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Trademark Appeal Case

不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30594(T2000−30594/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2628243号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2628243号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成3年4月10日に登録出願、第1類「薬剤、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成6年2月28日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

(1)請求理由

本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

(ア)「広村明証氏への請求書」について

とらや薬局が広村明証宛に発行した形態をとる請求書(控)と認識できるが、これのみを以ってしては販売の事実を確認することはできず、また、仮に何らかの商品を販売した際に発行した請求書の控と仮定しても、販売された具体的商品は何であるのか、その商品との関係において本件商標が使用されているのかについては何ら立証されておらず、到底本件商標を指定商品について使用していたとは認められない。

(イ)「広村明証氏からの購入を証明する封書(宅急便の外包みと共に)」について

広村明証氏が、とらや薬局の弘法湯(順栄湯)を愛用している旨の近況報告に類する書状に過ぎず、本件商標が使用されていることを何ら裏付けるものでないことは極めて明白である。

(ウ)「篠田有子氏への請求書」について

とらや薬局が篠田有子宛に発行した形態をとる請求書(控)と認識できるが、発効日は平成12年8月7日で、本件審判請求の予告登録日(平成12年7月7日)以降の使用を立証しようとするものであり、この点において既に証拠能力を有しないものである。また、内容的にも上記広村明証宛の請求書と同様に、到底本件商標を指定商品について使用していたこと立証するものとは認められない。

(エ)「商品に付いての問い合わせ」について

(a)篠田有子氏の問い合わせの日及びこれに対する回答書は、2000年8月24日で、予告登録日以降の事実関係に関する問題であり、やはり証拠能力を有しないものである。また内容的にも「弘法湯」に対する問い合わせないし要望であり、本件商標とは無関係である。

(b)商品陳列写真が一葉添付してあるが、本件指定商品を対象として本件商標を使用している事実を伺わせるものは皆無であり、やはり、使用の事実は立証されていない。

(オ)「医薬品製造業許可書の写し」について

当該写しは、被請求人の松永和子がとらや薬局の店舗名で医薬品を製造する許可を得ていることは認識し得るが、単にそれのみに止まり、本件商標の使用事実を何ら立証するものでない。

以上のとおり、被請求人の提出の証拠方法では、本件指定商品について本件商標を使用した事実を見出すことはできない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第7号証を提出した。(なお、被請求人は提出した証拠に乙号証の符合を付してないものであるが、以下、各証拠を次の順に乙第1号証ないし乙第7号証の符合を付して扱う。)

被請求人は、本件商標を審判請求の登録前継続して3年以内に使用した事実がある。使用の事実を示すものとして以下の証拠を提出する。

「広村明証氏への請求書控え(平成12年6月1日発行)」(乙第1号証)

「篠田有子氏への請求書控え(平成12年8月7日発行)」(乙第2号証)

「篠田有子氏からの商品説明書の送付依頼書」(乙第3号証)

「篠田有子氏への返答書書」(乙第4号証)

「商品陳列の写真」(同第5号証)

「広村明証氏からの購入を証明する封書(宅急便の外包みと共に)」(乙第6号証)

「広村明証氏への請求書(平成9年11月2日発行)」(乙第7号証)

「医薬品製造業許可書の写し」(乙第8号証)

4 当審の判断

(1)被請求人が本件商標の使用事実について提出した乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。

(ア)被請求人は、医薬品製造業の許可を受け、煎薬等の製造、販売を「とらや薬局」の店舗名称の下に行っていることが認められる(乙第8号証)。

(イ)平成9年11月2日付けとらや薬局発行の広村明証宛の請求書(乙第7号証)中の品名欄には、「弘煎」なる崩し書き文字が記載され、同じく同12年6月1日付けの請求書(乙第1号証)中の品名欄には、「(順)弘」なる文字が記載されているものと認められる。

(ウ)「広村明証氏からの購入を証明する封書(平成13年1月14日受付宅急便の外包みと共に)」(乙第6号証)は、広村明証氏宅では、高野山・とらや薬局の弘法湯(順栄湯)を父母の代から常備薬とし、幼少頃から飲んでいること、また、該薬は10年程前に弘法湯と名称が変わったことの旨が記載されている。

(エ)「商品陳列の写真」(乙第5号証)は、パッケージされた商品群が棚に陳列されている。そして、その陳列商品中「弘法湯」なる文字が付されたパッケージ商品をみることができる。

(オ)「篠田有子氏への請求書控え(平成12年8月7日発行)」(乙第2号証)、「篠田有子氏からの商品説明書の送付依頼書」(乙第3号証)、「篠田有子氏への返答書」(乙第4号証)については、本件審判請求の予告登録後のものであると認められる。よって、本件商標の使用の事実を示す証拠としては採用できない。

(2)以上を総合すると、被請求人は、商品の取引書類である広村明証氏宛請求書(乙第1号証及び同第7号証)の品名欄の記載から「弘煎」「(順)弘」なる商品名の商品を顧客に販売したことは窺える。しかし、被請求人は、同記載文字について更なる主張、証拠の提出がないものであって、これをもって、 直ちに、例えば、陳列棚の商品中「弘法湯」なる文字が付された煎薬パッケージ商品(乙第5号証)に該当するものであり、これを販売したものと認定することは困難なものといわざるを得ない。

さらに、本件商標は、前記のとおりの独特な図形及び「弘法」の文字を組み合わせた構成よりなるものであるところ、仮に、上記取引書類に記載された当該商品が「弘法湯」なる商品であり、これが陳列棚の商品中「弘法湯」なる文字が付された煎薬パッケージ商品に当たると推測し、さらに、その「弘法湯」の文字について「湯」が薬湯であって煎薬を表示しているものと理解されるところから、自他商品の識別力を果たす部分が「弘法」の文字にあるとしてみても、結局のところ、本件商標のもう一つの構成要素である図形部分は確認できず、当該表示は、本件商標とは明らかに社会通念上、相違するものである。

このことに関して、審判長は、「本件商標が商品に使用されていることについて、提出された商品陳列写真では商品の包装の全体像、また商標が明確ではないから、商品見本等を提出して下さい」旨の審尋書を発した。

しかしながら、被請求人は審尋書に対し、応答するところがない。

そうすると、本件審判の請求に対し、被請求人は、前記のとおり本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しているとは認められないといわざるを得ない。

(3)むすび

したがって、本件商標は、その登録を商標法第50条の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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