Trademark Appeal Case
「シーバムオフテープ」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第1545号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「シーバムオフテープ」の片仮名文字と「SEBUM OFF TAPE」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成9年1月13日に登録出願されたものである。
第2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『シーバムオフテープ』『SEBUM OFF TAPE』の文字を二段に書してなるところ、『シーバム』『SEBUM』が“毛穴の汚れ,皮脂”等の意味を有すること、毛穴の汚れや黒ずみをとる手入れ方法を“シーバムオフケア”と言うことなどから、全体として“毛穴の汚れや黒ずみをとるためのテープ状の商品”であることを、現在では容易に認識させるものである。してみれば、本願指定商品中『化粧品』には、前述に照応する商品が存在することから、このような商標を当該商品に使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の化粧品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して、その出願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1.本願商標は、前記したとおり、「シーバムオフテープ」と「SEBUM OFF TAPE」の各文字を二段に書してなるものであるところ、当審において、「シーバム」(SEBUM)、「シーバムオフ」(SEBUM OFF)等について行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
(1)「小学館ランダムハウス英和大辞典」(1999年1月10日発行、株式会社小学館)には、「sebum」は、「皮脂、皮脂腺の脂肪性分泌物」の意味を有するものとして、また、「off」は、「(固定・付着した状態から)取れて、外れて、(切り)離されて」などの意味を有するものとして掲載されている。
(2)「現代用語の基礎知識」(1998年1月1日発行、1999年1月1日発行、2000年1月1日発行、株式会社自由国民社)において、「シーバム(sebum)」の項には、「(美容)皮脂。毛穴の汚れ。シーバムオフケアは毛穴の汚れや黒ずみをとる手入れ法。」との記載がある。
(3)「日経産業新聞」(1992年10月7日発行、日本経済新聞社)の「因果応報効果−はっきり分かる汚れの落ち(流行ウォッチング)」欄には、「『シーバム』とも呼ばれる毛穴の汚れを取る商品は、化粧品業界の最近のヒット作の一つである。・・・」との記載がある。
(4)「日経産業新聞」(1994年3月21日発行、日本経済新聞社)の「汚れ落とし肌に潤い、化粧品各社、洗顔料に力。」欄には、「化粧品各社の新しい洗顔料が店頭に並び始めた。・・・低刺激タイプの洗顔料『エフィーネ・シーバムクリアソープ』。『クレイパウダー』と『ビーズパウダー』という二つの粉体が皮脂汚れや毛穴に詰まった古い角質を取り除き、『皮脂コントロールパウダー』が皮脂分泌を抑制・・・」との記載がある。
(5)「日経産業新聞」(1995年2月7日発行、日本経済新聞社)の「・・・毛穴の老廃物を除去、ローションとパック。」欄には、「・・・毛穴に詰まった老廃物を取り除くローションとパック『シーバムクィックオフ』を三月一日発売する。乳酸を配合したローションで肌の角質を柔らかくし、その後にパックを使って老廃物を取り除くしくみ。・・・」との記載がある。
(6)「日経産業新聞」(1997年2月14日発行、日本経済新聞社)の「毛穴の汚れ取るシート、『ソフィーナ』でも発売」欄には、「・・・毛穴の黒ずみや汚れを取り除くシート状のパック『シーバムクレンズ毛穴クリアパック』を三月一日に発売する。」との記載がある。
(7)「読売新聞」(1998年11月13日発行、読売新聞社)の「肌の潤い保つ乳液を追加発売へ・・」欄には、「・・・にきびができた肌のためのスキンケア化粧品『シーバムクリーンアップ』シリーズに、保湿用乳液の『シーバムコンディショナー』を追加し、14日発売する。」との記載がある。
2.上記1.で認定した事実を総合すれば、本願商標中の「シーバム」、「SEBUM」の文字部分は、「皮脂、皮脂腺の脂肪性分泌物」を意味し、化粧品の分野においても「毛穴に詰まった老廃物等の汚れ」などを意味する語として普通に使用されていることが認められる。
また、今日のわが国における英語の普及程度からすれば、「off」が前記1.(1)で認定した意味を有することは、一般によく知られているものということができるし、化粧品を取り扱う分野においても、「シーバム(SEBUM)」の語に「オフ(OFF)」の語を付加し、「毛穴の汚れや黒ずみを取り除く」の意をもって、使用されていることが認められる。
さらに、上記「毛穴の汚れや黒ずみを取り除く商品」中には、「シート状のパック」型の商品も存在することが認められる。
してみると、前記した構成文字よりなる本願商標は、これをその指定商品中、「化粧品」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が「テープ状の毛穴の汚れや黒ずみを取り除く商品」の意味合いを表したと理解するにとどまり、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないというのが相当である。
3.そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品中、「毛穴の汚れや黒ずみを取り除く化粧品」について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものであり、また、前記商品以外の「化粧品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
なお、請求人(出願人)は、審査例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、本願商標の査定時及び審決時において、前記したとおり、「シーバム(SEBUM)」、「シーバムオフ(SEBUM OFF)」などの語が、化粧品を取り扱う分野において、商品の品質を表示するためのものとして使用されている実情からすれば、本件における前記判断が、請求人の挙げた審査例に左右されるものではない。
よって、結論のとおり審決する。
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