結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31508号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2612677号商標(以下「本件商標」という。)は、「MEGA」の欧文字と「メガ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、平成3年4月17日登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、平成5年12月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
(1)被請求人は、本件商標の使用開始は審判請求登録後の平成12年1月21日であるが、商標使用の企画及び使用の準備、並びに、使用の開始はそれ以前に行われているところであって、少なくとも形式的な使用に至っていなかった不使用に関しては、商標法第50条第2項に規定する「正当な理由」に該当する、と述べている。しかし、商標法第50条第2項にいう「正当な理由」とは、特許庁においても書籍「工業所有権逐条解説」の中で述べられているように、例えば、その商標を使用する予定の商品の生産の準備中に天災地変等によって工場等が損壊した結果その使用ができなかったような場合、あるいは、時限立法によって一定期間その商標の使用が禁止されたような場合等のことであり、被請求人が述べている理由は「正当な理由」にはあてはまらない(甲第1号証) 。
よって、被請求人が挙証する乙第3号証ないし乙第13号証からは、商標法第50条第2項に規定する「正当な理由」に該当する事実は見当たらず、証拠としては意味をなさないものである。
(2)被請求人は乙第3号証ないし乙第13号証を提示している。しかし、そのいずれにおいても本件商標「MEGA」の使用は見当たらず、乙第4号証の2・乙第5号証の1・乙第6号証・乙第7号証・乙第12号証の2・同号証の3からは「メガチョコクランチバー」あるいは「MEGACHOCOCRUNCHBAR」の文字、乙第5号証の2・乙第13号証の2・同号証の3からは「CHOCO−PEANUT MEGABALL」あるいは「チョコピーナッツメガボール」の文字を発見できるのみである。さらに乙第3号証の商品写真・乙第4号証の1・乙第8号証・乙第9号証・乙第10号証・乙第11号証・乙第12号証の1においては商品名が特定されていない。
(3)以上より、本件商標は、本件審判請求登録日前3年以内に被請求人によってその指定商品に継続して使用されてきた事実はなく、また被請求人が本件商標を使用していないことについての正当な理由もないものである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第13号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)本件商標を使用する商品の企画は、乙第3号証に示す如く、平成11年10月上旬に行われており、平成11年10月20日には「商品アイデアのご提案」なる「チョコレート;メガチョコクランチバー」が記載された「アソート缶」、及び、「チョコレート;チョコピーナッツメガボール」が記載された「アソートボックス」の企画書を「ディズニーランド」の経営で著名な「株式会社オリエンタルランド」(千葉県浦安市舞浜1−1)に提出している。
(2)上記企画は、「(株)オリエンタルランド」により採用され、平成11年11月18日「凸版印刷株式会社」へ材料注文書(乙第4号証の1及び2)により、「アソートボックス」及び「バケツ缶」(アソート缶)の容器・表示シール・内装等の発注がなされている。
本件商標「メガ」を使用したデザインは、既に、「(株)オリエンタルランド」に提示し、その了承を得、乙第5号証の1及び同2に示す、平成11年12月1日12時プリントアウトした「MEGA CHOCOCRUNCH BAR」のデザイン及び平成11年12月1日14時プリントアウトした「CHOCO−PEANUT/MEGABALL」の確定デザインにより、製版指示がなされているところである。
(3)乙第6号証は、前記材料注文書に対する「見積り」及び当所の商品包装を行う資材納品先となる製造工場が記載されており、同「発注品名」に「メガチョコクランチバー」及び「メガチョコピーナッツボール」の商標記載がなされ、既に、商品に関する商標として使用がなされていることが明らかとなっている。
(4)乙第7号証は、平成11年12月16日に提示された「アソート缶」の底面に表示する商品名についての校正であり、「メガチョコクランチバー」の表示が明らかに示され、販売者「(株)オリエンタルランド」の表示も明らかになっている。
(5)乙第8号証〜同第10号証は、「商品受領書」であり、広範囲な「ディズニーランド」及びその周辺の「ホテル」等に納品していることが明らかとなっている。
(6)乙第11号証は、販売元「(株)オリエンタルランド」が発行した、「販売証明書」で、平成12年1月21日にこれらの経過の結果として販売が開始されていたことを証明するものである。
(7)乙第12号証の1は、「アソート缶」の全形であり、その底面(乙第12号証の2)に、「MEGA CHOCO CRUNCH BAR」の表示が明らかに示されており、その「MEGA CHOCO CRUNCH BAR」の実物包装紙が乙第12号証の3に示されている。
(8)乙第13号証の1は、「アソートボックス」の全形であり、その底面(乙第13号証の2)に、「CHOCO−PEANUT/MEGABALL」の表示が明らかに示されており、その「CHOCO−PEANUT/MEGABALL」の実物包装紙が乙第13号証の3に示されている。
これに対し、第三者である請求人は、これから採択せんとする立場に有る商標の変更可能な状況であることからも、公平の原理により被請求人の使用が認められるか、又は、これらの準備行為が不使用についての正当な理由として成り立つものと確信する次第である。
したがって、本件商標と社会通念上同一と認められる語頭部「メガ」及び「MEGA」が、識別力ある部分として使用されているものであり、商品「チョコクランチバー」(チョコレート菓子)は指定商品に含まれるものである。
(1)被請求人が提出した乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
ア.乙第3号証は、被請求人が、株式会社オリエンタルランドに対し提出した「商品アイデアでの提案」と題する企画書(1999年10月20日作成)であり、菓子の欄に「チョコレート:メガチョコクランチバー」の記載が認められる。
イ.乙第4号証は、被請求人から、印刷業者への「材料注文書」の写しであり、その注文日を1999年11月18日とするものである。また、商品名として「メガチョコクランチバー(内装)(バケツ缶用)」「チョコピーナッツメガボール(内装)(アソートボックス用)」の記載が認められる。
ウ.乙第5号証は、商品の包み紙であり、「MEGA CHOCO CRUNCH BAR」及び「CHOCO−PEANUT」「MAGABALL」の記載が認められる。
エ.乙第6号証は、印刷業者から被請求人への見積書の写しであり、その作成日を1999年12月3日とするものである。また、発注品名として「メガチョコクランチバー」「チョコピーナッツメガボール内装」の記載が認められる。
オ.乙第7号証は、アソート缶の底面に添付するラベルの企画書であり、品名として「名称<チョコレート>」「内容量 メガチョコクランチバー9g×4袋入」の記載が認められる。
カ.乙第8号証ないし同第10号証は、商品受領書であり、2000年1月18日〜同年1月20日に商品が納品されているが、本件商標の記載は見受けられない。
キ.乙第11号証は、販売者の株式会社オリエンタルランドが、商品「アソート缶」「アソートボックス」を平成12年1月21日に販売開始した証明書で、証明者を「商品本部商品開発部食品グループ マネージャー 杉江一美」とするものである。
ク.乙第12号証及び同第13号証は、前記「アソート缶」「アソートボックス」を撮影した写真、底面に添付するラベル及び包み紙と認められ、その撮影日を2000年2月22日及び同23日とするものである。また、前記ラベルの品名欄に「名称<チョコレート>」「内容量 メガチョコクランチバー9g×4袋入」、包み紙に「MEGA CHOCO CRUNCH BAR」及び「CHOCO−PEANUT」「MAGABALL」の記載が認められる。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、被請求人による使用に係る商標の使用は、被請求人が主張するごとく本件審判請求の登録(平成11年(1999)12月8日)前3年以内の使用ではない。また、使用に係る商標は「MEGA」、「メガ」の文字を構成中に有するとしても、各文字全てがまとまり良く配されており、その全体が外観において一体性を有しているものというべきであり、本件商標とは別異のものであって、社会通念上同一の使用とは認め難いものであるから、本件商標をその指定商品について使用されたものとみるのは困難であり、本件商標の使用について立証し得なかったものといわなければならない。
(1)商標法第50条の商標登録の取消審判にあっては、その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由がある場合を除いて、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
(2)被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由がある旨述べているので、この点について検討する。
被請求人が述べるところは、「不使用取消に係る審判請求の事実を現実に初めて知った3ケ月以上前の、平成11年10月以前に本件商標「メガ」を使用する商品の発売を企画し、平成11年中旬には、その資材、デザインを外部に決定、発注し、平成12年1月21日その発売を行った。商品の発売開始は平成12年1月21日ではあるが、この形式的商標使用に先立ち、実質的な使用といえる、商標使用の企画及び実質的な使用の準備、並びに、実質的な使用の開始はそれ以前に行われているところであって、少なくとも、形式的な使用に至っていなかった不使用に関しては、商標法第50条第2項に規定する正当な理由に該当する」というものである。
しかしながら、同法第50条第2項ただし書き中の「登録商標の使用をしていないことについての正当な理由」とは、法律に定められた他の理由により実質的に使用できない場合、天災等の不可抗力により営業することができなくなった場合等、自己の責に帰すことのできない理由で使用できなかった場合をいうのであって、上記被請求人主張の理由までをも含むものと解することはできないというべきである。むしろ、自己の都合による事情の域を出ないものというべきであるから、その理由をもって本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があるものということはできない。
すなわち、乙各号証から、商品の企画が行われ販売を行うべく準備段階にあり、取消請求に係る指定商品について本件商標を使用し、そのために必要な行為を行っていたことは窺い知れるが、たとえそのような行為が行われたとしても、それらは一般的社内事情というべきものであるから、当該社内の一事情をもって本件商標の不使用の不可抗力的事情とするのは、客観性に乏しく、合理性に欠けるものといわなければならない。
また、商標法は、本来、登録商標の使用を前提としていること及び不使用による商標登録の取消審判制度が設けられている趣旨からすれば、被請求人が主張した理由のみでは、直ちに不使用の正当な理由があるものということはできないというべきであり、かかる場合被請求人に不使用の責を負わすことは酷であるともいい難い。
してみると、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて、被請求人(商標権者)の責めに帰すことのできない予見困難な事情があり、不使用を理由に商標登録を取り消すことが社会通念上酷であるような場合に相当するものとはいえない。
その他、上記不使用に関して述べる被請求人の主張は、いずれも妥当性に欠けるものであって、採用することができない。かつ、前記認定を左右するに足りる証拠はない。
以上1及び2に示すとおり、被請求人の述べる本件商標の使用についての主張及び不使用の正当理由の主張は、いずれもこれを認めるに十分なものとはいい難いものである。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において請求に係る指定商品について使用していたものと認めることはできず、かつ、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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