結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2000−90246(T2000−90246/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4335800号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年7月27日に登録出願、「ミニフルート」の文字を横書きしてなり、第16類「紙類,紙製包装用容器」を指定商品として、平成11年11月19日に設定登録されたものである。
本件商標は、「小さい、細い」の意味を有する外来語の「ミニ」と、紙及び紙製品の業界では段ボール紙の「段」を表す用語として普通に使用されている「フルート」とを結合したにすぎない。しかも、「ミニフルート」の語は、この業界において、Eフルート、Fフルートなどの段山の細かいものを示す語として普通に使用されている。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中「段ボール紙、段ボール紙製包装用容器」に使用するときは、単に商品の質を表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、これを「段ボール紙、段ボール紙製包装用容器」以外の指定商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
本件商標を構成する前半部の「ミニ」の語は、「小さい、細い」等を意味する語として日本語化して使用されており、また、後半部の「フルート」の語は、段ボール紙を取り扱う業界において、段ボール紙の段の一種を表す語として普通に使用されているところである。さらに、これらを一連に書してなる「ミニフルート」の語も「比較的細かい段ボール紙」を表す語として使用されている事実を登録異議申立人(以下「申立人」という。)提出の甲各号証によって窺い知ることができるものである。
してみれば、「ミニフルート」の文字を書してなる本件商標を、その指定商品中「細かい段の段ボール紙及びそれを使用して作った段ボール箱」について使用しても、単にその商品の品質・形状等を表示するにすぎず、また、上記以外の「段ボール紙及び紙製包装用容器」について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
現在、段ボール業界においては、「ミニフルート」という段形の規格は存在していない。少なくとも、段ボール業界において、「ミニフルート」が商品の品質や規格を示すものとして普通に用いられている事実は存在していない。
甲第1号証及び甲第2号証は、「ミニフルート市場」、「ミニフルート技術」と言っているのみであり、これらから「ミニフルート」が商品の品質や規格を示すものとして普通に用いられているとするのは無理である。
また、甲第3号証も、「日本でもE段よりもさらに低い『ミニ段』といわれる段がでてきた。」ことを示すのみであり、これから「ミニフルート」が商品の品質や規格を示すものとして普通に用いられているとするのも困難である。仮に、「ミニフルート」が段ボールの品質、形状や規格を示すものとして普通に用いられているのであれば、「C段(Cフル一ト)」、「E段(Eフルート)」等と同列に扱われて説明されて然るべきである。
乙第1号証に示すように、「段ボール実務知識 第6版」の該当箇所には、A段、B段、C段、E段についての説明はあるが、「ミニ段」については、甲第3号証に示す記載があるのみである。
したがって、「段ボール実務知識」等のような段ボール紙を扱う当業者にとって基礎的な知識を掲載した書籍にも関わらず、「ミニフルート」について明確、かつ、十分な説明がなされていないのは、「ミニフルート」が段ボールの品質、形状や規格を示すものとして普通に採択、使用されている事実はないことによるものである。
よって、本件商標は、「小さいフルート」、「小さい段」等の観念は生じる可能性はあるが、その程度の観念しか生じない造語であり、本件商標は、自他商品の識別力を有するものである。
申立人の提出に係る甲第1号証(「週間包装ニュース」平成10年4月4日 包装ニュース社発行)の記事中に「米国段ボール市場は、段山が薄いE、F段などのミニフルート市場が活性化している。・・・」との記載があり、甲第2号証(「週間包装ニュース」平成10年8月15日 包装ニュース社発行)の記事中に「欧米ではE、F、Gのミニフルート市場が最近急成長を遂げており・・・」との記載があることが認められる。
また、甲第3号証(「段ボール実務知識 第6版」平成6年12月3日 (有)日刊板紙段ボール新聞社発行)87頁には「日本でもE段よりさらに低い「ミニ段」といわれる段ができたが・・・」と記載されている。
さらに、甲第11号証によれば、「包装タイムス」の1996年(平成8年)8月26日号に「−オカモト− 4社協同で紙製農産用被覆材を開発 古紙100%使用でFフルート構造 収穫後は粉砕し、土壌に還元」との見出しの記事が掲載された事実を推認できる。
また、甲第5号証ないし甲第21号証によれば、ダンボール(紙)については、その業界において波形に成形した中芯の形状を段またはフルートと称し、その規格に基づきAフルート、Bフルート、Cフルート、Eフルート,Fフルート等とダンボールを区分けしている事実が認められ、Eフルートの規格の段ボールは単位あたりの段(フルート)の数がAフルート、Bフルート、Cフルートのものよりも多く、段が細かいもので、段の高さが低く、したがって紙厚の薄い段ボールであるが、Fフルートのものは、更に段が細かく紙厚もより薄いものと認められる。
そうしてみると、「ミニフルート」及びこれと同義の「ミニ段」の語は、我が国の段ボール紙及び紙製包装用容器の業界においてもEフルート,Fフルート等の段の細かい、したがって紙厚の薄い段ボール紙を示す用語として普通に使用され、その意味の語として取引者、需要者に理解されているものと認められる。
してみれば、本件商標をその指定商品中「細かい段の段ボール紙及びそれを使用した段ボール箱」について使用しても、単に、その商品の品質を表示するものといわざるを得ない。また、前記以外の「段ボール紙及び紙製包装用容器」について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標の指定商品中「段ボール紙及び紙製包装用容器」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して商標登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきである。
しかしながら、その余の指定商品については、本件商標を使用しても、その商品の品質につき誤認を生ずるおそれがあるとすべき相当の理由は見当たらないから、同法第4条第1項第16号に違反して商標登録されたものでなく、したがって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その商標登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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