付のインターネット上のホームページである。
そして、甲第1号証によれば、「セルコスメ」(ブランド名)、「細胞ケア」、「セルケア」などの使用例が存在するとしても、「CELL」の語が化粧品の用途、品質等を表示するものとして使用されている事実は見当たらない。
また、甲第2号証の拒絶例も、「CELL」の文字に他の語が結合されて、全体として商品の品質を表示したと認定された事例に限られるものである。
さらに、平成14年3月8日付け上申書に添付の資料1によれば、「セル」の文字が他の語と結合して、化粧品業者が自己の取り扱う商品について使用する商標(ブランド名)を表示している例が多く、他には、「セル」の語が記述的に使用されている例が認められるが、このような事例は、商標法3条第1項各号で規定する自他商品の識別機能を有しない商標の使用例とはいえないものである。したがって、「CELL」の語が商品の品質を表示するものとして使用されているのであればともかく、「セル」が他の語と結合して、化粧品の業界でブランド名等として使用されている事例をもって、本件商標が需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することがでない商標ということはできない。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品のいずれの商品についても、特定の商品の品質等を表示するものとはいい難く、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわざるを得ないものであり、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものということはできない。
(2)登録異議の申立ての理由(2)について
本件商標は、「CELL」の文字よりなるものであるから、構成文字に相応して「セル」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は、「CELLCOSMET」の文字よりなるところ、構成各文字は同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書され、全体としてまとまりよく構成されており、これより生ずると認められる「セルコスメット」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
してみると、引用商標は、構成全体をもって一つの造語を表したと理解されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して「セルコスメット」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
そこで、本件商標より生ずる「セル」の称呼と引用商標より生ずる「セルコスメット」の称呼とを比較すると、両者は、後半部において「コスメット」の音の有無という顕著な差異を有するものである。してみると、両称呼は、これを一連に称呼した場合においても、相紛れるおそれはないものである。
また、引用商標は、前記のとおり、特定の観念を生じ得ない造語と判断されるものであるから、本件商標とは観念上比較し得ないものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、前記したそれぞれの構成よりみて外観上区別し得るものである。
この点に関し、登録異議申立人は、「需要者の注意を惹く引用商標の前半部分と本件商標とは共通しているから、両者は外観上相紛らわしい」旨主張するが、前記したとおり、引用商標は、構成全体をもって一つの造語を表したと把握、認識されるものであり、その構成中の「CELL」の文字部分のみが独立して看取されるという特段の事情は見出せない。したがって、上記登録異議申立人の主張は理由がない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても区別し得る非類似の商標というべきである。
(3)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第6号、同法第4条第1項第16号及び同第11号に違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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