Trademark Appeal Case
異体字の称呼と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90091(T2002−90091/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4521650号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲の1に示したとおりの構成よりなり、平成12年12月6日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年11月16日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)申立ての理由
本件商標は、登録異議申立て1の登録異議申立人(以下、「申立て1の申立人」という。)の引用に係る、以下の(2)に示した商標(以下、これらを一括して「引用A商標」という。)と「ワニ」の称呼、観念において類似する商標であり、指定商品も互いに抵触するものである。また、引用A商標及び登録異議申立て2の登録異議申立人(以下、「申立て2の申立人」という。)の引用に係る、以下の(3)に示した商標(以下「引用B商標」という。)は、需要者の間に広く認識されているものであるから、本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。以下、申立て1の申立人及び申立て2の申立人を総称する場合は、単に「申立人」という。
(2)申立て1の申立人の引用に係る商標(引用A商標)
ア 登録第 571612号商標
商標の構成 別掲の2に示すとおり
設定登録時の指定商品及び書換登録の指定商品
商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和34年4月27日
設定登録日 昭和36年5月1日
指定商品の書換登録日
平成14年6月12日
イ 登録第2372007号商標
商標の構成 別掲の3に示すとおり
設定登録時の指定商品及び書換登録の指定商品
商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和44年8月19日
設定登録日 平成4年1月31日
指定商品の書換登録日
平成14年7月10日
ウ 登録第2372008号商標
商標の構成 別掲の4に示すとおり
設定登録時の指定商品及び書換登録の指定商品
商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和44年10月9日
設定登録日 平成4年1月31日
指定商品の書換登録日
平成14年7月10日
エ 登録第2372009号商標
商標の構成 別掲の5に示すとおり
設定登録時の指定商品及び書換登録の指定商品
商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和46年12月10日
設定登録日 平成4年1月31日
指定商品の書換登録日
平成14年7月10日
オ 登録第2465858号商標
商標の構成 別掲の6に示すとおり
指定商品 商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和46年12月10日
設定登録日 平成4年10月30日
カ 登録第2465860号商標
商標の構成 CROCODILE
クロコダイル
指定商品 商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和54年11月30日
設定登録日 平成4年10月30日
キ 登録第2493209号商標
商標の構成 別掲の7に示すとおり
指定商品 商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和51年8月11日
設定登録日 平成4年12月25日
ク 登録第2493210号商標
商標の構成 CROCODILE
クロコダイル
指定商品 商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和51年8月11日
設定登録日 平成4年12月25日
ケ 登録第2671101号商標
商標の構成 別掲の8に示すとおり
指定商品 商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和55年10月28日
設定登録日 平成6年5月31日
コ 登録第2674939号商標
商標の構成 CROCODILE
クロコダイル
指定商品 商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成3年7月9日
設定登録日 平成6年6月29日
(3)申立て2の申立人の引用に係る商標(引用B商標)
登録第1438466号商標
商標の構成 別掲の9に示すとおり
指定商品 商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和46年10月15日
設定登録日 平成55年9月29日
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲の1に示すとおり、上部に図形を、その下部に「母子鰐魚」(「鰐」の文字は異体字で表されている。以下「ボシガクギョ」という。)の文字を表し、図形の上部にこれに添うように小さな文字の「せいそう」を配したものであって、「ボシガクギョ」の文字部分は、構成中に一般に目に触れることの少ない難解な異体字が含まれているため、これよりはいかなる称呼、観念が生ずるのか判然としないものと認められる。また、「せいそう」の文字部分は、これに相当する漢字が「清掃」、「正装」、「成層」など多くあるものの、図形との関係よりするといずれとも断じ得ないものであり、一種の造語よりなるものと解されるから、図形部分は独立しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
そして、該図形は、それぞれの姿態、尖った口、鼻部の描き方において「鰐」の本質的特徴を具備していて「鰐」をモチーフとしたものということができる。しかしながら、全体として極めてデフォルメされて漫画的に描かれており、上部に突き出た瞳の描かれた大きな目、4つの突出部を有する背部、黒い波線を有する腹部、ごく省略された足など、各部に極めて個性的な特徴を有する図形である。
そうすると、本件商標に接した取引者、需要者は、これをその図形部分の背部、腹部、脚部などの各構成部位における個別具体的な特徴を有する点に着目して把握し、一般に親しまれている「鰐」の図形と差別化して認識し取引に資するというのが自然であるから、該図形よりは特定の称呼、観念は生じないものと判断するのが相当であり、他に「ワニ」の称呼、「鰐」の観念を生ずると認め得る要素はない。
してみれば、本件商標より「ワニ」の称呼、「鰐」の観念を生ずるとし、その上で本件商標が引用A商標と類似するとする申立て1の申立人の主張は採用の限りでなく、他に、本件商標が引用A商標と類似するものとすべき点はない。
(2)また、申立て2の申立人の引用に係る引用B商標は、別掲の9に示した構成よりなるものであって、本件商標の図形部分における上記固有の特徴からすると、引用A商標と同様に本件商標とは類似するものではなく、それぞれの構成よりして、本件商標は、引用A商標及び引用B商標とは誤認混同の生じる事由の見出し得ない別異の商標というべきであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者がこれより引用A商標及び引用B商標を連想、想起するものとは判断することができない。
してみれば、本件商標は、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
(3)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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