Trademark Appeal Case
ありふれた氏名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第19172号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙のとおり「AONO」と「SINCE1965」の文字を上下2段に書してなり、第11類「電球類及び照明用器具,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,工業用炉,原子炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱機,蒸煮装置蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,家庭用電熱用品類,浴槽類,家庭用浄水器,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉,家庭用ごみ焼却炉,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用椅子,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,化学物質を充てんした保温保冷具,美容院用・理髪店用機械器具(いすを除く。),業務用調理機械器具,太陽熱利用温水器,浄水装置,水質汚濁防止装置」を指定商品として、平成8年7月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、上段にありふれた氏『青野』に通ずるローマ字『AONO』の文字と下段に営業の開始年を表すものとして商号商標等に付記して一般に使用されている欧文字及び数字よりなる『SINCE 1965』を書してなるにすぎないから、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定・判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別紙のとおりの構成からなるところ、上段に書された文字は、ややデザイン化されているとはいえ、文字をデザイン化して表わす手法が盛んな今日においては、欧文字「A」「O」「N」「O」を表わしたものと容易に理解し得る程度の構成よりなるものといえる。また、下段に書された「SINCE」の文字部分は「以後、以来、その後」等の意であって、業務・営業を開始した時期等を表す語として用いられているものであることからすれば、該文字に続いて書された「1995」の数字と組み合わされた場合は、「1995年に業務を開始した」程度の意を認識させるにすぎず、上段の該「AONO」を修飾する付記的な表記であると判断するのが相当である。
ところで、「アオノ」と読まれる「青野」なる氏がありふれたものであることは、例えば、日本電信電話株式会社発行、「東京都23区個人名全区版・下巻」に記載に照らして、これを認めることが出来る。
そして、日常一般や商取引の場において、氏を表示する場合、漢字のみに限らず、ローマ文字で表示することも行われているところである。
そうとすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標をして、ありふれた氏の「青野」をローマ文字で表したものと理解し、認識するに止まるものといわなければならない。
してみると、本願商標は、その指定商品について使用しても、前記のとおり他の多数の「青野」なる氏を有する者の提供に係る同種商品とその出所を区別することができないものであって、自他商品を識別する標識としての機能を果たしえないものといわざるをえない。
この点に関し、請求人(出願人)は、本願商標が自他商品の識別標識として機能し得る旨、既登録例を挙げて主張しているが、その事例は本件と事案を異にするものであるから、必ずしもこの事例をもって本願商標の自他商品識別力の存否についての判断の基準とはなし得ないものであり、その主張は採用することができない。
さらに、インターネットタウンページによれば、本願指定商品と関連のある「コンビニエンスストア、スーパーストア・マーケット、理容店、精密機械、器具、建築業(建築工事)、プレス・板金加工」の業種欄に掲載されている電話加入者中には、例えば、「あおの、ミニスーパーアオノ、青野、青野製作所、青野工務店、合資会社青野精密プレス工業所」等の如く、「青野、あおの又はアオノ」の語を含む名称が多数認められることからすれば、「ローマ字『AONO』に通ずる『青野』が営業を表示する標章としてありふれていない」との請求人(出願人)主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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