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Trademark Appeal Case

POLO著名性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第6895号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2547305号商標の登録を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2547305号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示すとおり「U.S.POLO」及び「ユーエスポロ」の文字よりなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として昭和63年10月28日に登録出願され、平成5年6月30日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第8号証(枝番を含む。)を提出している。

(1)本件商標に含まれる「POLO」の文字は、請求人が本件商標の出願前にアパレル、眼鏡、その他ファッション商品について使用している著名商標である。

この事実は特許庁の審査例、異議決定例及び東京高等裁判所の判決例が示すところである。

(2)近時のファッション業界では、イヴ・サンローランやフェラガモ等のいわゆるブランドオーナーが、ブランドの著名性を武器に本来の商品以外のアパレル関連商品へと販売戦略を展開している実情にある。

そうすると、著名なデザイナーでありブランドオーナーでもあるラルフ・ローレンのデザインした商品を表彰する「POLO」の商標と同一の文字を一部に有する本件商標を、アパレル関連商品である本件指定商品の市場で使用する場合には、請求人の販売に係る商品と誤認し商品の出所の混同を生ずるおそれがあり、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)本件は、出願審査において商標登録異議申立てを受けたものであるが、異議決定において、「本願商標は、『U.S.POLO/ユーエスポロ』の文字を同書・同大でまとまりよく一体的に表現され、これより生ずる称呼も左程冗長なものとはいえず、よどみなく一連・一体にのみ称呼し観念されるとみるべきであり『POLO/ポロ』の文字を分離して認識しなければならない特別の理由はない。そうしてみると、(中略)「U.S.POLO」(ユーエスポロ)と一連・一体にのみ認識される本願商標をその指定商品に使用しても、著名な略称を含むとの認識は勿論、申立人会社および関連会社の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第8号、同第15号に該当しない。」と判断されて、本件商標は登録されたものである。

(2)本件商標「U.S.POLO/ユーエスポロ」は、「アメリカ合衆国ポロ協会」の名称に由来する商標であるので、その意味が理解できないように分離された称呼・観念をもって取引に資されることはなく、常に一連・一体にのみ称呼・観念されるものである。特に、本件商標の「ポロ」は「ポロ競技」に由来するものであり、本件商標「U.S.POLO/ユーエスポロ」を「ポロ」とのみ略称したのでは、競技名の一般名称となり何ら意味を持たないものとなってしまうのである。

なお、審判請求人は、「U.S.」は米国製の産地表示であると主張しているが、本件商標の構成態様から、「U.S.」と「POLO」を分離すべき理由は全く存在しないものであり、また、その必然性も全くないものである。

(3)さらに、審判請求人は、「『Polo(ポロ)』の語は、アメリカのトップデザイナー『ラルフ・ローレン』のデザインに係る紳士服、ネクタイ、眼鏡等を表示するためのものとして取引者、需要者の間に広く知られていた。」と主張する。

しかし、「Polo」と言えば請求人だけを指称するものでないことは、請求人の提出した甲第5号証においても、他に3件の「Polo」商標が紹介されていることからも、また、請求人の「Polo」は主として「Polo by Ralph Lauren」として紹介されている事実からも明らかである。

(4)ポロ関連の商標は、商標権者以外にも多数の者によって使用されている(乙第2号証)。これらの商標は、商標登録を受けているものを多数含んでいる。

取引の実際においても、それぞれのポロ関連商標として充分に需要者・取引者に認識され、区別されているものであり、米国においても、日本の市場でも、商標権者の商品がポロ/ローレン社の業務に係る商品と混同を生じている事例は全くなく、その販売実績と流通量から考えて、出所の混同を生ずる商標でないことは需要者の動向及び市場の反応からも明らかである。

(5)上述のとおり、本件商標は、審判請求人の商標と類似するものではなく、具体的出所混同は実在せず、またその可能性はないので、商標法第4条第1項第15号の規定に該当するものではない。

4 当審の判断

(1)「POLO」の商標の著名性について

甲第4号証(「判例時報」判例時報社平成4年1月11日号)及び甲第5号証(「英和商品名辞典」株式会社研究社1991年発行)によれば、「POLO」の語は、アメリカのトップデザイナー「ラルフ・ローレン」のデザインに係る被服、眼鏡等を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、我が国においても、前記商品の取引者、需要者の間に広く知られていたことが認められ、請求人が「アパレル、眼鏡」等に使用する商標「POLO」(以下「引用商標」という。)が、本件商標の出願前から著名性を有していることについては当事者間に争いが無い。

(2)出所の混同のおそれについて

本件商標は「U.S.POLO」及び「ユーエスポロ」の文字を上下二段に表して成るものであるところ、これが一連一体に表されてなるものであるとしても、引用商標「POLO」がアパレル(被服)、眼鏡等に使用されて周知、著名な商標に至っているものであるから、具体的取引の実情の下において、すなわち、他人の引用商標「POLO」が著名となっている事実を踏まえて、本件商標を観察する必要がある。また、引用商標「POLO」が使用されているアパレル(被服)、眼鏡等と本件審判請求に係る指定商品についても同様であって、被服、装身具からかばん類まで一人のデザナーによるデザインなどによるトータルファッションが確立され、同一の商標の下にこれらの商品を製造し、販売して需要者の嗜好に応じている実情がある一方で、被服において周知、著名性を獲得した商標が、順次、装身具、かばん類等にまで使用の範囲を拡大する傾向は顕著である。そして、これらの商品は、ファッション関連商品ということができ、そこで使用される前記の商標は同一の出所を表示するものと認識されるものであり、引用商標もその一つと認められる。

そうすると、本件商標は、「U.S.POLO」及び「ユーエスポロ」と表してなるものではあるところ、「U.S.」「ユーエス」と「POLO」「ポロ」とをそれぞれ結合したものと容易に理解され、被請求人の述べる「アメリカ合衆国ポロ協会」の意味合いも特に知られたものではないから、常に一体不可分のものとみられる事情はないものと認められる。また、引用商標の使用商品「アパレル(被服)、眼鏡」等と本件審判請求に係る指定商品「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」とは、先に述べたファッション関連商品と呼ばれるものの範囲にあるものである。

してみれば、本件商標は、本件審判請求に係る指定商品「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」に使用したときは、他人の著名商標と同一構成からなる「POLO」及びその片仮名表示「ポロ」の部分が特に印象付けられ、「POLO」及び「ポロ」の文字に着目されて取引に供される場合も少なくないと言うべきである。

したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用したときは、引用商標を想起ないしは連想し、請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあると判断するのが相当である。

(3)被請求人の主張について

被請求人が主張、立証するように、「POLO」を含む登録が多数あることは確かである。しかしながら、その一方で、登録異議決定例として「OLD POLOSTORY」「オールドポロストーリー」(旧第17類、本件の原審において、登録異議申立人(請求人)の提出した甲第6号証)、審決例として「PoLo Club」(旧第23類、甲第2号証)、また、判決例として「PoLo Club」(旧第23類 甲第39号証)の各商標に係る事案があり、そこではいずれも本件請求人又は同請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くその出所について混同を生ずるおそれがあると判断されて、商標法第4条第1項第15号が適用されたものである。また、最近の東京高裁の判決例においても、他人の著名商標を含む構成に係る商標の事案として、著名商標「セゾン」を引用した商標、「ギフトセゾン」に係る事案(東京高裁平成8年(行ケ)第202号 同10年3月31日判決)及び著名商標「VOGUE」を引用した商標「NOELVOGUE」に係る事案(東京高裁平成9年(行ケ)第278号 同10年9月29日判決)については審決を取り消して、また、著名商標「スーパーセブン」を引用した「スーパー7バーキン」に係る事案(東京高裁平成10年(行ケ)第335号 同11年5月19日判決)については審決を維持して、いずれも出所の混同のおそれがあるとして、商標法第4条第1項第15号が適用されている。

してみれば、前記に被請求人が挙げる登録例の存在のみでは、先の認定判断を左右することが出来ないと言うべきであり、被請求人の主張は採用できない。

5 結論

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものであるから、その登録は無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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