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CITI商標の称呼一体性と著名性

審判番号
異議2002−90014(T2002−90014/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

結論テキスト

登録第4512001号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4512001号商標(以下「本件商標」という。)は、標準文字により「CITICRUISER」の文字を書してなり、2000年3月10に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)へ行った出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して平成12年6月16日に登録出願され、第38類、第39類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成13年10月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)本件商標は、その構成上、登録異議申立人である「CITICORP」(以下「申立人」という。)又は「CITIBANK」の著名な略称、ひいてはその企業グループ「CITI Group」の著名な略称である「CITI」を語頭に、しかも、顕著に含む商標であるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(2)世界的な著名商標である「CITI」を語幹とする「CITICORP」、「CITIBANK」、「CITI Group」等の商標(以下「引用商標」という。)と類似するというべき本件商標が指定役務に使用された場合には、需要者は、「CITIBANK」あるいは「CITI Group」と何等かの関係がある者の業務に係る役務であるかのごとく誤認し、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるといわざるをえないから、本件商標は同法第4条第1項第15号に該当する。

(3)本件商標は客観的には取引上の信義則に反する目的で使用する意図の下になされた出願であると考えざるをえないから、同法第4条第1項第19号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、前記のとおり「CITICRUISER」の文字よりなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で表されていて、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであって、これより生ずると認められる「シティクルーザー」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであることより、「CITI」の文字部分のみが独立した標識部分として認識され得ないというべきであるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。

そして、引用商標が、申立人の業務に係る役務「金融・保険サービス」の商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、本件商標の指定役務と前記役務とは、役務の提供が必ずしも同一業者によって行われるものではないことより、両者は、役務の内容、提供者を異にするものといわざるを得ないものであり、また、本件商標は、前記のとおり、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものといえるから、本件商標をその指定役務に使用した場合、引用商標を連想又は想起するとは認められず、その役務が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれのないものである。

(2)申立人の提出に係る証拠によれば、申立人が「シティ」と単独で表記されていることもあるが、多くは見出しにおいてであり、その記事本文においては、「シティバンク」ないし「米シティバンク」等と表記されている場合が多いことが認められる。

してみれば、「CITI」あるいは「シティ」が、申立人の略称として本件商標の登録出願時に、我が国において広く認識されていたものと認めることはできないから、本件商標は、申立人の著名な略称を含む商標に該当するものとは認められない。

(3)本件商標は、その出願の段階において不正の目的があったと推認し得る証左も見出せない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではない。

よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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