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Trademark Appeal Case

称呼類似性:語尾音の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第13377号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第9類「コンピューター用マウス、コンピューター、スキャナー、コンピューター用プリンター、電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・同磁気ディスク・同磁気テープ・同光ディスク、その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成7年7月7日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第1584299号商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、昭和55年4月21日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、昭和58年4月27日に設定登録がされ、該登録に係る権利は、平成5年10月28日に更新登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、別紙に示すとおり、黒色の四角形内に白抜きでややデザインされた「M」の欧文字とその右側に横長矩形内に「ustek」の欧文字を書してなり、構成文字全体を細い線で囲んでいる構成よりなるものであるから、さほど特異ともいえないレタリング技法であって、該「M」の文字と「ustek」の文字とが常に、別個のものとしてみなければならない事情もなく、構成文字全体として「Mustek」の欧文字を書してなるものといわざるを得ない。

そして、「Mustek」の文字は、特定の意味合いを有しない造語といえるから、我が国で最も親しまれている外国語である英語の発音方法によってこれを称呼する場合には「Mus」の綴り字については、例えば、「must」が「マスト」、「mustard」が「マスタード」と発音されていることから、該文字部分を「マス」と発音し、全体として「マステック」と称呼して、取引に資される場合が少なくないとみるのが相当である。

これに対して、引用商標は、別紙のとおり「MASTECS」の欧文字を書してなるところ、これに接する取引者、需要者は、一般に親しまれている英語風の読み方をもって「マステックス」と読み、その称呼をもって、取引に資するとみるのが相当である。

そこで、本願商標より生ずる「マステック」の称呼と引用商標より生ずる「マステックス」の称呼とを比較検討するに、両称呼は、語尾における「ス」の音の有無に差異を有するほか、冒頭から5音目までの「マ」「ス」「テ」「ッ」「ク」の音構成を全て同じくするものである。

しかして、該差異音の「ス」の音は、それ自体響きの弱い無声摩擦音であって、前音の破裂音である「ク」に吸収され易い音であることに加え、称呼の識別において常に明瞭に聴取されるものとは限らない語尾に位置することから、この音の有無が両称呼の全体に及ぼす影響は決して大きいということはできない。

してみれば、それぞれを一連に称呼した場合、両称呼は、全体の語感、語調が極めて近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。

そうすると、本願商標と引用商標とは、たとえ、その構成よりして外観において相違し、両者共に造語といえるものであるから観念において比較すべくもないとしても、電話等口頭による取引が普通に行われる取引社会の実情よりすると、称呼において類似する商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に包含されるものであるから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

なお、請求人(出願人)は、本願商標が、当該業界において、現実に広く知られ、10年以上に亘り業界で平穏に使用され、社標としてすでに通用している旨述べて、証拠方法として甲第2号証乃至同第3号証(枝番を含む)を提出しているが、本願商標は、前記のとおり引用商標と類似する商標であるから、請求人の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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