Trademark Appeal Case
PASS-CHECKの機能表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第13724号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおり、「PASS−CHECK」の文字を横書きしてなり、第9類「電子応用扉自動開閉装置,電動式扉自動開閉装置,通行者用電動式ゲート」を指定商品として、平成8年6月13日に登録出願、指定商品については、平成10年5月19日付手続補正書により「電子応用扉自動開閉装置,電動式扉自動開閉装置,電動式改札口用遮断板開閉装置,電動式有人改札口用遮断板開閉装置」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、比較的一般によく知られる英語として『乗車券・定期券、通行証』等の意味を有する『PASS』の語と、『照合、検査』等の意味を有する『CHECK』の語を、『PASS−CHECK』と書してなるところ、全体として指定商品との関係から『不正乗車や不正な進入を防ぐための機能』を想起、認識させるにすぎないから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質(機能)を表示するにすぎない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨の理由により、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙に示すとおり、「PASS−CHECK」の欧文字をやや太めの書体をもって表してなるものであるところ、これを構成する前半の「PASS」及び同後半の「CHECK」の各文字部分は、一般に「通る。通過する。合格すること。通行証・定期券・入場券」及び「照合、検査、点検」の意味合いをもって、ともに親しまれている平易な英語と認められ、かつ、それらの片仮名表記である「パス」及び「チェック」の各文字(語)は、それぞれ前記と同様の意味合いを持って一般に親しまれている平易な外来語と認められる。
ところで、「パス」の語は、運輸・交通に関連する新聞記事報道をみると、例えば、1996.03.18付発行の東京読売新聞行によれば「パスをかざすだけで自動改札機をパス 運輸省が新システム開発へ....」とあり、また、1995.10.13付発行の朝日新聞によれば「愛知県議会も無料パスを返上....名古屋市営地下鉄やバス、名鉄、近鉄などの乗車パスや、東山動植物園,名古屋港水族館、名古屋競馬場といった各種施設の入場パスなど、計十数種の無料パスが....」の如く解説されていて、運輸関連の事業分野においては、「定期券、乗車券、入場券」或いは「通過」の意味合いで普通に使用されていることが認められる。
また、「チェック」の語についてみると、例えば、1994.4.22付及び1995.9.2付の日本経済新聞によれば、「JR東日本、自動改札にキセル防止網。....自動改札機は乗車券や定期券の情報を磁気で読み取るが、同時に入出場の日付と時間、駅名などを定期券などに打ち込むことも技術的に可能なシステムとなっている。....」、「新システム阪急電鉄が開発、磁気記録利用定期の不正チェック。」とあり、また、1998.3.18付の読売新聞によれば、「東京周辺のJRに25日から“判別改札機”が登場....改札機が自動的にキセルをチェックする。」等の記事報道が認められ、或いは、京浜急行電鉄(株)(東京都港区)に係るインターネットホームページ1999.3.26付広報によれば、「不正乗車チェックを強化します....4月1日(木)より自動改札機による乗降確認システムを強化するとともに、....自動改札機を利用して、普通乗車券や定期券などに『乗車駅』『乗車日時』などの入出場情報を記録し乗降を確認するシステムです。」なる事業関連情報にみられるように、運輸・交通関連の事業分野においては「チェック」の語を、定期券、乗車券等により入退場を検査するという意味合いをもって普通に使用され、かつ、各交通機関はこれらチェック機能を有する改札機を営業上、実際に設置している状況が認められる。
さらに、通行又は入場チェック機能を持つ機器に関し、交通機関以外の分野についてみると、例えば、1993.3.15付及び1989.6.20付の日刊工業新聞によれば、「日本信号、磁気カードによる入退室管理システムを発売。ビルや工場向けに,本格拡販 日本信号(社長宮地長禮氏)は、ビルや工場、研究所の入退場者をチェック管理する『セキュリティゲートシステム』の本格販売を開始した。....入場資格証を読み取り、一人ずつスムーズに出入りチェックができる。」「ヴィット、磁気カード利用の入場管理システム完成 ヴィット(大阪市中央区内久宝寺町三ノ三ノ七、社長小川隆也氏)は、会員制の卸問屋やスポーツクラブ、メンバーズクラブの入場者管理を各会員が持っている磁気カードによって自動的に行う....」なる記事報道が認められ、或いは、東京都千代田区在の(株)ヤマヤ・システム、東京都港区在の(株)カナデン、三重大学付属図書館に係る各インターネットホームページ情報によれば、「ハイセキュリティ・エリアにおける入退室に最適な『掌形識別による入室管理装置』」、「商品情報『小型指紋照合装置、病院使用例』指紋照合入力により、入室者の通行チェックを行います。」、「入退館管理システムについて....登録された利用者のみ、ゲートを開けて入室できるという仕組み....」等の関連情報が認められ、工場設備、病院施設その他のビル建物において、入退室のチェックができる装置、システムが取り入れられているのが実情である。
以上によれば、「PASS−CHECK」の文字(語)からは、一般的に「改札点検(チェック)」「入場(券)点検」等の意味合いを容易に理解し得るものであり、特に、運輸関連の事業分野ないしは建物設備関連の事業分野においては、磁気媒体(定期券、入場券、通行券)と読み取り装置による、通行、入退室チェック装置の機構・機能を表示するものとして容易に理解されるといえるものである。
してみると、本願商標を、その指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記実情よりして、該商品の品質、機能(「入退室又は入退場時に不正等をチェックする機能を有する装置」という品質機能)を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきである。
請求人(出願人)は、本願商標(「PASS−CHECK」)は「入場券」を意味する英語であるから、直ちに指定商品の品質表示とはいえない旨述べているが、該英語が請求人主張の意味合いをもって、世上親しまれているとの実情は格別認められず、本件については前記認定判断を相当とするから、その主張は採用の限りでない。
そして、かかる構成になる、本願商標は、前記チェック装置の製造・販売に関わる事業者であれば、該商品を流通過程・取引過程におく場合必要な表示であって、何人もその使用を欲するものであるから、商標の本質的機能(自他商品の識別標識)及び商標保護の法目的からして、これを登録商標として一私人の権利に帰属させ、その独占的使用に委ねることは必ずしも適切でないものと認められる。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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