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Trademark Appeal Case

使用商標と登録商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30188(T2001−30188/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2369480号商標(以下「本件商標」という。)は、「ワールドスペース」の文字を書してなり、昭和63年9月22日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成4年1月31日に設定登録、その後、平成14年1月29日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の全指定商品についての登録を取り消す」との審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定により、その登録は取り消されるべきである旨主張した。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、その証拠方法として、乙第1号証ないし同第10号証を提出した。

(1)本審判請求の予告登録日から3年前の平成10年3月7日より3年以内に該当する平成10年4月1日発刊の全国PBX新聞において、被請求人の製品の記事として「ワールドスペース」の本件商標が使用されている(乙第3号証)。また、平成10年3月20日発刊の日刊工業新聞においても、被請求人の製品の記事として「ワールドスペース」の本件商標が使用されている(乙第4号証)。

(2)登録商標の使用については、社会通念上同一の範囲で使用することによって、その使用と認められるところ、その範囲内での使用には、片仮名とローマ字の相互間の使用も認められる(乙第5号証)。この点では、平成10年3月19日付けのASCII24のホームページ上の「TODAYS NON‐STOPNEWS Vol.10」において、被請求人の製品の記事として「WorldSpace」の商標が使用され(乙第6号証)、また、同日付けの被請求人のホームページ上において、被請求人の製品の記事として「WorldSpace」の商標が使用され(乙第7号証)、また、平成10年3月27日付けの新聞「電波タイムス」において、被請求人の製品の記事として「WorldSpace」の商標が使用され(乙第8号証)、また、平成10年11月1日発行の技術雑誌「沖電気研究開発179」においても、「WORLDSPACE」の商標が使用されている(乙第9号証)。さらに、被請求人の販売促進資料においても、「WorldSpace」の商標が使用され続けてきた事実がある(乙第10号証)。

4 当審の判断

(1)被請求人は、乙号証として、新聞、ホームページ及び雑誌上の記事を提出し、これらをもって本件商標の使用を立証するとしているところ、そのうち、被請求人の1998年3月19日付けのホームページ(写)(乙第7号証)は、標題を「高知県情報スーパーハイウエイ向けにATMコアルータを納入」としており、その表示のほとんどが「WorldSpace20」なるネットワーク通信システム又はそのシステムの構成機器の説明で占められており、「広域IPネットワークのバックボーンシステムとして広く販売して行く所存です。」として、販売価格や顧客用の問い合わせ先が掲載されているところである。

しかして、このホームページにおける表示の内容は、コンピュータ通信ネットワーク装置(機器)の宣伝広告といえるものであり、ここにおける「WorldSpace20」の文字部分は、上記の機器の自他商品の識別標識として表示されているといい得るものである。

さらに、乙第3号証の全国PBX新聞の記事、乙第4号証の日刊工業新聞の記事、乙第6号証の「ASCII24」のホームページにおける表示、乙第8号証の電波タイムスの記事、乙第9号証の被請求人の出版物の記事における「ワールドスペース20」、「WorldSpace20」、「WORLDSPACE20」又は「WORLDSPACE21」の文字は、それ自体では、商標としての使用に疑義があるものの、乙第7号証を補足するものとして、これらの各乙号証を加え、被請求人の答弁の全趣旨と合わせて、総合的に勘案するならば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、「WorldSpace20」なる商標(以下「使用商標」という。)を、「コンピュータネットワーク用のルーター」について使用していたと判断するのが相当である。

(2)そこで、本件商標と使用商標の同一性について検討するに、本件商標は、「ワールドスペース」の文字よりなるところ、「ワールドスペース」と称呼されること明らかであり、しかも、その構成中の「ワールド」の文字が「世界」を意味する「World」の英単語を片仮名表示したものとして、また、「スペース」の文字が「空間」を意味する「Space」の英単語を片仮名表示したものとして、それぞれ親しまれたものであるから、これに接する取引者、需要者は、「World」と「Space」の英単語を連ねた「World Space」の英語に通じるものと容易に認識し得るものというべきである。

一方、使用商標は、ローマ文字とアラビア数字をもって構成されているが、その構成中のアラビア数字が商品の規格又は品番等を表す記号又は符号として類型的に使用されるものであるから、使用商標において実質的に自他商品の識別標識として機能するのはローマ文字部分といえる。そして、該ローマ文字部分は、「ワールドスペース」と称呼されるもので、「W」と「S」の文字のみが大文字で、他の文字が小文字で表されている点を勘案すれば、「World」と「Space」の英単語を連ねたものと容易に認識し得るから、結局、使用商標は、本件商標を、称呼及び観念を同一のままに、片仮名からローマ文字に変更して使用したものと認められる。

そうとすると、本件商標と使用商標は、商標の本質である自他商品の識別標識としての観点からは、社会通念上、同一と認められる範囲内にある商標ということができる。

(3)次に、請求に係る指定商品と使用に係る商品の関係を検討するに、使用に係る商品は、乙第3、第4並びに第6ないし第9号証によれば、コンピュータネットワーク用のルーター(複数のLANを接続する装置で、データ(パケット)をどの経路で流せばよいかまでを判断する機能をもつ。)にして、「電気通信機械器具」又は「電子応用機械器具」に属する商品というべきものであるから、使用に係る商品は、本審判請求の請求に係る指定商品に含まれること明らかである。

(4)以上のとおりであるから、本件商標は、被請求人によって、本件審判請求の登録前三年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品中の「コンピュータネットワーク用のルーター」について使用されていたというべきである。

なお、請求人は、平成13年10月4付けをもって、弁駁書作成のための資料が整わないため審理を暫時猶予されたいとの上申書を提出したが、その後相当の期間が経過するも、なお上記3の答弁に対し、弁駁するところがないので、上記のとおり判断するのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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