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Trademark Appeal Case

POLOの周知性と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第18536号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおりの構成からなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品(カフスボタンを除く),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計,時計の部品及び附属品,記念カップ,記念たて」を指定商品とし、平成6年8年25日に商標登録出願されたのもである。その後、指定商品については、平成7年3月1日付手続補正書をもって、「貴金属製きせる・きせる筒・たばこ入れ・たばこケース・たばこホルダー・灰皿・パイプ・その他の貴金属製喫煙用具,イヤリング,カフスボタン,貴金属製き章,貴金属製バックル,貴金属製バッジ,貴金属製ボンネットピン,ネクタイ止め,ネクタイピン,ネックレス,ブレスレット,ペンダント,宝石ブローチ,メダル,指輪,ロケット,その他の身飾品,時計,時計の部品及び附属品」に補正され、さらに、平成8年5月15日付手続補正書をもって、「米屋製貴金属製きせる,同貴金属製きせる筒,同貴金属製たばこ入れ,同貴金属製たばこケース,同貴金属製たばこホルダー,同貴金属製灰皿,同貴金属製パイプ,その他の同貴金属製喫煙用具,同イヤリング,同カフスボタン,同貴金属製き章,同貴金属製バックル,同貴金属製バッジ,同貴金属製ボンネットピン,同ネクタイ止め,同ネクタイピン,同ネックレス,同ブレスレット,同ペンダント,同宝石ブローチ,同メダル,同指輪,同ロケット,その他の同身飾品,同時計,同時計の部品及び附属品」に補正されている。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、登録異議の申立があった結果、「申立人は、世界的に有名なデザイナー『ラルフ・ローレン』によって主宰されるアパレルその他各種の生活関連用品のメーカーであって、そのデザインに係る『紳士服、ネクタイ、眼鏡』等について、商標『POLO』、『ポロ』を使用した結果、本願商標登録出願時には、既に取引者、需要者間において、極めて広く認識されていたものであることが認められる。しかして、本願商標中円形図形外上部に沿って横書きしてなる『ELDORADO POLO CLUB』の文字は、それ自体でも自他商品識別標識として機能するものであるが、これが全体として特定の意味合いを有するものとは認められず、常に不可分一体の構成よりなるものと認識把握しなければならない格段の事情はなく、構成中の『POLO』の文字部分は、申立人が商品『紳士服、ネクタイ、眼鏡』等に使用して極めて広く認識されている『POLO』と同一であるから、引用商標を含んでなるものといわなければならず、また、トータルファッションが盛んな昨今、本願の指定商品について、服飾デザイナー等がデザインする場合がむしろ多いことからして、本願商標をその指定商品に使用するときは、該商品が、恰も申立人或いは申立人と何等かの関係ある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

(1)本願商標は、全米ポロ協会に所属し、西海岸を代表する実在の「ポロ・クラブ」の名称よりなるものである。

請求人は、日本での「商品化事業」の一環として、代理人の立場で本願商標を出願したもので、それが受け入れられない場合は海外の実在する「ポロ・クラブ」の不満となり、日本への非難となる。

(2)日本国内及び海外の辞書、事典を調査したところ、全て「POLO」は「スポーツ名」としか記載されておらず、「ラルフ・ローレン」のことは一切記載されていない。「POLO」はスポーツ名にすぎない。

世界中の人に以上の明確な共通認識があるのに、一部のブランド好きの人種の、一時的流行を恰も全国民的認識であるように錯覚するのは、一営業企業の宣伝活動に乗せられた結果である。

(3)「シャネル」は日本を代表する辞書類には必ず記載があり、又「名前」や「ブランド」自体が本人の努力の結果によって日本人に浸透している。

「POLO」は世界中の辞書類に「ラノレフ・ローレン」との関係の記述はない。

然るに「POLO」をもって「ラルフ・ローレン」と結びつけ、また「POLO」との合成語の全ての商標が「ラルフ・ローレン」のものと決めつけることはできない。

(4)「POLO」の商標のみに独占的地位を与える事は国益に叶うとは思えず、不正競争防止法の観点からも問題がある。

4 当審の判断

(1)「POLO」の周知性について

(株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コテイ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフオードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地を確立した。

我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形からなる各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。

そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/POLO」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の5ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年6月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。

他にこれを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラノレフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年頃までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は、別紙表示のとおりであって、円形図形外上部に沿って横書きしてなる「ELDORADO POLO CLUB」の文字、及び、同下部に沿って横書きしてなる「PALMSPRINGS CALIFORNIA」の文字部分も独立して出所表示の機能を果たすものである。

そして、その文字構成は、「南米の北部にあると信じられた黄金郷」の意味を表す「ELDORADO」、ポロ(競技)の意味を表す「POLO」、「共通の趣味、職業などをもつ人々の社交団体」の意味の他「ゴルフ、ホッケー、ポロなどの球を打つ棒」(講談社[カラー版]日本語大辞典)等の意味を表す「CLUB」、「アメリカ西部、カリフォルニア州南東部の都市」の意味を表す「PALMSPRINGS」及び「アメリカ西部州」の意味を表す「CALIFORNIA」の各既成語よりなることは明らかであって、これらの語を組み合わせた構成全体としては特定の意味合いを看取させるものではなく、また特定の団体を表示するものとして広く知られているものともいえないから、このような構成にあっては、せいぜいポロ(競技)に関連した何かの事柄を表したものとして認識、理解されるに止まり、「POLO」を含むものとして印象に残るものである。

請求人は、本願商標が団体の名称を表したものであり、また、「POLO」は、スポーツ名にすぎず、ラルフ・ローレンの事は辞書に記載されていない旨主張しているが、語源や採択の意図が何であれ、それを商標として採択し、使用したときに需要者がどのように認識し印象づけられるかとの観点からみれば、本願商標、引用商標は、それぞれ前記したとおりであるから、その主張は、認められない。

なお、小学館「ランダムハウス英和大辞典」(1998年1月10日発行)、研究社「英和商品名辞典」(1990年発行)によれば、「Polo」の見出しの下に、ラルフ・ローレンに関する記載があることが認められる。

そうとすると、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは共にファッション関連商品といえるものであるから、本願商標をその指定商品に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その構成文字中の「POLO」に注目し、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る「Polo」の標章を連想・想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

(3)以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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