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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30180(T2001−30180/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2410066号商標(以下「本件商標」という。)は、「NSN」の欧文字を横書きしてなり、平成元年6月12日に登録出願、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、同4年5月29日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

1 請求の趣旨

本件商標の指定商品中「写真及びこの附属品」についてその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。

2 請求の理由

被請求人は、本件商標をその指定商品中「写真及びこの附属品」のいずれについても、継続して3年以上日本国内において使用していない。

また、専用使用権者及び通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。

よって、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。

3 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、上記答弁書において、本件商標「NSN」は、使用権者である株式会社日経映像(以下、「日経映像」という。)により、本件審判の請求の登録(平成13年3月7日)前3年以内に日本国内において、「録画済みビデオテープ」に使用されている旨主張する。

しかしながら、以下に詳述するとおり、被請求人は、上記主張にかかる本件商標の使用を立証していない。

(2)被請求人は、本件商標が「録画済みビデオテープ」について設定登録前3年以内に使用されていることを示す証拠として、「ビデオカセットテープ(検乙第1号証の1ないし3)」及び「商品別売上明細表(乙第3号証)」を提出し、その答弁書中において、「日経映像が検乙第1号証の1ないし3に示すようなビデオカセットを販売している実績は、乙第3号証の商品別売上明細表に見られるとおりである」旨述べている。

(a)しかしながら、被請求人が提出した証拠からは、検乙第1号証の1ないし3にかかるビデオカセットテープと商品別売上明細表(乙第3号証)の対応関係が全く不明である。すなわち、乙第3号証にかかる売上明細表が検乙第1号証の1ないし3にかかるビデオカセットテープの売上を示すものであるとの証明がない。つまり、日経映像が検乙第1号証の1ないし3に示すビデオカセットを販売している実績は、乙第3号証の商品別売上明細表によっては何ら証明されていない。

なお、被請求人は「同年(平成10年)12月31日に取引の清算を行って」いると主張し、商品別売上明細表(乙第3号証)にも同日付の記録が表示されているが、そもそも、同売上明細表に示された記録がどのような商品について、どのような取引に関して記録されたものかが全く不明であり、本件商標の使用を立証するものではない。

(b)また、検乙第1号証の1ないし3にかかるビデオカセットテープ自体も、ビデオテープの背に簡易なラベルが貼付されており、そこに本件商標をデザイン化した文字が付されているにすぎず、これ以外の部分に本件商標は付されていない。

本件ビデオテープ自体が、一般に市販されている録画用ビデオテープと異なるところがなく、その背に極めて容易に作成、添付、改変できる態様の簡易なラベルが貼りつけられているに過ぎないため、本件ビデオテープが検乙第1号証に示すとおりの荷姿、すなわち本件商標が表示された状態で販売されていたかは甚だ疑わしいといわざるを得ず、検乙第1号証の1ないし3は、本件商標の使用を示す客観的な証拠とはなり得ない。

(c)被請求人は、乙第3号証に加え、得意先台帳(乙第4号証)、売上伝票(乙第5号証)及び普通預金明細表(乙第6号証)3を提出している。

しかしながら、得意先台帳(乙第4号証)については、単に上記取引における顧客の基本情報を記録したものにすぎず、何ら本件商標の使用を立証するものではない。

また、売上伝票(乙第5号証)は、そもそも平成10年2月2日になされた取引に関する証拠であり、本件商標の審判請求の登録(平成13年3月7日)前3年以内の使用を立証するものではなく、また、検乙第1号証の1ないし3にかかるビデオカセットテープとの対応関係自体も不明確であるため、本件商標が付されたビデオテープが販売されたことの証拠にはならない。

さらに、普通預金明細表は、他の乙号証、たとえば、同売上明細表(乙第3号証)中の「売上日10.02.02」「伝票NO.000279」との対応関係がなく、そもそも何を立証する趣旨であるのかさえ不明である。

(d)被請求人は、「会社案内は、本件商標に関する広告の役目も果たしている」として、乙第1号証及び第2号証として日経映像の会社案内を提出している。

しかしながら、本件会社案内には、本件商標をその指定商品について使用(広告)していることを示す内容は存在しない。

すなわち、提出された会社案内には本件商標「NSN」が「録画済みビデオテープ」に使用されていることを示す記載はなく、また、発行年月日などの日付の記載もない。

(e)なお、被請求人は「現在も前記ビデオカセットの販売を継続し、その販売管理も行っているものであることが容易に理解できる」と述べるが、甲第2号証によれば「日経サテライトニュース」は、既に、「日経CNBC」に変更されており、被請求人の主張とは逆に、現在では既に本件商標は使用されていないと推認する方が合理的である。

(3)以上詳述したとおり、被請求人は、本件商標が請求に係る指定商品「写真及びこの附属品」の概念に属する商品について本件審判請求登録前3年以内に使用されているとの事実を全く証明していない。

よって、請求人は、本件審判について、速やかに請求の趣旨どおりの審決を賜りたい。

第3 被請求人の答弁

1 答弁の趣旨

結論同旨の審決を求める。

2 答弁の理由

被請求人は、答弁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第6号証及び検乙第1号証の1ないし3(検乙第1号証の3の映像の一部の写しを含む。)を提出した。

本件商標は、被請求人である商標権者の承諾の下に、関連会社である、請求外、日経映像が使用してきたものである。

(1)本件商標「NSN」は、日経映像が被請求人と一体となって事業を進めてきた「NIKKEI Satellite News」にちなんで採択した商標であり、「NSN」は、この事業全体のシンボルマーク的な位置付けのものであって、その使用の概要は、会社案内にみられるとおりである(乙第1号証及び同第2号証)。会社案内は、本件商標に関する広告の役目も果たしている。

(2)日経映像は、主としては、「NIKKEI Satellite News」においてニュース等の映像を適宜に編集し、これを全国のCATV局に流したり、また、ビデオカセットとして販売する等の事業を行ってきた。検乙第1号証の1ないし3に示すビデオカセットがその例である。このビデオカセットに商標として表示している「NSN」が本件商標と社会通念上同一とみられる態様のものであることは、明らかなところである。

(3)日経映像は、検乙第1号証の3に示すようなビデオカセットの内容をなす編集映像のマスターテープを持ち、注文に応じてダビングによる製作販売をしてきたものである。検乙第1号証は、販売用にダビングによって製作したものの在庫品であって、以下に説明する過去に販売しているビデオカセットも、同様な荷姿で同様な内容のものである。

(4)日経映像は、検乙第1号証の1ないし3に示すようなビデオカセットを販売している実績は、乙第3号証の商品別売上明細表にみられるとおりである。乙第3号証の商品別売上明細表の左肩の『株式会社ABC』の表示は、検乙第1号証の1ないし3のビデオカセットの背文字に示すタイトルである。

乙第3号証の商品別売上明細表では、検乙第1号証の1ないし3に示すようなビデオカセットの実取引が平成10年2月2日までとなっているが、この商品別売上明細表の末尾の記録でも分かるように、同年12月31日に取引の精算を行っており、また、この乙第3号証の商品別売上明細表自体が成12年12月31日までのものであり、現在でも前記ビデオカセットの販売を継続し、その販売管理も行っているものであることが容易に理解できるものと信ずる。

(5)以上のとおり、本件商標は、使用権者により、本件審判の請求の登録前3年以内に国内において、審判請求にかかる指定商品について使用されているものであることが明らかである。

3 第2答弁

請求人は、上記答弁と同様の趣旨で、第2回目の答弁をした。

第4 当審の判断

(1)被請求人提出に係る書証を検討するに、乙第1号証及び同第2号証は、日経映像の会社案内であり、これよりは、当社が商標権者の関連会社であり、また、テレビ番組や映画等を制作し、これをテレビ局等に配信するとともに、「ビデオソフトの販売」を行っていることが認められ、同第3号証「商品売上明細表(平成13年6月13日作成)」では、第7ページに、本件審判の請求の登録前3年以内に該当する平成12年12月31日に、「株式ABC」をタイトルとする商品「VTR」、すなわち、「録画済みビデオテープ」が売り上げられた事実が示されており、検乙第1号証の1ないし3には、本件商標と社会通念上同一の商標を付したビデオテープが示されており、その背表紙等には、「株式ABC」とのタイトルが表示され、これは、上記同第3号証「商品売上明細表」に符合するものである。

また、上記「録画済みビデオテープ」は、本件審判請求の登録の取消しに係る指定商品「写真及びこの附属品」の範疇に属するものである。

してみれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標の通常使用権者である日経映像によって、本件取消しに係る指定商品中の「録画済みビデオテープ」について、使用されたものであることが認められる。

なお、請求人は、「本件ビデオテープ自体が、一般に市販されている録画用ビデオテープと異なるところがなく、その背に極めて容易に作成、添付、改変できる態様の簡易なラベルが貼りつけられているにすぎないため、本件ビデオテープが検乙第1号証に示すとおりの荷姿、すなわち、本件商標が表示された状態で販売されていたかは甚だ疑わしい」と述べているが、本件使用に係る商品は、一般の商品のように、店頭販売されるようなものでなく、一本一本注文に応じて販売されるものと認められるから、その荷姿は、不自然なものということができない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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