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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠評価

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31204号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1920652号商標の指定商品中の「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1920652号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示した構成よりなり、昭和58年12月27日に登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同61年12月24日に設定登録され、その後、平成9年7月25日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した。

1.被請求人は、本件商標を、その指定商品中「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」について継続して3年以上日本国内において使用していない。また、本件商標について専用使用権者は存在せず(甲第1号証)、又通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」につき使用されていないものである。

2.答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証(封筒)は、これが本件審判の請求の予告登録日(平成11年9月22日)前3年間に使用されたものであるかは不明である。また、封筒に表示されている「ディスカウンター及びNEEDS 図形」標章は、本件商標と同一性を欠く。さらに、このような封筒自体は、取引書類又は広告物ともいえず、この使用が、ある商標のある商品への使用を意味するものではない。

(2)乙第2号証(被請求人のカタログの表紙)は、これがいつ発行され、配布されたか不明である。また、そこに表示された標章「NEEDS 図形」中の図形は白抜きであるから、本件商標と同一性を欠くものである。また、本号証のみでは被請求人が扱っている商品は全く示されておらず、したがって、本件取消請求に係る指定商品「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」のいずれかについて使用していたことを何ら証明するものではない。

(3)乙第3号証(被請求人のメンバーズカード)は、本号証のみでは被請求人が扱っている商品は全く示されておらず、したがって、本件取消請求に係る指定商品のいずれかについて使用していたことを何ら証明するものではない。

(4)乙第4号証(被請求人のユニフォームの写真)は、ユニフォームに商標が表示されているが、このようなユニフォームは広告物ともいえず、この使用が、ある商標のある商品への使用を意味するものではない。

(5)乙第5号証(被請求人の店内の写真)は、売場案内表示のもとに展示・販売されているのは、自動車のタイヤであり、そこには本件取消請求に係る指定商品のいずれも示されておらず、したがって、本号証が本件商標を当該商品のいずれかについて使用していたことを何ら証明するものではない。

(6)乙第6号証は、答弁書において、「被請求人が販売した商品に使用している本件商標である」旨述べた写真であるが、その撮影日は、1999年12月21日であり、本件審判の請求の予告登録後であるから、かかる写真中の商品が、前記予告登録前3年間に存在したことさえ証明されていないし、ましてや当該商品が、写真に示された態様で上記3年間に取引・販売されたことを何ら証明するものではない。

また、以下ア.ないしウ.に述べるように、これらはいずれも本件取消請求に係る指定商品に該当しないか、販売された商品とは考えられない。

ア.乙第6号証(1)の各写真に示された商品は、いずれも販売されている商品というより、むしろ被請求人が自己の売場で販売する商品を運搬・搬入する際使用しているものと考えられる。また、そこに表示された商標は、後で当該商品に付されたかのような不自然なものであり、その中には白抜きで不明瞭なものもあり、本件商標と同一性を欠く。

イ.乙第6号証(2)の各写真に示された商品は、被請求人が本件商標を使用して販売している商品というより、顧客が店内で商品購入の際使用している用具にすぎないものや商品自体不明のものもあり、本件取消請求に係る商品のいずれにも該当しないものと考えられる。また、そこに表示された商標は、後で当該商品に付されたかのような不自然なものであり、その中には白抜きで不明瞭なものもあり、本件商標と同一性を欠く。

ウ.乙第6号証(3)の各写真に示された商品は、具体的に何の商品か不明であったり、不明ではないとしても、本件取消請求に係る商品のいずれにも該当しないものと考えられる。また、そこに表示された商標は、後で当該商品に付されたかのような不自然なものであり、その中には白抜きで不明瞭なため、本件商標と同一性を欠く。

したがって、本号証は、本件商標を本件取消請求に係る商品のいずれかについて使用していたことを何ら証明するものではない。

(7)乙第7号証(被請求人の「ユニーズカタログ」)には、本件取消請求に係る商品のいずれも全く示されておらず、したがって、本件商標を当該商品のいずれかについて使用していたことを何ら証明するものではない。

3.以上述べたとおり、上記乙各号証によっては、本件商標の使用事実は証明されていないから、本件商標は、その指定商品中の「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」についてその登録を取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した。

1.被請求人は、以下のとおり、本件商標を、その指定商品中の「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用している。

(1)乙第1号証は、請求人(「被請求人」の誤記と認める。以下同じ。)が使用している封筒に使用している本件商標。

(2)乙第2号証は、請求人のカタログに使用している本件商標。

(3)乙第3号証は、請求人のメンバーズカードに使用している本件商標。

(4)乙第4号証は、請求人のユニホームに使用している本件商標。

(5)乙第5号証は、請求人の店内で使用している本件商標。

(6)乙第6号証は、請求人が販売した商品に使用している本件商標。

(7)乙第7号証は、ユニーズカタログ写し。

2.以上のとおり、本件商標が被請求人によって本件審判請求の登録前3年以内に、その取消に係る指定商品中「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」について使用をされていることは明らかである。

第4 当審の判断

1.被請求人は、本件商標をその指定商品中の「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用している旨主張し、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出しているので、以下検討する。

(1)乙第1号証は、被請求人の使用に係る封筒と認められるところ、該封筒の下部の横長長方形輪郭内には、「ディスカウンター」の文字を冠した本件商標とその構成を同一にする商標が表示されているところ、そのうちの「ディスカウンター」の文字部分は、「安売り店、ディスカウント・ショップ」の意をもって、経営の形態を表し、自他商品の識別標識としての機能は有しない部分であるから、本件商標と構成を同じくする図形部分及び「NEEDS」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす部分であるということができ、したがって、該使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一の範囲の商標ということができる。

しかしながら、乙第1号証は、これが実際の取引に使用された時期、及び使用された商品が全く不明である。

(2)乙第2号証は、被請求人のカタログであり、該カタログの表紙には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されていること認められる。

しかしながら、該カタログは、表紙のみであり、これにいかなる商品が掲載されているのかは不明である。また、その発行年月日も不明である。

(3)乙第3号証は、被請求人が顧客に対して発行するメンバーズカードを掲載した印刷物であり、該カード上には、本件商標とその構成を同一にする商標が表示されていること認められる。

しかしながら、メンバーズカード発行の紹介欄には、「ショッピング割引、ユニーズ主催のイベントへの招待や情報提供、オイル交換、タイヤ交換等の手数料無料サービスなど多彩な特典・・・」との記載があるのみで、使用に係る商標が本件取消請求に係る商品に使用されていることについては何ら明らかにされていない。また、メンバーズカード発行の紹介記事を掲載した印刷物の発行年月日も不明である。

(4)乙第4号証は、被請求人のユニホームを撮影した写真であり、該ユニホームには、本件商標とその構成を同一にする商標が表示されていること認められる。

しかしながら、使用に係る商標が本件取消請求に係る商品に使用されていることについては何ら明らかにされていない。また、該写真の撮影日は、本件審判の請求の登録日(平成11年9月22日)以降の1999年(平成11年)12月21日である。

(5)乙第5号証は、被請求人の店内の写真と認められるところ、商品の陳列台には、本件商標とその構成を同一にする商標が表示されていること認められる。

しかしながら、該陳列台に並んでいる商品は、自動車のタイヤと認められ、これらのタイヤが取消に係る商品のタイヤであると認めるに足りる証拠はない。また、該写真の撮影日は、上記(4)と同じく1999年(平成11年)12月21日である。

(6)乙第6号証(1)ないし(3)に添付された各写真は、被請求人の主張によれば、「被請求人が販売した商品」の写真であるとされている。

しかしながら、上記写真に示された各商品について、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に販売したことを客観的に認める取引書類等は何ら示されていないばかりでなく、乙第7号証(ユニーズカタログ)によれば、被請求人の「事業内容」は「カー用品、レジャー用品の小売販売」であり、「主要取り扱い商品」は、「ケミカル商品」として「オイル、ワックス、添加剤、芳香剤、クリーナー、ペイント、補修ケミカル」、「足まわり用品」として「タイヤ、ホイール、タイヤチェーン」、「ボディー用品」として「ステアリング、ボディーカバー、キャリアワイパー、ステッカー」、「メンテナンス用品」として「エレメント、工具、電池、保安用品、洗車用品」、「車内用品」として「シートカバー、クッション、マット、ルームミラー、車内小物」、「ドライブ、単車用品」として「ウエアー類、ベビーチェアー、キー、道路地図、ヘルメット」、「レジャー用品」として「キャンプ用品、スポーツ用品、サマー用品、健康用品、玩具」、「電装品」として「カーオーディオ、ランプ、カーエアコン、ホーン、プラグ、バッテリー」であることが認められ、乙第6号証(1)ないし(3)の各写真に示された商品は、上記被請求人の取扱いに係る商品とはおよそかけ離れた商品といえる。そして、乙第6号証(1)ないし(3)の各写真は、その撮影場所が明らかにされていないが、仮に被請求人が販売している商品であるのならば、被請求人の店舗内に陳列されている商品の写真があってもよいはずであるところ、そのような写真がないところからすると、これら写真に示された各商品は、販売目的の商品というより、むしろ被請求人が自己の取扱いに係る商品を販売するに当たり、店舗に備え付けられ、顧客の用に供するための商品と窺える。

してみると、乙第6号証(1)ないし(3)の各写真に示された商品が「被請求人が販売した商品」の写真であるとする被請求人の主張は、極めて疑わしいものといわざるを得ない。

(7)乙第7号証は、ユニーズカタログであり、その表紙には、本件商標と社会通念上同一と認めらる商標が表示されていること認められる。

しかしながら、該カタロクには、使用に係る商標が本件取消請求に係る商品に使用されていることについては何ら明らかにされていない。また、その発行年月日も不明である。

2.前記1.を総合して勘案すれば、被請求人は、本件商標と同一、若しくは社会通念上と認められる商標を使用していることは認められるものの、該使用に係る商標は、本件取消請求に係る商品「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」のいずれかについて、本件審判の請求の登録前3年以内に使用しているものとは認めることはできない。

そして、被請求人は、上記認定と概略同趣旨の弁駁に対し、何ら答弁するところがない。

3.したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」について使用していたことを証明していないばかりでなく、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「人力車,荷車,馬車,リヤカー,手押し車,うば車,そり,これらの部品および附属品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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