Trademark Appeal Case
著名商標の混同判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第9384号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
この商標登録出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成8年5月31日登録出願、第14類「時計,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,宝玉及びその模造品,宝石の原石,記念カップ,記念たて」を指定商品とするものである。
2 原査定における拒絶の理由及び当審においてした審尋(求釈明)の内容
(1)原査定は、商標法第4条第1項第15号該当を理由に本願を拒絶したものである。
(2)当審において、商標法第56条第1項において準用する特許法第150条第1項に基づく証拠調べを行い、本願商標は、なお、原査定の拒絶の理由を免れないものとし、平成13年11月7日付審尋書をもって、改めて、請求人(出願人)に対して、意見書を述べるための期間を指定して、求釈明を行った内容は以下のとおりである。
〈審尋書〉
(ア)「世界の一流品大図鑑ライフカタログVOL.1」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバーニ」が、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されている」こと、及びその経歴等を紹介する内容とともに「ブラウス、セーター、ネクタイ」といった商品の写真が掲載されていること。
(イ)「EUROPE一流ブランドの本(講談社MOOK第2巻)」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」といった商品とともに掲載されていること。
(ウ)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)の、ヴァレンチィーノ ガラヴァーニ[Valentino Garabani、1932]の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジャン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。このころ、イタリアのモードは世界的に有名になりつつあった。彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクンョンは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウィーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウェア・デイリー」各誌紙が取材し、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物もはじめ、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅は大変広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。ヴァレンティーノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションは、デテールでなくそのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。ローマの高級住宅地、アッピア・アンティカに母親とたくさんの犬と暮らしている。仕事でパリとローマを行き来するが、世界中を旅行するなど忙しい日々である。物をつくる人は誰でも波があって、いつも傑作が続くとはかぎらないが、ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近はキモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現し、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」との紹介記事が掲載されていること。
(エ)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊第3頁)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。
(オ)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文字とともに、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ、靴」といった商品が掲載されていること。
(カ)雑誌「non−no」1989年No23号(平成元年12月5日株式会社集英社発行)及び「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が、単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等とともに掲載されていること。
(キ)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)[Valentino Garavani]の項において、「イタリアRomaのデザイナーValentino Garavani(1932)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はValentino(vは小文字でかくこともある)。・・・」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載されていること。
(ク)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載されていること。
(ケ)「岩波=ケンブリッジ世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノGaravani,Valentino通称ヴァレンティノValentino(伊1933)服飾デザイナー・・・・」との紹介記事が掲載されていること。同じく、[ヴァレンティノValentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示があること。
3 当審の判断
本願商標は、別掲に示すとおり、特定の意味合いを看取し難い欧紋章の楯型風図形を上段に配し、それと水平に対峙するように中段に「Michel Valentino」の欧文字を横書きし、さらに、その下段に小さく「ミシェル バレンティーノ」の片仮名文字を横書きした構成よりなるものであり、指定商品については、前記したとおりである。
そして、本願商標についてした上記審尋の内容は妥当であって、本願商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間において広く認識されるに至った、いわゆる著名な「VALENTINO」「Valentino」(ヴァレンティノ)商標(以下「引用商標」という。)を含むものであるから、請求人が、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標を容易に連想・想起し、当該商品が恰も前記デザイナーブランドに係る商品の一種ないし、その兄弟ブランド、ファミリーブランドであるか、あるいは、上記デザイナー若しくは同人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く誤認し、その出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるものといわなければならない。
そして、請求人は、上記審尋に対して所定の期間を経過するも何ら意見を述べていない。
以上によれば、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、同旨の理由により本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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