sokuhyo

Trademark Appeal Case

「STRETCH」の識別力と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35210(T2001−35210/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4405902号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年10月18日に登録出願され、「スマートストレッチ」の片仮名文字と「SMART STRETCH」の欧文字を2段に横書きしてなり、第25類「マフラー,バンダナ,帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年8月4日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する商標は、別掲に示す構成よりなり、平成9年4月17日に登録出願され、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバ一,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成10年10月16日に設定登録された登録第4198986号商標(以下「引用商標」という。)である。

3.請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求める。」と申し立て、その理由、被請求人の答弁に対する弁駁及び平成14年3月8日付け審理再開の申立てを要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第46条第1項第1号により、本件商標の登録は無効にすべきものである。(1)本件商標は、審判請求人の所有に係る別掲に示した引用商標と外観上、類似するものであって、その指定商品も販売者及び需要者が同一で、類似する商品である。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

本件商標は、他人の特許権を擬製侵害の目的で使用する悪用目的の商標である。そして、本件商標は、「ストレッチ素材の服」の特許登録第3172836号を商標ですり替える為の目的使用であるから、本件商標の登録を無効とする、との審決を求める。

(3)平成14年3月8日付け審理再開申立の理由

本件商標は、「STRETCH」の文字部分が大文字で書されているのに対し、実際の使用商標では「Stretch」のように引用商標と同じレタリングで書されているから外観上類似する。また、登録商標を正しく使用するものではない。さらに、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。

4 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出している。

(1)本件商標と引用商標の構成は、それぞれ前記のとおりであり、本件商標中の欧文宇部分「SMART STRETCH」は、一体的に構成されており、外観上一体的に認識されるものであることは明らかであるから、両商標は、外観上一見して明白に相違する非類似の商標である。

他方、引用商標は、その欧文字部分「Mitsuru Itoh Stretch」において「Stretch」の文字をその一部に有するものではあるが、当該「Stretch」の文字部分は独立して自他商品識別標識として機能するものではない。即ち、「Stretch」(ストレッチ)の語は、同文書院、1991年(平成3年)10月22日発行の「新・田中千代服飾事典」(乙1号証)には次のように記載されている、「伸ばす、広げる、引伸ばすの意味。従来は主としてゴム製品などをさす語であったが、近年化学繊維の発達で、伸縮性にとむ素材がつぎつぎと生みだされ、ブラジャー、ガードルなどの下着、スラックス、ジャンパー、作業衣、靴下、足袋(たび)などのストレッチ製品が急増している」。また、ダイヤモンド社、1997年(平成9年)4月17日発行の「ファッション産業ビジネス用語辞典」(乙第2号証)においても同様の説明がされている。

そして、被服を指定商品とし「STRETCH」の文字よりなる商標の商標法第3条第1項該当例(乙第3号証及び乙第4号証)、被服等の商品につき「STRETCH」の文字を有してなる商標の多数の併存する登録例(乙第4号証ないし乙第11号証)の存在をみても、引用商標は、その一部に「Stretch」の文字を有するものであっても、当該文字が独立して自他商品識別標識として機能するものではないことが明らかである。

また、本件商標と引用商標の具体的構成は、前記のとおりであって、本件商標は、如何なる観点からしても、外観上、引用商標とは非類似の商標であ。なお、本件商標は、称呼及び観念においても引用商標と非類似の商標であることはいうまでもない。

したがって、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

なお、請求人は、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出しているが当該証拠は、伸縮性布地の縫製方法等に関する新聞記事であり、本件商標とは何ら関係がない。

また、請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当すると主張しているが、その具体的な理由について、何ら述べるところがない。

以上のとおり、本件審判事件については答弁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

5 当審の判断

本件商標は、前記に示すとおりの構成よりなるところ、その構成に係る上段の片仮名文字及び下段の欧文字は、同じ書体、同じ大きさの文字で、ほぼ等間隔に外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「スマートストレッチ」の称呼は、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、その構成文字全体をもって一体不可分の「スマートストレッチ」の称呼のみを生ずる一種の造語を表してなるものと判断するのが相当である。

他方、引用商標は、別掲に示すとおり文字と図形の結合よりなるところ、それぞれは独立して自他商品の識別力を有すると認められるものであるから、その構成中、特徴のある同じ書体で一連に書してなる欧文字部分に相応して「ミツルイトーストレッチ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。 しかして、本件商標より生ずる「スマートストレッチ」の称呼と、引用商標より生ずる「ミツルイトーストレッチ」の両称呼は、音構成及び構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上、互いに紛れるおそれはなく類似の商標ということはできない。

また、両商標は、その構成はそれぞれ前記のとおり、本件商標が片仮名文宇と欧文字を併記したものであるのに対し、引用商標は大きく表されたモノグラム風の図形と欧文字との結合よりなるものであるから、外観上、十分に区別し得る非類似の商標といえるものであり、さらに、観念においては、本件商標は造語と認められるものであって、両者は比較することはできない。 してみれば、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 さらに、請求人は、請求の理由において、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当すると述べるのみであり、その提出に係る甲第1号証ないし甲第3号証からは引用商標が需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができず、加えて、本件商標は前記したとおり引用商標とは類似することのない別異の商標といえるものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても請求人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。

なお、請求人は弁駁書、意見書及び審理再開申立書の中で、本件商標は他人の特許権を侵害するものでありその登録は無効とされるべきである旨を述べているが、当該請求人の主張は、商標法第46条第1項所定の無効理由の何れにも該当しないから、採用することができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項第1号により無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。