結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35483(T2001−35483/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3370470号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年8月29日に登録出願され、「オステジン」の片仮名文字を横書きしてなり、第5類「薬剤」を指定商品として、同10年10月16日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効理由に引用する登録第483940号商標(以下「引用商標」という。)は、昭和29年12月24日に登録出願され、「OSTEN」の欧文字と「オステン」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、同31年7月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。1 商標法第4条第1項第11号該当について
(1)商標の類似について
本件商標が「オステジン」、引用商標が「オステン」と称呼されることはそれぞれの構成に照らして明らかである。
そこで、本件商標の称呼「オステジン」と引用商標の称呼「オステン」とを比較検討するに、両称呼は、前者が5音、後者が4音からなり、第4音目において「ジ」の音の有無の差異を有するほか、称呼の識別上重要な要素を占める語頭部の3音「オステ」を含めて他の構成音およびその配列を同一にするものである。さらに、当該「ジ」の音は、比較的聴き取り難い中間部にあることから、その有無が両称呼の識別上大きな役割を果たすものとは言い難く、しかして、かかる微差を有するにすぎない両称呼を、それぞれ時と処を異にして一連に称呼したときは、語感語調が極めて相似たものとなり、相紛らわしく混同を生じるおそれを有するものと言わなければならない。
請求人は、引用商標を昭和63年12月より、その製造、販売にかかる医療用医薬品「骨粗鬆症治療剤」の販売名として、今日まで引続き使用している(甲第5号証及び同第6号証)。そして、その間、同商標を使用した商品について、積極的に営業、販売活動を推進すると共に、盛んに宣伝広告を行ってきた結果(甲第7号証ないし同第11号証)、請求人の主力製品の一つとして、販売実績を収めるに至っている(甲第12号証ないし同第21号証)。
その結果、引用商標「オステン/OSTEN」は請求人の製造、販売にかかる「骨粗鬆症治療剤」を指称するものとして、本件商標の出願当時あるいは本件商標の登録査定時には、需要者、取引者、とりわけ医師、薬剤師間において、広く認識されるものとなっていたものである。
また、両商標は商標の識別上重要な役割を果たす語頭部の「オステ」を共通にし、後半部において「ン」対「ジン」の差異を有するものであるが、本件商標において使用されている「ジン」の文字は、たとえば、「アスメジン」、「アテネジン」、「アリメジン」の如く、薬剤の商標の接尾語としてありふれて使用されているものである(甲第27号証)。ゆえに、本件商標が薬剤について使用されたときは、「オステ」の文字部分は、「ジン」の文字部分に比して自他商品の識別力が強く、これが看者、聴者に強く印象づけられるものである。
しかして、かかる本件商標が、その指定商品「薬剤」について使用されたときは、医薬品業界において周知、著名なものとなっている引用商標との間で混同を生ずるおそれを充分に有するものといわざるを得ない。
先に述べたとおり、両商標は、音声的にも互いに判然と聴別できる程の差異を有しているものとは言い難いものであり、さらには、上記のような取引の実情を勘案して、両商標を離隔的に観察した場合は、両者は称呼において互いに類似する商標とされるべきものである。
(2)商品の類似について
本件商標と引用商標の指定商品が相抵触することは明らかである。
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるため、同法第4条第1項第15号に該当する。
引用商標「OSTEN/オステン」は、上記のとおり、少なくとも本件商標の出願時には、請求人の「骨粗鬆症治療剤」を指称するものとして医薬品取引市場において周知、著名なものとなっているものであるところ、かかる引用商標と要部「オステ」を共通にする本件商標が、その指定商品「薬剤」、就中「骨粗鬆症治療剤」について使用されたときは、引用商標を容易に直観、想起させ、もって、取引者、需要者をして、当該商品が請求人の「OSTEN/オステン」商品のシリーズ商品、姉妹商品として、恰も請求人或いは請求人と何らかの関係がある者の業務にかかる商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずること必至である。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、また仮にこれに該当しないものであるとしても、同法第4条第1項第15号に該当するものとして、同法第46条第1項第1号の規定により登録を無効とすべきものである。
被請求人は、本件審判請求に関し、何ら答弁していない。
本件商標は、前記のとおり「オステジン」の片仮名文字よりなるところ、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさの文字で等間隔に軽重の差なく一連に表されているものであるから、その構成文字に相応して「オステジン」の称呼を生ずる造語を表してなるものと認められる。
これに対して、引用商標は、前記の構成よりなるから、その構成文字に相応して「オステン」の称呼を生ずる造語よりなるものと認められる。
しかして、本件商標より生ずる「オステジン」の称呼と引用商標より生ずる「オステン」の称呼とは、前者は5音、後者は4音よりなり、前者の第4音において濁音で明確に発音され、聴取される「ジ」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、語感、語調が明らかに異なり、称呼上、相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標と引用商標は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるから、外観においては、十分に区別し得る差異を有するものであり、観念においては、両商標は造語と認められるから、比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからみても非類似の商標といえるものである。
さらに、申立人の提出に係る証拠によれば、仮に、引用商標が請求人の製造、販売に係る薬剤「骨粗鬆症治療剤」を指称するものとして医薬品取引市場において、周知、著名なものとなっていたとしても、本件商標は、前記認定のとおりであって、「OSTEN」及び「オステン」の文字を併記してなる引用商標と比較しても、十分に区別し得る別異の商標といえるものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が請求人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものということはできないから、その登録は同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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