結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30005(T2001−30005/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2031226号商標(以下「本件商標」という。)は、「MICRON」の文字を書してなり、第11類「電気機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和63年3月30日に設定登録、その後、平成10年2月10日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
請求人は、「本件商標の登録は、指定商品『半導体・半導体集積回路及びこれらに類似する商品』について取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求人の調査では、取消しを求めた商品「半導体・半導体集積回路及びこれらに類似する商品」について、過去3年以上にわたって、我国において本件商標を使用していないことが判明した。したがって、本件商標登録は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
(a)「半導体集積回路」に本件商標を使用しているとの被請求人の主張について
商標法第50条の規定により登録商標をその指定商品に使用しているかどうかは、商標法における商品、すなわち、商取引の目的物としての流通性を有するものに登録商標が使用されているかどうかという点から検討しなければならない。
被請求人が主張する「半導体集積回路」の製造から販売までの経緯からすれば、同回路は、専ら「簡易FAコントローラ」(以下、「コントローラ」という。)の部品としてのみ使用され、完全にコントローラに組み込まれ、取引及び使用に際して外部から同回路及びこれに付された標章「mICROn」が認識されないのであるから、同回路は商取引の目的物として流通しているものではなく、商標法における商品には該当しない。
したがって、「半導体集積回路」に標章「mICROn」を付する行為及び同回路を組み込んだコントローラを販売する行為は、本件商標の「半導体集積回路」への使用には該当しない。
(b)「半導体集積回路に類似する商品」に本件商標を使用しているとの被請求人の主張について
コントローラは、「配電用又は制御用の機械器具」の概念に含まれる商品である。
現在では、ほとんどの機械器具で電気若しくは電子の作用が利用されており、「電子回路で構成されるもの」であるからといって、必ずしも「半導体集積回路に類似する商品」に該当する訳ではなく、「商品及び役務区分解説」(甲第2号証)の解説からすれば、電子作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものであっても、それが特定の用途のみに使用される機械器具であり、電子作用の利用に拘わらず特定の用途のみに使用される機械器具の商品概念が既にある場合には、当該商品は「電子応用機械器具」には属さず、その特定の用途のみに使用される機械器具が属すべき商品概念に属するとしている。
コントローラのカタログ(乙第4号証)の説明からすると、該商品は、アクチュエー夕、センサ等をコントロールするための機械であり、また、「FAコントローラ」との商品名が付されていることからすると、「ファクトリーオートメーション(工場生産システムの自動化)」という特定用途向けの制御装置と考えられる。そうとすると、同コントローラは、「電子回路で構成されるもの」であるとしても、「半導体・半導体集積回路及びこれらに類似する商品」ではなく、「制御用の機械器具」の概念に含まれる商品である。
したがって、本件商標をコントローラに使用していたとしても、「半導体・半導体集積回路及びこれらに類似する商品」についての本件商標の使用にはならない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を、その指定商品中の「半導体集積回路」と「半導体集積回路に類似する商品」に、審判請求の登録前3年以内であって、請求前3月から同登録の日までを除く期間(以下「使用実績期間」という。)に使用していた。
(2)「登録商標の使用説明書」(乙第1号証)に添付したのは、被請求人の業務にかかる商品の「半導体集積回路」であり、その上面部に、標章「mICROn」が付されている。
被請求人は、「半導体集積回路」を、特約店を介して富士通株式会社に製造を特注し、製造された商品に標章「mICROn」を社標とともに付せしめ、製造された全製品の納入を受け、納入された各製品を電子応用機械のコントローラに組み込み、同コントローラを販売している。
したがって、「半導体集積回路」の製造の際に、標章「mICROn」を製品の上部面に付せしめる行為は、本件商標と社会通念上同一の標章「mICROn」を被請求人の業務にかかる商品に付する行為に該当し、本件商標を使用する行為にあたる。
また、同回路を組み込んだコントローラを販売する行為は、商品に標章を付したものを譲渡する行為に該当し、これも、本件商標を使用する行為にあたる。
(3)標章の使用行為が「使用実績期間内」に行われたことは、「半導体集積回路」に関する承認仕様書(乙第2号証)及び特約店が被請求人に納品した事実を示す納品書兼検査票(乙第3号証)並びにコントローラに関する商品カタログ(乙第4号証)、写真(乙第5号証)、回路構成を示す図(乙第6号証)、注文書及び納品書(乙第7号証)で立証される。
(4)コントローラは、内部に複数の電子回路が組み込まれたものであるから「電子回路で構成されるもの」に該当し、「電子回路で構成されるもの」は「半導体集積回路に類似する商品」に該当するから、結局、コントローラは半導体集積回路に類似する。
そして、コントローラには、標章「micron」が社標とともに付されている(乙第4号証および乙第5号証の1)。標章「micron」は、本件商標を小文字化したものであり、社標とともに付されていても、社会通念上、本件商標とは同一と認められるべきである。
そうすると、半導体集積回路に類似する商品であるコントローラに標章「micron」を付したものを、使用実績期間内に譲渡しているから、本件商標は、使用実績期間内に、半導体集積回路に類似する商品について使用されたことが明らかである。
(1)被請求人は本件商標と社会通念上同一である標章「micron」を半導体集積回路に類似するコントローラについて使用していると答弁しているのに対し、請求人はコントローラが「半導体集積回路に類似する商品」に当たらないと主張するので、この点から検討する。
(2)請求人は、コントローラを、「ファクトリーオートメーション(工場生産システムの自動化)」という特定用途向けの制御装置で、「配電用又は制御用の機械器具」の概念に含まれる商品であると主張するが、乙第4号証の商品カタログに「FAコントローラ」の文字があることをもって、該商品を直ちにファクトリーオートメーション向けの制御装置であるとは断定できない。しかも、「配電用又は制御用の機械器具」は、主に電気の通電又は配電を制御するための機械器具とみるのが自然であり、かつ、本件商標の登録出願時に施行されていた商標法施行規則別表第11類には、「電気通信機械器具」中に、「七 遠隔測定制御機械器具」との例示があるように、「配電用又は制御用の機械器具」以外の概念にも制御に関係する機械器具が例示されていることを踏まえれば、「配電用又は制御用の機械器具」がファクトリーオートメーション向けの制御装置を全て包含するとはいい難い。
一方、乙第4号証の「2軸の高速パルス出力及び各種アクチュエータ、センサ等をコントロールできる新しいタイプのプログラマブルコントローラです。」、「プログラミングは・・・パソコンにて入力ができます。」、「入力されたプログラムは・・・各種機器を制御動作できます。」及び「ステッピング及びAC、DCサーボモーター制御可能」の記載をはじめ、乙第5号証の商品の写真や、乙第6号証の図面を総合して勘案すると、被請求人のコントローラは、電気の通電又は配電を制御するための機械器具でも、また、特定の機械専用の制御装置でもなく、各種アクチュエータ、センサ等の各種機器を電子的に制御し得るプログラマブルコントローラというのが相当である。
そうとすると、該コントローラは、電子の作用の応用を機能の本質とする商品である、本件商標の登録出願時の商標法施行規則別表第11類の「電子応用機械器具及びその部品」の概念に属する商品とみるのが相当である。同様に、半導体集積回路も「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属する商品と認められるほか、該コントローラと半導体集積回路とは完成品と部品の関係にあるといえるから、両者は類似する商品と認められる。
(3)次に、本件商標がコントローラに使用されているといえるか否かについて検討するに、乙第4号証によれば、同商品のカタログには、被請求人の名称のほか、その社標と思しき図形の隣に「micron」の文字で構成される商標が表示されていることが認められ、また、乙第7号証によれば、コントローラについて使用実績期間内の期日による被請求人宛の発注と被請求人による納品があったことが認められる。
そして、被請求人の答弁の趣旨をも踏まえ、これらを総合的に勘案すれば、被請求人は、使用実績期間内に、「micron」の文字で構成される商標をコントローラについて使用をしていたとみるのが相当である。
また、上記の使用商標と本件商標とは、同じ綴りのローマ文字で、大文字を小文字に変更したにすぎないものであることから、社会通念上同一の商標と認められるものである。
してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一の商標を、「電子応用機械器具」に属すると認められる商品「コントローラ」について使用をしていたといえる。
(4)以上のとおりであるから、本件商標の「半導体集積回路」への使用について論ずるまでもなく、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品中の「半導体・半導体集積回路に類似する商品」について使用をしていたことが認められる。
したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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