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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31194号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1852336号商標(以下「本件商標」という。)は、「YELLOW SUBMARINE」の欧文字を横書きしてなり、昭和58年8月22日に登録出願、第24類「おもちや、人形、運動具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同61年4月23日に登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、商標登録1852336号の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べた。

1 請求の理由

請求人が調査した結果では、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、その指定商品のいずれについて使用されている事実を見出すことができない。

したがって、本件商標登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)埼玉県大宮市日進町3丁目725番3号の株式会社ホビーベースイエローサブマリンが本件登録に関し正当な通常使用権者なのかどうか不明である。

(2)登録商標の使用説明書(2)及び同(3)をみるに、添付されている資料は商品カタログ(’97モデル総力タログ)及び商品カタログ(’98モデル総力夕ログ)であり、平成9年10月15日、平成10年5月11日に埼玉県岩槻市本町1−17−13株式会社ジャムデザインによって、それぞれ作成されたものと記載されているが、これを証明するものは何も添付されていないので、これらの資料は証拠として信憑性を欠くものといわざるを得ないものであるが、内容を見るに単に広告主としての社名を散見し得るとしても、これが商品との関係でどうのというものではないので、商標としての使用という観点からして極めてあいまいなものといわざるを得ない。

(3)登録商標の使用説明書(4)、同(5)、同(6)、同(7)に添付されている資料はいずれも雑誌に掲載された広告ページであって、「(株)イエローサブマリン」「イエローサブマリン」「Yellow Submarine」の文字を散見することができるものであるが、これらはいずれも会社名を表示したにすぎないものである。特にローマ字の「Yellow Submarine」については「HOBBY BASE」を付記してなるから会社名を表示しているものであること、「正社員募集・ゲーム取扱店のファイトあるスタッフを募集しています。」の記載に鑑みて前記「(株)イエローサブマリン」「イエローサブマリン」「Yello w Submarine」は,記載されている商品類の取扱い・販売店名を表示しているにすぎないもので、個々の取扱い商品の商標として表示されているものではないから、本件商標の使用の事実を証明するものとしては当を得ないものである。

(4)答弁書と共に提出された証拠資料類は具体的説明を欠き、かつ証明されていないもので、これらを見ても、本件商標の使用については憶測するしかできない。商標法第50条の法意とするところは、登録商標が使用されている事実が仮にあったとしても使用の証明がされないときは登録の取消しを免れないという原則的な規定であると思料するところ、答弁書に述べられている被請求人陳述及び提出された証拠をもっては、本件商標が実際に商標権者等によって使用されたという事実を立証するには十分とはいえず、これをもって前記の被請求人の証明義務を果たしているとは思えない。

(5)答弁理由および証拠をもって本件商標が被請求人の通常使用権者によって本件審判請求の登録日前3年間に使用されたという事実を認定することはできないものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第18号証及び検乙第1号証を提出した。

1 答弁の理由

被請求人は、本件商標を埼玉県大宮市日進町3丁目725番3号の株式会社ホビーベースイエローサブマリンを通常使用権者として使用許諾しているものであり、株式会社ホビーベースイエローサブマリンは本件商標を本件審判の予告登録日である平成11年9月22日以前より、日本国内において商品「人形」、「プラスチック製おもちゃ」、「カードゲーム」に使用しているものである。

提出した乙第1号証ないし乙第12号証の1及び検乙第1号証により、本件商標が本件審判の予告登録日以前より、日本国内において商品「人形」、「プラスチック製おもちゃ」、「カードゲーム」に使用された事実は明白である。

2 弁駁に対する答弁

被請求人は株式会社ホビ−ベースイエローサブマリンが通常使用権者であることの立証を行うものとする。

まず、被請求人田中昇が埼玉県大宮市日進町3丁目725番3号の株式会社ホビーベースイエローサブマリンに本件商標権の使用許諾を行っていることを自認する本人の陳述書を乙第15号証として提出すると共に、被請求人は上記の株式会社ホビーベースイエローサブマリンの代表取締役であることを示す乙第16号証の登記簿謄本を提出する。

また、平成6年1月11日に弁理士神保欣正を代理人として行われた件外株式会社オリオンから被請求人への本件商標権の移転登録申請費用を株式会社ホビーベースイエローサブマリンが負担している事実を示す請求書及び送金記録を乙第17号証及び乙第18号証として提出する。

わが国における中小企業の現実において、代表者個人が会社に代わり工業所有権を保持してその使用許諾を会社に行っている事例が多いことは特許庁においても顕著な事実である。本件の場合もその例外でなく、事実、乙第17号証及び乙第18号証に示すように本件商標権の取得の費用は会社が負担している。

このような経験則に従えば、乙第15号証における田中昇の陳述内容は十分信憑性を有するものであり、心証を形成するに値する証明力のあるものと思料する。

第4 当審の判断

1 請求人は、被請求人が提出した登録商標の使用説明書(2)及び同(3)に添付されている商品カタログ(’97モデル総力タログ及び’98モデル総力夕ログ)は、証拠として信憑性を欠くものと主張するが、上記の商品カタログに特別に不審とすべきところは見あたらないから、この点の請求人の主張は採用できない。

2 そして上記の商品カタログ及び被請求人が提出した登録商標の使用説明書(4)、同(5)、同(6)、同(7)に添付されている資料(「Hobby JAPAN」1998年1月号 1998年1月1日株式会社ホビージャパン発行、「月刊モデルグラフィックス」1999年2月号 株式会社大日本絵画発行、「フィギュア王」平成11年6月30日 株式会社ワールドフォトプレス発行、「電撃HOBBY MAGAZINE」7月号 メディアワークス発行)、乙第2号証、乙第3号証、乙第13号証、乙第14号証及び主張の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(1)本部住所を埼玉県大宮市日進町3丁目725番3号とする株式会社ホビーベースイエローサブマリン(以下「本部サブマリン」という。)は、大宮市、戸田市、柏市、東京都新宿区、渋谷区、千葉市、札幌市、横浜市、大阪市、川崎市などに系列の販売店舗を有し、おもちゃ、人形、模型などを販売している事実。

(2)本部サブマリンは、本件審判の請求の登録(平成11年9月22日予告登録)前3年以内に自己の販売するプラスチック製おもちゃ及び人形を掲載した商品カタログを作成し、また、雑誌(「Hobby JAPAN」1998年1月号 1998年1月1日株式会社ホビージャパン発行)に自己の販売するプラスチック製おもちゃ及び人形を紹介する宣伝広告を掲載した事実。

(3)被請求人が提出した登録商標の使用説明書(5)、同(6)、同(7)に添付されている資料(「月刊モデルグラフィックス」1999年2月号 株式会社大日本絵画発行、「フィギュア王」平成11年6月30日株式会社ワールドフォトプレス発行、「電撃HOBBY MAGAZINE」7月号 1999年7月1日メディアワークス発行)である雑誌には、本部サブマリンの系列の販売店舗の名称、住所、電話番号などを示して、これら販売店舗で扱っているプラスチック製おもちゃ及び人形を紹介する宣伝広告が掲載された事実。

(4)上記の商品カタログ及び各雑誌における宣伝広告中には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されている事実。

この点について請求人は、上記各雑誌における宣伝広告中には「(株)イエローサブマリン」「イエローサブマリン」「Yellow Submarine」の文字を散見することができるが、これらはいずれも会社名を表示したにすぎないものであり、取扱い商品の商標として表示されているものではないから、これをもって本件商標の使用の事実を証明できるものでない旨主張している。

しかしながら、上記の商品カタログ及び各雑誌における宣伝広告中には「Yellow Submarine」の文字が表示されており、これには「HOBBY BASE」の文字が付加されているが、この文字は、「Yellow Submarine」の文字よりはるかに小さい文字で、かつ、これとは異なる書体をもって表されている目立たないものであるため、「Yellow Submarine」の文字の印象が圧倒的に強いものであって、この文字が独立した標識部分として看取されるものといえる。加えて、いずれの「Yellow Submarine」の文字にも、これに近接して潜水艦らしき図形が表されており、この図形との関係においても「黄色い潜水艦」の意が直ちに認識されるものである。

そうしてみると、上記の商品カタログ及び各雑誌における宣伝広告中の「Yellow Submarine」の文字は、本件商標と同じ綴りの欧文字よりなり、同一の観念「黄色い潜水艦」を生ずるものであって、前記認定のとおり本件商標と社会通念上同一の商標と認められるから、これを会社名を表示するにすぎないものとする請求人の主張は採用できない。

3 上記の商品カタログ及び各雑誌における宣伝広告中の「Yellow Submarine」の文字は、その表示形態及び表示位置からみて、これらに掲載されているプラスチック製おもちゃ及び人形について使用の商標であることは明らかといえる。

4 また、上記の商品カタログ及び被請求人が提出した登録商標の使用説明書に添付されている資料(「Hobby JAPAN」1998年1月号 1998年1月1日株式会社ホビージャパン発行)、乙第2号証、乙第3号証、乙第13号証ないし乙第16号証及び主張の全趣旨によれば、本部サブマリンは、本件商標の商標権者の許諾を得て通常使用権者として本件商標を使用してきたものと認められる。

5 以上によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に通常使用権者が、日本国内において本件商標をその指定商品中の「プラスチック製おもちゃ及び人形」に使用したものであるから、商標法第50条の規定により、本件商標の登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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