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Trademark Appeal Case

称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35496(T2001−35496/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4333407号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、平成10年11月10日に登録出願され、第25類「洋服,ワイシャツ類,靴下,バンダナ,帽子,ヘルメット,ベルト,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成11年11月12日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用商標

請求人の引用する登録第829078号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和43年1月18日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和44年8月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「洋服,ワイシャツ類,靴下,バンダナ,帽子,ヘルメット」について登録を無効とする、との審決を求め、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。

1 請求の理由

(1)請求の利益

請求人は、第18類及び第25類について商標「GRASS」「グラス」を出願したところ(商願2000−11215)、本件商標と類似する旨の拒絶理由通知を受けているので(甲第2号証)、本件審判請求するについて利害関係を有する。

(2)無効理由について

本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、ややデザイン化された「GRASS」の文字を書してなるところ、未だ文字の域を脱していないことから、これより「グラス」の自然的称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、「GRUS」「鶴座」の各文字を上下二段に並記してなるものであるから、これより「グラス」の自然的称呼を生ずるものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、「グラス」の称呼を共通にし、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、類似の商標というべきである。

そして、本件商標に係る指定商品中「洋服,ワイシャツ類,靴下,バンダナ,帽子,ヘルメット」と引用商標の指定商品「被服」とは、同一又は類似の商品である。

以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似する商品である。

このことは、請求人の上記出願(商願2000−11215)について拒絶理由通知の段階において、本件商標から「グラス」の称呼を生ずると認定していることからも明白である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人は、引用商標からは「グラス」ではなく「グルス」の自然的称呼を生ずると主張する。

しかしながら、引用商標は、甲第4号証に示すとおり、「グルース」「グラス」の発音及び「鶴座」の観念を生ずる既成語であることから、自ずからその自然的称呼が確定されているものである。

したがって、引用商標は、「グラス」の自然的称呼を生ずることは明らかである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。

1 答弁の理由

「商標の構成」にややデザイン化された「GRASS」の文字を書してなるとあるが、本件商標は完全にデザイン化されたものであり、文字を書してなるのは請求人が拒絶された商標(商願2000−11215)である。

請求人が拒絶された「GRASS」「グラス」は英単語にカタカナで読み仮名を付けただけで、ただ、「GRASS」「グラス」の文字を書したにすぎず、拒絶されても当然であると思われる。よって、本件商標と利害関係を有するという次元の問題ではない。

本件商標は、引用商標とは文字数も「A」、「U」の文字も共通しておらず、また「GRUS」「鶴座」の商標から自然的称呼で「グラス」と生ずるとも思えない。「グルス」と生ずる可能性の方が高いのではないかと思われる。

請求人が出願した商願2000一11215こそが、本件商標に対して「グラス」の称呼を生ずるもので、拒絶理由の正当性がうかがえる。

第5 当審の判断

(1)利害関係について

請求人が本件審判の請求をするについて当事者間に利害関係の争いがあるので検討するに、請求人の登録出願(商願2000−11215)について本件商標を引用した拒絶理由の通知がされているものであるから、本件商標の商標権の存否によって、その権利に対する法律的地位に直接の影響を受けるか、又は受ける可能性のあるものとみられるものである。

したがって、請求人は、本件審判を請求することについて法律上の利益を有するものである。

(2)本件商標と引用商標の類否について

本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、その構成態様からは直ちに特定の事物事象を表したものとは認められず、これが、たとえ「GRASS」の文字をモチーフとして図案化したものであるとしても、その図案化の程度は高く、直ちに具体的綴りを認識し得ない程に本来の字形をくずしてなるものであって、その全体は相当図案化され外観上独自性の高い態様に特徴を有する商標と認められるものであるから、これに接する取引者、需要者がこれより直ちに「グラス」の称呼を生ずるとした上で商取引にあたることは極めて少ないものとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標は、その構成全体より直ちに特定の称呼が生じ得ないことはもとより、観念についても特定の意味合いをもって把握されることもないと判断するのが相当であるから、本件商標と引用商標とは、称呼、観念において比較すべくもない。

また、本件商標と引用商標とは、外観において容易に区別し得るものである。

そして、両者の称呼、外観、観念に基づく印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考慮すれば、本件商標及び引用商標が各指定商品に使用されたとしても、取引者、需要者が、商品の出所につき誤認混同を来すおそれはないものと認められる。

してみれば、本件商標と引用商標とは、類似する商標ということができない。

したがって、本件商標は、その指定商品中請求に係る商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではなく、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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