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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35173(T2001−35173/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4377831号商標(以下、「本件商標」という。)は、「mini mini olive」の欧文字と「ミニ ミニ オリーブ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成10年12月21日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同12年4月21日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2055799号商標(以下、「引用A商標」という。)は、後掲(1)に示すとおりの構成よりなり、昭和60年7月2日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同63年6月24日に設定登録、その後、商標権存続期間の更新登録が平成10年7月21日になされているものである。同じく、登録第2076968号商標(以下、「引用B商標」という。)は、後掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和60年7月2日に登録出願、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同63年9月30日に設定登録、その後、商標権存続期間の更新登録が平成10年10月20日なされているものである。同じく、登録第2432335号商標(以下、「引用C商標」という。)は、後掲(3)に示すとおりの構成よりなり、平成元年3月15日に登録出願、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同4年7月31日に設定登録されているものである。同じく、登録第2466158号商標(以下、「引用D商標」という。)は、後掲(4)に示すとおりの構成よりなり、平成元年3月15日に登録出願、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同4年10月30日に設定登録されているものである。

第3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第31号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標中前半の「mini mini/ミニ ミニ」は商品の形状の小さいことを表示するにすぎないので、商品の識別標識として機能しないから、商標の類否の対象とはならないものである。

換言すれば、本件商標において商標として機能する重要な部分は後半の「olive/オリーブ」に存するため、単に「オリーブ」と称呼、観念されるものである。

他方、引用各商標もすべて「オリーブ」と称呼、観念されるものである。

すなわち、引用各商標は、そのフルネームが、「オリーブオイル」であるけれども、「ポパイ漫画」の中や、実際の商品化された段階すなわち商品売買の過程においては、単に「オリーブ」と愛称されているものである。(甲第17号証〜甲第31号証)

よって、本件商標は、引用各商標とは称呼・観念上類似するものである。

また、本件商標の指定商品が、引用各商標の指定商品と抵触することは明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は引用各商標またはその要部を含んでなり、それが顕著に表示されているばかりか、引用各商標は、先にも言及したように「POPEYE/ポパイ」漫画の中でも、主人公であるポパイの恋人であり「オリーブ・オイル」の愛称「オリーブ」で有名であるし、それを反映して、各種商品化においても、すべての商品において「オリーブ」と愛称されているものである。(甲第17号証〜甲第31号証)

このように、本件商標は、その出願時点においてすでに著名であった請求人の著名な商標の略称を含んでなるため、それがいずれの指定商品に使用されても、取引者及び一般消費者は、申立人の製造販売するものか、申立人の使用許諾を受けたものにより製造販売される商品であろうと信じ、商品の出所について混同することは避けられないものと信じる。

およそ、他人の商品と混同を生ずるような商標の登録を許さないのは、商標の出所機能が損なわれることはもとより、本件商標の場合には、請求人が所有しかつ使用する引用各商標すなわち著名商標の顧客吸引力を対価を支払わずして盗用することの二重の弊害があるからであり、商標制度の目的からして厳に許されざることである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 以上の次第で、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定のもとにその登録を無効とすべきである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、「結論同旨の審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第21号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、欧文字の「mini mini olive」と片仮名文字の「ミニ ミニ オリーブ」とを上下二段に記した態様であるのに対して、引用A商標及び引用B商標は「立位の女性図形」と欧文字「OLIVE OYL」とを上下に配置した態様、引用C商標及び引用D商標は片仮名文字「オリーブオイル」と「円形輪郭に囲まれた上半身女性図形」と欧文字「OLIVE OYL」とを上下方向に配置した態様である。

そして、上記説明によって明らかなように、本件商標と引用各商標とは、少なくとも欧文字の「mini mini」及び片仮名文字の「ミニ ミニ」の有無、女性図形の有無、欧文字の「OYL」及び片仮名文字「オイル」の有無により外観態様を著しく異にし、その全体を比較した場合、観者においては視覚上、明確に区別されるものである。つまり、本件商標と引用各商標とは、その外観において相紛れるおそれがまったくない非類似商標である。

また、本件商標と引用各商標は、その全体として格別の意味合いを生じさせることがない一種の造語として観者に理解されるものであることから、観念上も相紛れるおそれがまったくない非類似商標である。

さらに、本件商標は「ミニミニオリーブ」と発音されるのに対して、引用各商標は、その文字部分から「オリーブオイル」と発音される。つまり本件商標と引用各商標とは、「オリーブ」の発音を共通にするものであるとはいえ、「ミニミニ」の有無、「オイル」の有無により全体としての音数、語調、語韻を著しく異にし、観者においては明確に区別されるものである。したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼上も相紛れるおそれがまったくない非類似商標である。

このように、本件商標と引用各商標とは、その全体同士を比較した場合、外観、観念、称呼の何れにおいても相紛れるおそれがまったくない非類似商標である。

ところで、請求人は、本件商標中の「mini mini/ミニ ミニ」の存在を無視し、同様に引用各商標中の「OYL/オイル」の存在を無視し、両者にあって共通する「olive(OLIVE)/オリーブ」を対比して類似すると主張している。

しかしながら、本件商標は「mini mini olive」及び「ミニ ミニ オリーブ」の文字を、軽重の差なく、同書、同大で一体的に記した態様であることから、これに接する観者は、当該「mini mini olive」及び「ミニ ミニ オリーブ」を一体的に観取するものである。

また、本件商標より生ずる「ミニミニオリーブ」の称呼は、全体としてよどみなく一気に無理なく発音することが十分に可能である。

つまり、本件商標は、あくまでも「mini mini olive」及び「ミニ ミニ オリーブ」の全体として観者の視覚に訴え、唯一の称呼「ミニミニオリーブ」を生じさせるものであり、単なる「olive/オリーブ」であるとして認識される場合は、現在の迅速な商取引社会においてもまったく起こり得ないものと確信するものである。

なお、上記被請求人の主張は特許庁における従来の審査事実からも十分に支持されるものである。

つまり、特許庁においては、「ミニミニ」「mini mini」及び「MINI MINI」の文字よりなる商標が旧第30類、旧第32類、旧第25類、旧第19類、旧第31類、旧第4類及び旧第13類において商標登録されている事実がある(乙第1号証ないし乙第8号証参照)。

なお、引用各商標に関し、請求人は「オリーブ」と称呼、観念されると主張している。しかしながら、引用各商標の文字部分は、欧文字「OLIVE

OYL」や片仮名文字「オリーブオイル」が軽重の差なく、一体的に記された態様であり、それより、「オリーブ」の称呼等が生ずる余地はまったくない。

ちなみに、本件商標は、その審査において登録第439741号商標、登録第563753号商標、登録第1783113号商標、登録第3370122号商標に類似することを理由とする拒絶理由を受けたものである。

そして、上記4件の登録商標は、何れも欧文字「OLIVE」及び/又は片仮名文字「オリーブ」から構成されるものである。

してみれば、上記4件の登録商標と本件商標・引用A商標・引用D商標とが別個に設定登録された経緯に鑑みるならば、引用各商標から「オリーブ」の称呼等が生ずるとの請求人の主張は明らかに失当である。

したがって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するという請求人の主張には理由がない。

2 商標法第4条第1項第15号について

請求人は、引用A商標ないし引用D商標に加え、登録第4227569号商標等、11件の登録済み商標を引用し、また、甲第17号証ないし甲第31号証を引用し、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当すると主張している。

しかしながら、請求人が引用する各種登録済み商標は、いずれも本件商標とは態様又は商品が非類似なものであり、それらをもって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとの請求人の主張は理由がない。

また、甲第17号証及び甲第18号証は外国において頒布されたと推測される漫画の写しであって、これが果たして我国において頒布されたものであるかどうか定かでない。さらに、それらの漫画は「POPEYE」であって本件商標とは関係がない。甲第18号証についていえば、ここに記される日

付は本件商標の出願日後であって、そもそも商標法第4条第1項第15号との関係における証拠としての地位すら有していない(少なくとも被請求人副本を確認する限り、甲第17号商標は日付すら不明である)。

しかも、甲第19号証ないし甲第31号証は、請求人の主張によればライセンシーの使用に係るものであるとのことであるが、発行日付(但し、本件商標の設定登録日後)や出所が明瞭に記される甲第31号証を除き、何時から何時まで、誰が、どこで、どのような方法、どの程度、そして、それらを商品として使用したものであるか不明である。例えば、甲第20号証のように、そもそも商品であるかどうかすら疑わしいものも含まれている。

さらに、甲第19号証ないし甲第31号証中に、本件商標の指定商品と同一又は類似する商品は存在しない。唯一、請求人が「ハンカチ」であると主張する甲第21号証に関し、本件商標に含まれる指定商品「被服」と布製である点で抽象的に共通するところがあるが、この甲第21号証には「Magazine for Romantic Girls」なる記載があり、そのことからすれば、独立して商取引対象となった商品というよりも、何かの書籍の宣伝販促物であったと推測されるものである。ちなみに、この「ハンカチ」なる商品については登録第439741号商標として欧文字「OLIVE」と片仮名文字「オリーブ」とからなる商標が登録済みであるが、その商標権者は、被請求人が知る限りにおいて請求人ではない。

このように、商標法第4条第1項第15号の規定が、非類似商標、非類似商品についても適用される余地がある点を考慮したとしても、少なくとも請

求人の主張及び提出された証拠群によっては、被請求人が本件商標を登録し、使用することに原因して被請求人の商品について使用される商標(何をもって請求人の商品又は商標というのかそもそも不明であるが)との間で出所の混同を生じさせるおそれはない。また、請求人の商標が非類似商標又は非類似商品であるところの本件商標との関係において当然に出所の混同を生じさせる程度に著名であるという顕著な事実は一切存在せず、このことは、本件商標の審査過程でそのような指摘が一切なされたかった事実はもとより、乙第9号証ないし同第21号証に示すとおり、「OLIVE/オリーブ」を含む数多くの商標が本件商標と同様、商品区分第25類(旧第17類)で商標登録されている事実からも十分に裏付けられるものである。

したがって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するという請求人の主張には理由がない。

第5 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は「mini mini olive」と「ミニ ミニ オリーブ」の文字とを二段に表示してなるところ、構成各文字は同書、同大にまとまりよく一体的に構成されており、これより生ずると認められる「ミニミニオリーブ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。

請求人は、「本件商標中の『mini mini』及び『ミニ ミニ』の文字部分は、商品の形状の小さいことを表示するにすぎず、商品の識別標識として機能しないから、商標の類否の対象とはならない。」旨主張しているが、「小型」を意味する「mini(ミニ)」の語も、「minimini(ミニミニ)」のように重ね合わせて表示された場合には、本来の意味合いを離れ、むしろ一種の造語として認識される場合が多いものというを相当とする。

また、他に本件商標中の「olive」及び「オリーブ」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識として機能し得るとする特段の理由も見出せない。

そうとすれば、本件商標はその構成文字に相応して「ミニミニオリーブ」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。

これに対し、引用商標は、「オリーブオイル」もしくはその愛称としての「オリーブ」の称呼を生ずるものというを相当とする。

そこで、本件商標より生ずる「ミニミニオリーブ」の称呼と引用商標より生ずる「オリーブオイル」及び「オリーブ」の称呼とを比較するに、両称呼は「ミニミニ」と「オイル」の音の有無に顕著な差違を有するものであるから、称呼上明らかに聴別し得るものである。

また、両商標は、前記のとおりの構成よりなるから、外観において互いに区別し得る差異を有するものであり、さらに、本件商標は、特定の観念を生じさせない造語よりなるものと認められるから、観念上比較すべくもないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない、非類似の商標である。

2 商標法第4条第1項第15号について

前記したとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標をその指定商品に使用しても、引用商標を連想又は想起させるものとは考えられず、請求人若しくは請求人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項により、その登録を無効とすべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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