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Trademark Appeal Case

不使用取消と指定商品の範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30792(T2001−30792/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1584433号商標の第11類「電子応用機械器具」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1584433号商標(以下「本件商標」という。)は、「フジコン株式会社」と「FUJICON COMPANY」の文字を二段に書してなり、第11類「電気機械器具(但し、回転電気機械、配電用または制御用機械器具を除く)電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、昭和54年5月15日登録出願、同58年4月27日に設定登録され、その後、平成5年11月29日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1.請求の理由

被請求人が、過去3年間日本国内において本件商標を、その指定商品中の「電子応用機械器具」について使用をしている事実は見当たらない。

また、本件商標の指定商品中の「電子応用機械器具」については、専用使用権者あるいは通常使用権者のいずれの登録もされていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

2.答弁に対する弁駁

(1)請求人は、本件商標を本件審判請求前3年以内に使用していることを立証するものとして、答弁書において乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。

(2)しかしながら、被請求人は、取消しに係る指定商品「電子応用機械器具」について本件商標の使用をしていることを何ら証明していない。すなわち、乙第2号証ないし乙第3号証として提出している「貫通型端子盤」は、「電気機械器具」中の「配電用又は制御用の機械器具」の概念に属するものであって、取消しに係る「電子応用機械器具」とは非類似の商品である。

被請求人は、電子機器に使用される端子盤・コネクターなどは、電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)として「電子応用機械器具」に含まれる商品である旨主張するが、提出された使用証拠によっては、「貫通型端子盤」が、被請求人が「電子応用機械器具」に属すると主張する「電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)」であることについて何ら証明されていない。

なお、被請求人は、乙第1号証における「主要納入先」の中に「電気通信機械器具のメーカー」及び「電子応用機械器具のメーカー」が含まれることをもって、被請求人の取り扱いに係る「端子盤等」の中には、用途などが異なることにより「電気通信機械用の接続器」と「電子応用機械器具用の周辺機器・接続器」が含まれていることとなる旨述べている。しかしながら、これは単に、同商品が多様な用途に使用できる汎用性を有するものであることを示唆するに止まり、そうとすれば、同商品は、本質的に「配電又は制御」の機能を有するものであって、電気機械器具中の「配電用または制御用機械器具」に属するものであるといわざるをえない。

被請求人は、部品についての本件商標の使用をもって、取消しに係る指定商品に関する使用である旨述べているが、提出された証拠をもってしては、組み込まれた部品が製品全体と一体として識別されるべき特段の理由は存しないといわざるを得ないので、本件商標が取消しに係る指定商品について使用をしているとは到底認められない。

さらに、乙第4号証として提出している「CD−ROM」についても、同商品はいわゆるコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体とは認められず「電子応用機械器具」に属するものとはいえない。むしろ、同商品は「端子盤」に関する情報(画像、音声、文字情報等)を記憶させた記録媒体として、取消しに係る「電子応用機械器具」とは非類似の「印刷物」(26AOI)等の概念に属するものであるというべきである。なお、本件商標を付した「CD−ROM」がいつ、実際の商取引の場面において流通し当該商品の出所を識別する機能を果たしたかについて何ら具体的な証明が行われていないから、本件商標の使用証拠として採用され得ないものである。

(3)以上、述べたとおり、被請求人の提出に係る乙各号証をもってしては、被請求人が本件審判請求登録前3年以内に本件商標を使用していたとは認められるものではなく、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消されるべきものと確信する。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出した。

1.答弁の理由

(1)請求人の主張について

請求人は、被請求人又は使用権者が過去3年間日本国内において本件商標をその指定商品中の「電子応用機械器具」に使用していないから、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである、と述べている。

しかしながら、被請求人は本件商標をその指定商品について下記のように正当に使用しているのであるから、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。

(2)本件商標を使用していることの証明について

被請求人は本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、指定商品中の「電子応用機械器具」について本件商標を使用していることは、乙第1号証ないし乙第4号証に示すとおりである。

すなわち、乙第1号証は被請求人の平成13年度版会社案内の写しである。これによれば、被請求人は中継器・接続器としての端子盤やコネクターなどの商品を取り扱う専業メーカーである。

乙第2号証一1は2001年5月21日に被請求人が「株式会社キマタ」宛てに納品した商品「2331型式の貫通型端子盤」の請求書(写し)であり、乙第2号証−2は2001年6月4日に被請求人が「株式会社キマタ」宛てに納品した商品「2331型式の貫通型端子盤」の請求書(写し)である。乙第3号証は被請求人の取り扱いに係る商品のカタログの抜粋であり、該カタログには「2831型式の貫通型端子盤」が掲載されている。

一方、本件審判の取消対象たる「電子応用機械器具」とは、電子の作用を応用したことをその機能の本質的な要素としている機械器具であって、通信機械器具以外のものをいうと解する。

電子機器に使用される端子盤・コネクターなどは、電子計算機などの周辺機器(電子応用機械器具用の部品など)として「電子応用機械器具」に含まれる商品である。思うに、「接続器」は、その用途などにより配電用又は制御用のものが「電気機械器具」に属し、電気通信機械用のものが「電気通信機械器具」に属し、さらに、直接的に電子の作用を応用したものでなくても、全体として電子の作用を応用した機械器具であれば「電子応用機械器具」に属すると認められるからである。

しかして、被請求人の取り扱いに係る端子盤・コネクターなどはまさに「電子応用機械器具」に属する商品である。乙第1号証における「主要納入先」として掲出した中には、「電気通信機械器具のメーカー」及び「電子応用機械器具のメーカー」が共に含まれているので、被請求人の取り扱いに係る「端子盤等」の中には、用途などが異なることにより「電気通信機械用の接続器」と「電子応用機械器具用の周辺機器・接続器」が含まれていることとなるからである。

また、被請求人は乙第4号証に示すような「CD−ROM」を需要者・取引者向けに、「端子盤」に関する情報を記憶させた記録媒体(商品)「電子計算機(中央処理装置及びその周辺機器ー電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープを含む。)」として、譲渡又は貸し渡ししている。この「CD−ROMは商品「端子盤」のカタログとして機能すると共に、注文する際に商品「端子盤」を選択・特定するために使用されるもので、需要者・取引者が被請求人のホームページにアクセスし、当該「CD−ROM」に記録された指示通りにコンピュータ操作をすることにより、被請求人に対して確実に商品「端子盤」の注文ができるようになっている。

しかして、当該「CD−ROM」は単なる所謂ノベルティ商品ではなく、「電子応用機械器具」中の「電子計算機」に含まれるれっきとした商品である。

ところで、本件商標は上段の片仮名文字と漢字「フジコン株式会社」及び下段の欧文字「FUJICON COMPANY」とからなる二段併記の文字商標であるが、下段の欧文字は被請求人名称の欧文字表記の略称であるから、本件商標は「フジコン株式会社」又は「FUJICON(COMPANY)」と社会通念上同一と認められる商標である。

してみれば、乙第1号証ないし乙第4号証により、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、被請求人により本件商標が商品「電子応用機械器具」について使用されている事実が認められる。

よって、本件商標はその指定商品について正当に使用されている事実が明らかであるから、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。

(3)上記のとおり、本件商標は被請求人により現実に使用され、自他商品の識別機能を充分に発揮しているのであるから、本件商標は商標法第50条第1項の規定に該当するものではない。

第4 当審の判断

被請求人が本件商標を使用している事実を証明するものとして提出した乙第1号証ないし乙第3号証に掲載されている商品「端子盤・コネクター」は、被請求人も認めているように汎用性を有するものであり、「電子応用機械器具」の専用部品とはいえないものである。

しかして、「電子応用機械器具」の商品概念としては「電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素としているものだけが含まれる。」ものであり、上記に示すような汎用性のある商品は含まれ得ないものと判断するのが相当である。

そして、上記「端子盤・コネクター」は、その機能・用途等からみて、「電気機械器具」中の「配電用又は制御用機械器具」又は「電気通信機械器具の部品及び付属品」の範疇に属するものと判断するのが相当である。

また、乙第4号証として提出された商品「CD−ROM」は、被請求人主張のように商品「端子盤」に関する情報を記憶させた記録媒体であるのであれば、該商品は「電子応用機械器具」の範疇に属するとはいえないものである。

ちなみに、「電子応用機械器具」に属するのは、「電子計算機用プログラムを記憶させたCD−ROM」のみである。

さらに、被請求人は乙第4号証に示す商品「CD−ROM」が、独立した商品として市場で取引されている事実を証する書面を何ら提出していない。

してみれば、被請求人は、本件商標を継続して本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品について使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「電子応用機械器具」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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