結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35713(T2000−35713/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4137700商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示したとおりの構成よりなり、平成8年9月6日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成10年4月17日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第518500号の2商標(以下「引用A商標という。)は、昭和31年3月13日に登録出願、同33年4月15日に設定登録された商標登録第518500号商標権について、昭和52年12月14日付けの分割移転の登録により商標登録第518500号の2商標権に分割された商標権に係る商標であって、別掲2に示したとおりの構成よりなり、第2類「化粧用染料、化粧用顔料」を指定商品とするものである。その後、昭和54年2月5日、昭和63年4月20日及び平成9年12月24日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。同じく登録第1472087号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲3に示したとおりの構成よりなり、昭和50年6月24日に登録出願、第4類「歯みがき、化粧品、香料類(ただし薫料を除く)」を指定商品として、同56年7月31日に設定登録、その後、平成3年10月29日及び平成13年6月26日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。同じく登録第1720181号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲4に示したとおりの構成よりなり、昭和55年12月26日に登録出願、第4類「歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、同59年10月31日に設定登録、その後、平成6年9月29日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。以下、これらの登録商標を一括していう場合は「引用各商標」という。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第4号証(枝番を含む。)を提出している。
本件商標の構成は、黒塗りの横長長方形内に「SPORT」の文字を左横書きにて表し、当該長方形の上部に籠字で書した「7」と「K」を図案化して表したものとみられる図形を配し、また、当該長方形の下部には「7 KZ」の文字を左横書きにて配してなるものである。
しかして、本件商標における「SPORT」の文字は、黒塗りの地に白抜きというこの文字を印象づける上で視覚的効果の極めて高い手法で表されているうえに、その存する部位も、看者の注意をひき易いといえる中心部である。
そうすると、この「SPORT」の文字は、独立して看者の注意をひき、かつ、自他商品の識別標識たり得るものというべきであり、これがその構成中の他の文字及び図形或いはこれらの一部と一体不可分のものとして把握されるものとみるのを相当とする特段の事情は見出せない。
一方、引用各商標は、それぞれの構成からみて、これらにおける「SPORTS」「Sports」或いは「スポーツ」の文字も独立して看る者の注意をひき、かつ、自他商品の識別標識たり得るものというべきである。
ところで、化粧品業界において、肌に有害な紫外線から肌を護る日焼け防止用の化粧品や汗をかいても化粧くずれをしない化粧品が取引されているが、専らスポーツをする際に用いられる化粧品、すなわち、スポーツをする際のみに使用されるという固有の品質を有する化粧品が取引されているといった事情は見出せない。
したがつて、「SPORT」「SPORTS」(スポーツ)の文字は、化粧品との関係において、自他商品の識別標識として機能し得るものというべきである。
また、スポーツと「香料類,歯磨き」といった商品の品質、用途等の間には、なんらの具体的、直接的な関係はないから、「SPORT」「SPORTS」(スポーツ)の文字が、これら商品の自他商品の識別標識として機能するものであることは、明らかである。
そうすると、取引者、需要者が本件商標及び引用各商標のいずれの商標に接した場合でも、取引者、需要者は、それぞれの構成中「スポーツ」の語義で今や日本語同様に親しまれている前者における「SPORT」、後者における「SPORTS」「スポーツ」「Sports」の文字部分に強く注意をひかれ、これらより生ずる「スポーツ」の称呼、観念によって取引に当る場合も少なからずあるとみるのが、取引者、需要者が取引の際に、商標中の親しみ易い部分(文字又は図形)を捉え、これより生ずる称呼、観念によって取引に当る場合も決して少なくない取引の経験則に照らして相当である。 してみれは、本件商標と引用各商標は、いずれも「スポーツ」の称呼及び観念を生ずるものというべきである。
また、本件商標の指定商品のうちの「香料類,化粧品,歯磨き」と引用各商標の指定商品が、同一又は類似のものであることは明らかである。
以上により、本件商標は、引用各商標とその称呼及び観念を同じくする類似のものであって、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品である「香料類,化粧品,歯磨き」について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
したがって、その指定商品中の「香料類,化粧品,歯磨き」に係る本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものといわざるを得ないから、商標法第46条の規定により、無効とされるべきである。
被請求人は、前記請求人の主張に対して、何ら答弁、応答するところがない。
(1)本件商標は、別掲1に示すとおり、黒塗りの横長長方形内に「SPORT」の文字を白抜きで表し、該長方形の上部に、図案化した「7」の文字、及び、四角形の図形から右辺を底辺とする三角形部を切り欠いた黒塗りの図形を配し、また、該長方形の下部に、「7 KZ」の文字をそれぞれ配してなるものである。
上記本件商標の構成よりすると、「SPORT」の文字は、その中心部に黒地に白抜きで表されていて、一見して看者の注意をひき強い印象をもって認識されるものと認められ、該「SPORT」の文字が他の構成中の文字或いは図形と一体不可分のものとして把握されるとみるべき特段の事情は見出せないものである。
そして、化粧品、香料類或いは歯磨きを取り扱う業界において、専らスポーツをする際に用いられる商品が取り引きされているなど、「sport(sports、スポーツ)」の語が商品の品質、用途等を具体的に表すものとして普通に使用されているという事実は見出すことができないから、本件商標中の「SPORT」の文字は、自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者、需要者は、その構成中の「SPORT」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼、観念をもって取引にあたる場合も少なからずあるというべきであるから、本件商標は、該構成文字に相応して「スポーツ」の称呼、観念を生ずるものといわなければならない。
これに対し、引用A商標は、別掲2に示すとおり、「SPORTS」の文字を横書きし、その下部に、スポーツをする人物の図形を表したものであって、全体の構成より「スポーツ」の称呼、観念を生ずるものと認められる。 また、引用C商標は、別掲4に示すとおり、「Sports Beauty」の文字よりなるものであって、「Sports」と「Beauty」の両文字は、半文字程度の間隔を有し、「Beauty」の文字においては、第1文字のみが大文字で表されていることより、視覚上これら両文字よりなるものと看取されるものである。そして、後半部の「Beauty」の文字は、「美しさ、美」を意味する平易な英単語であって、化粧品、石鹸など引用C商標の指定商品との関係よりすると、この文字自体では自他商品の識別力を有しないか、又は、その識別力の極めて弱い部分であるというべきであり、かつ、「Sports Beauty」の文字より格別の観念を生ずるなど、構成全体をもって一体不可分のものとして把握されるとみるべき特段の事情は見出せないものであるから、引用C商標に接した取引者、需要者は、構成中の「Sports」の文字部分を識別標識としての主要な部分と捉え、これより生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないものと認められる。したがって、引用C商標は、該文字部分に相応して「スポーツ」の称呼、観念をも生ずるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、引用A商標及び引用C商標と「スポーツ」の称呼、観念を共通にする類似の商標であるといわなければならず、その指定商品中「香料類,化粧品,歯磨き」については引用A商標及び引用C商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
したがって、引用B商標について述べるまでもなく、本件商標は、その指定商品中「香料類,化粧品,歯磨き」については商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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