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Trademark Appeal Case

不使用取消審判の証拠評価

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30870(T2001−30870/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3185912号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3185912号商標(以下「本件商標」という。)は、「JUDITH JACK」の欧文字を横書きしてなり、平成5年8月6日に登録出願、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」を指定商品として、同8年8月30日に設定登録されたものであり、現に有効に存続している。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。

1.本件商標は、その指定商品のいずれについても、継続して3年以上日本国内において、正当な理由なく、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用をしていないものである。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取消されるべきものである。

2.答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、合計13枚のA4の用紙を使用の証拠として提出しているが、これらのA4の用紙には乙号証の番号が一切付されておらず、またこれらのA4用紙の中に原本が冊子になっているものがあるのか、冊子になっているものがあるならばその冊子中のページ順はどのようになっているのか、についても不明である。

さらに、答弁書において、証拠の作成者、作成時期、作成場所等が記載されていない。

よって、請求人は、これらの証拠によって、本件商標について、日本国内における商標権者等による所定期間内の使用が、客観的に証明されているとは到底考えない。

(2)第50条による取消審判にあっては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによる使用が証明されていなければならないところ、答弁書ではその何れによる使用も証明されていない。

まず、商標権者に関しては、請求人が商標権者による使用を証明しようとした様子はない。

また、専用使用権は、登録が効力発生要件であるところ、商標登録原簿に専用使用権の登録はみられない。

さらに、本件商標を使用するに関し、何人かに通常使用権の許諾があったことも証明されていない。

なお、被請求人は、「平成12年のインヴォイス」(乙第3号証)を証拠として提出しているところ、同書面は、アメリカ合衆国ニュージャージー州所在の「NEWYORK COLLECTION INC.」から日本国大阪府所在の「ASCOLI CORPORATION」宛ての請求書であると考えられることから、被請求人は、この書面によって上記「ASCOLI CORPORATION」による何某の使用を証明しようとしたと考えられる。しかし、商標権者が、該「ASCOLI CORPORATION」に、本件商標の使用に関し通常使用権を許諾したことは証明されていない。したがって、仮にこの「Invoice」と思しき書面によって「ASCOLI CORPORATION」による何某の使用が証明されたとしても、その使用は本件とは無関係である。

(3)前記 Invoiceと思しき書面を精査すると、請求書の対象となっている商品は、ブローチを6個、クリップイアリングを6個、リングサイズ7を3個、リングサイズ8を3個、の合計18点のようである。また、請求書の発行者がアメリカ合衆国の法人で宛先が日本の法人であり、請求書の上方に「ship to」とあり下方に「Domestic shipping」とあることから、何某の輸入行為のあったことが伺われる。さらに、請求書の日付は2000年1月5日(又は2000年5月1日)のようでありこれ以外の日付の請求書は提出されていない。

すなわち、この書面によって証明される可能性のあるのは、合計18点というごく少数の商品についてのたった一回の輸入行為である。第50条取消審判は、法で保護すべき業務上の信用の化体しない商標を排除することを趣旨とすることに鑑みれば、本件の如き、ごく少量の商品についてのたった一回の輸入行為を、法上の使用行為であるとすることはできないと考える。

(4)被請求人が証拠として添付した書面のひとつに、株式会社アスコリコーポレーション(以下「アスコリコーポレーション」という。)、株式会社今正、株式会社シンワコーポレーション(以下「シンワコーポレーション」という。)の3社に関する住所、代表取締役、資本金、取引銀行等を、列挙しているものがある。この書面には、「1992年7月 ロン・リッツオ、ヴィクトリア・ヴァルガ、ジュディス・ジャックの日本における独占販売権を取得」と記載されている。

請求人は、後述のとおり、商標「JUDITH JACK」を付したペンダント、ブローチ、イヤリング等の身飾り品に関し、十数年前にニューヨークにおいて取引を開始して現在までその品質管理を行い、世界中に同商標について商標登録出願を行いまた商標権を所有するものである。したがって、請求人が、かかる「ジュディス・ジャックの日本における独占販売権」を他者に与えるべき立場にあると考える。しかしながら、請求人は、被請求人に日本における独占販売権を与えた記憶はない。

したがって、前記書面の「1992年7月 ロン・リッツオ、ヴイクトリア・ヴァルガ、ジュディス・ジャックの日本における独占販売権を取得」との記載は、事実に反する。

(5)被請求人が証拠として添付した書面のひとつに、オウム形の彫像の写真と「Masterpiece in Marcasite/An original sculpture.Sterling Silver with 8,000 handset round and square cut marcasites.Height:27”」「JUDITH JACK/Marcasite Jewelry & Accessories」等の英文字が記載されたものがある。同書の下端に、「JUDITH JACK Jewelry & Accessories・392 Fifth Avenue,New York 10018・Tel.212‐695‐4004・TollFree:1‐800‐431‐0017・Fax:212‐695‐4094」とあるが、これは、請求人のニューヨークの店舗の住所である。すなわち、この書面は請求人の製作にかかるカタログの複写物である。

同書面には、被請求人等、日本における使用者の表示はなんら見あたらず、使用証拠としてなんら機能していない。

(6)被請求人が証拠として添付した書面の中に、「JUDITH JACK」と記載したタグの付されたブローチ2点と指輪1点を複写したと思しきものがある。しかし、この書面は、ブローチや指輪に「JUDITH JACK」と記載したタグは付されているものの、ここに示されたブローチや指輪と、使用を証明すべき主体、使用の時期及び使用の場所との関係が、全く不明であり、この書面も、本件使用証拠としてなんら機能していない。

(7)被請求人が証拠として添付した書面の中に、複数の商品(ネックレス、ブローチ、イヤリング等と思われる。)の写真を添付したものがある。しかし、写真に示されたネックレスやブローチ、イヤリング等と、使用を証明すべき主体、使用の時期及び使用の場所との関係が、全く不明であり、この書面も、本件使用証拠としてなんら機能していない。

(8)請求人及びその前身は、十数年も以前からニューヨークで商標「JUDITH JACK」をブローチ、ネックレス、イヤリング等の身飾り品に関し使用し続けてきた。商標「JUDITH JACK」を付した身飾り品に関して商品の品質管理を行ってきたのは、被請求人ではなく請求人であり、商標「JUDITH JACK」には、請求人の業務に係る商品を表示するものとしての業務上の信用が化体している(1987年の商品カタログ;甲第1号証、1992年の商品カタログ;甲第2号証)。

また、請求人は、アメリカ合衆国において「JUDITH JACK」の語を含む標章に関し、商標登録を所有している(甲第12号証ないし甲第14号証)。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

平成3年10月本町にシンワコーポレーションがアスコリ&スキアビコーポレーション(シンワコーポレーション100%の子会社)の店舗を開店し、平成4年よりジュエリーの輸入をはじめ、それに伴ない、平成5年に本件商標「JUDITH JACK」を出願し、平成8年登録された。

平成6年までは当社のアスコリ&スキアビコーポレーションで販売していたが、その後は、アスコリコーポレーションに店舗をゆずり、現在もアスコリコーポレーションで販売している。

第4 当審の判断

1.本件について、請求人は、答弁書(副本)には、乙号証の番号が一切付されておらず、又、頁順がどのようになっているのかについて不明であるし、証拠の作成者、作成時期、作成場所等が記載されていないものであるから、これらの証拠により、本件商標が日本国内で商標権者等によって、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されているものとはいえない旨主張するので、まずこの点についてみるに、平成13年10月15日付け答弁書(正本)中の「7.証拠方法」によれば、「乙第1号証 アスコリコーポレーションの会社概要、乙第2号証 アスコリコーポレーションとシンワコーポレーションとの関係概要、乙第3号証 平成12年のインヴォイス、乙第4号証 カタログ3部、乙第5号証 商品の写真」の記載が認められ、答弁書に添付された「ASCOLI CORPORATION」の表題の書面(1枚目から7枚目まで)を乙第1号証、「ASCOLI CORPORATION」の表題の書面であって、アスコリコーポレーション、株式会社今正、シンワコーポレーションの3社に関する書面(8枚目)を乙第2号証、「Invoice(Date:5/1/00)」(9枚目)を乙第3号証、カタログ3部(10枚目から12枚目)を乙第4号証、商品写真3葉(13枚目)を乙第5号証とする旨表示があり、以下上記乙号証の表示に従って、本件商標がその指定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用されていたか否かについて検討する。

2.(1)乙第1号証によれば、アスコリコーポレーションは、1994年(平成6年)12月に設立された大阪市中央区南船場3−2−22に所在する、アクセサリー、帽子、ストール等の雑貨輸入卸売業を業種とする法人であり、「JUDITH JACK」ブランドのアクセサリーを取り扱っていることが認められる。ただし、乙第1号証の発行日は不明である。

(2)乙第2号証によれば、大阪市中央区南本町2丁目4番3号所在のアスコリコーポレーションは、被請求人であるシンワコーポレーション、株式会社今正のバックアップにより設立された会社であり、その前身会社が1992年7月に「ロン・リッツォ、ヴィクトリア・ヴァルガ、ジュディス・ジャックの日本における独占販売権を取得。」したことが認められる。ただし、乙第2号証の発行日は不明である。

(3)乙第3号証は、インヴォイスと認められるところ、これによれば、「Imasho Bldg.4F 3−2−5 Minami Kyuhoji−Machi Minami−ku,Osaka」所在の「ASCOLI CORPORATION」は、「6 Bristol Court Alpine,NJ」所在の「NEW YORK COLLECTION INC.」から、製品名を「Fashion Jewelry/Jedith Jack」とし、「品番『MB2216CR』の『Brooch』を6個、品番『ME9935CR/CL』の『Clip earrings』を6個、品番『MR1679CR−7』の『Ring Size 7』を3個、品番『MR1679CR−8』の『Ring Size 8』を3個」を内容とする2000年(平成12年)5月1日付け(インヴォイスの空欄に手書きで「タグ、写真 済 5/15」との記載があるところから、インヴォイスの日付は上記のように判断するのが相当である。)のインヴォイスを受け取ったことが認められる。

(4)乙第4号証は、「カタログ3部」と認められるところ、その1枚目は、日本語で書されたジュディス・ジャックのデザインに係るアクセサリーの紹介に関する一枚刷りであり、同2枚目は、英語で書された「JUDITH JACK Jewelry & Accessories・392 Fifth Avenue,New York 10018・Tel.212‐695‐4004・TollFree:1‐800‐431‐0017・Fax:212‐695‐4094」が作成したと認められる「JUDITH JACK Marcasite Jewelry & Accessories」に関する一枚刷り、同3枚目は、「JUDITH JACK」のタグを付したブローチ、イヤリング、指輪の写真をコピーしたものであって、商品の上段に乙第3号証の「Item」欄に表示された品番に対応する形で、「MB2216CR」、「ME9935CR/CL」、「MR1679CR」との手書き文字が記載された一枚刷りであることが認められる。ただし、いずれの一枚刷りもその発行者、発行日、使用者などは不明である。

(5)乙第5号証は、アクセサリーと思しき商品が「01 10 10」(2001年10月10日)に撮影された写真と認められるが、その撮影者、撮影場所、商品に付されたタグの表示、通常使用権者との関係等については不明である。

3.上記2.で認定した乙各号証によれば、「Imasho Bldg.4F 3−2−5 Minami Kyuhoji−Machi Minami−ku,Osaka」所在の「ASCOLI CORPORATION」は、2000年(平成12年)5月1日ころ、アメリカ合衆国ニュージャージー州に所在の「NEW YORK COLLECTION INC.」からブローチ6点、イヤリング6点及び指輪6点を輸入したことは認めることができるが、上記「ASCOLI CORPORATION」は、その住所が乙第1号証及び乙第2号証のいずれの住所とも異なり、インヴォイスに表示された「ASCOLI CORPORATION」が被請求人がいうところの通常使用権者であるのか明らかではない。

また、乙第4号証は、「カタログ3部」であるところ、いずれのカタログも前記認定のとおり、その発行者、発行日、使用者などは不明であるところから、カタログ3部の相互の関連性を見出し難く、乙第4号証の商品カタログの1部に、乙第3号証の「Item」欄に表示された品番に対応するように手書きで書き足されたような表示が存在するとしても、「ASCOLI CORPORATION」が輸入した商品と同一のものと認めることは困難であるといわざるを得ないし、さらに、通常使用権者の取扱いに係るものとも認め難い。

そして、被請求人は、前記請求人の「答弁に対する弁駁」に対し、何ら答弁するところがない。

4.以上によれば、乙第1号証ないし乙第5号証をもっては、被請求人は、本件商標の通常使用権者であるとするアスコリコーポレーションが、本件審判の請求の登録(平成13年9月5日)前3年以内に日本国内において、本件商標をその指定商品について使用していたことを証明していないのみならず、本件商標をその指定商品について使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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