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Trademark Appeal Case

既成商標の周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35106(T2000−35106/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4004963号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4004963号商標(以下「本件商標」という。)は、平成7年4月21日に登録出願、「DEVIL」の欧文字と「デビル」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッシヨン艇」を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品,電動三輪車並びにその部品及び附属品,車いす並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品として、平成9年5月30日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第134号証を提出した。

本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであり、同法第46条によって、その登録は無効にされるべきものである。

1 商標法第4条第1項第7号に該当することについて

請求人は、「DEVIL」の欧文字よりなる商標(以下「使用商標」という。)を、本件商標の登録出願日前より、自動車やオートバイ等の排気パイプシステム(マフラー)・これらの関連商品等に継続して使用しているものであり、使用商標は、本件商標の登録出願前に取引者・需要者に広く認識されるに至っているものである。

請求人は、1966年よりフランスにおいて営業を開始し、自動車やオートバイ等の排気パイプシステム(マフラー)を販売し、毎年製造される6000システムは、専門業者や製造メーカーまたは輸入業者に向けて生産されるものであり、その製品の45%を輸出している。そして、その製品について使用している「DEVIL」は、請求人の登録商標であり(甲第2号証)、世界各国においても登録されているものである(甲第3号証)。

一方、日本への前記製品の輸出高は、1991〜1996年にかけて7700万フランを優に超過して、その後も増加の一途となっている(甲第4号証)。

この間、日本の各代理店との取引状況は、各請求書に示したとおりであるが(甲第5号証ないし甲第14号証)、その中には、「SUZUKI」のオートバイ用である旨の記載がされているものもある(甲第5号証、甲第6号証及び甲第13号証)。

また、1988年〜1994年において、日本のH.若林、ドルフィンインターナショナル社、日産トレーディング社、神戸クリエイティブマーケティング社、エンゲル社、中田インターナショナル社、チャークストリーム社、坂谷徹等からの請求人の製品に関する注文のFAX・書簡及びこれに対する請求人の返事も多数ある(甲第15号証ないし甲第28号証)。そして、日本において請求人の使用商標は、1988年3月18日〜20日に開催された見本市で、日本総代理店(有)チェスターフィールド社によって、使用商標が付された商品が展示され(甲第29号証)、同店の1988年のカタログには、使用商標「DEVIL」のオートバイ用マフラーの適合車種の一つとして「SUZUKI」が掲載されている(甲第30号証)。また、1990年には、総輸入元ブリックカンパニーのカタログや書簡にも「DEVIL」が掲載されており(甲第31号証及び甲第32号証)、1993年における雑誌「CAR GRAPH1C」の広告や、多数の特約店のカタログ・商品広告にも「DEVIL」が沢山掲載されている(甲第33号証ないし甲第36号証)。このように使用商標は、日本における取引者・需要者にも広く認識されるに至っているものである。

さらに、請求人の使用商標は、1986年のカタログで、使用商標「DEVIL」のオートバイ用マフラーの適合車種の一つとして「SUZUKI」が掲載され、1988年〜1990年のカタログにおいても同様に掲載されている(甲第37号証ないし甲第40号証)。そして、1992年のフランスにおける著名商標のリストにも、使用商標「DEVIL」及び「DEVIL CUP」がオートバイ用マフラー等の商品に使用されるものとして掲載されている(甲第41号証)。また、1994年3月4日「REPORTAGE CORIN ROAD」においても「DEVIL」が掲載されている(甲第42号証)。

一方、1996年3月1日には、スズキプロモスポールのトロフィーの為のデヴィルとの提携を提案し、同25日に前記提携契約に即した同社の返事の書簡がきている。そして、1997年4月3日にスズキフランス社と請求人との間に、モーターバイク選手権におけるパートナーシップ契約が締結された(甲第43号証ないし甲第45号証)。

そうしてみると、請求人の使用商標は、請求人がフランスばかりでなく日本においても、自動車やオートバイ等の排気パイプシステム(マフラー)・これらの関連商品等について使用した結果、本件商標の登録出願前に、取引者・需要者に広く認識されるに至っているものといえるものであることは明らかである。

これに対して、本件商標は、「DEVIL」の欧文字と「デビル」の片仮名文字を2段に横書きしたものであるから、請求人の使用商標と類似するものであることは明らかであり、その指定商品も同一又は類似の商品である。

しかるに、被請求人は、「DEVIL」商標につき正当な権利を有する請求人に無断で本件商標に係る登録出願をして商標権を獲たものといわざるを得ないものであり、かかる行為は、商標を媒体とする商品の公正な取引秩序を乱すものであって、国際信義にも反するものといわなければならないから、結局、被請求人が本件商標をその指定商品について使用することは、社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものというべきである。

したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標である。

2 商標法第4条第1項第8号に該当することについて

請求人の名称は、「DEVIL」(デヴィル)である。しかして、本件商標は、請求人の名称と一致するもの、或いは、請求人の名称を含むものであり、請求人の承諾を得たものではない。

したがって、本件商標は、他人の氏名若くは名称若くはこれらの著名な略称を含む商標である。

3 商標法第4条第1項第10号に該当することについて

請求人の使用商標は、請求人がフランスばかりでなく日本において使用した結果、本件商標の登録出願前に取引者・需要者に広く認識されるに至っているものといえるものであることは明らかである。

したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用をするものである。

4 商標法第4条第1項第15号に該当することについて

請求人の使用商標が、本件商標の登録出願前に、取引者・需要者に広く認識されるに至っているものといえるものであり、本件商標をその指定商品について使用した場合には、あたかも請求人の業務に係る商品であるかの如く、或いは請求人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所につき混同を生じさせるおそれがある。

5 商標法第4条第1項第19号に該当することについて

請求人の使用商標が、本件商標の登録出願前に、取引者・需要者に広く認識されるに至っているものといえるものであり、これと極めて類似する本件商標をその指定商品について使用した場合には、請求人の著名な使用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等が毀損されるおそれが高いものであるから、被請求人によって本件商標が使用された場合には、不正の目的をもって使用をするものといわざるを得ない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、何ら答弁していない。

第4 当審の判断

1 請求人の主張及び提出した各甲号証をみると、次の事実が認められる。

(1)請求人は、1966年よりフランスにおいて、オートバイ等のマフラーを専門業者、製造メーカー及び輸入業者用に生産、販売し、その製品の45%を輸出していること。また、使用商標のカタログには、「HONDA」、「Kawasaki」、「YAMAHA」、「SUZUKI」の各オートバイのマフラー部分に使用商標を付して使用していること(甲第2号証)。そして、我が国への輸出高は、1991年〜1996年にかけて7700万フランに達していること(甲第4号証)。

(2)請求人は、我が国の各代理店と取引しており、その請求書の中には、「SUZUKI」のオートバイ用である旨の記載がされているものもあること(甲第5号証ないし甲第14号証)。

(3)我が国において、1988年3月18日〜20日に開催された見本市で、使用商標が付された商品が展示され(甲第29号証)、1988年のカタログには、使用商標「DEVIL」のオートバイ用マフラーの適合車種の一つとして「SUZUKI」が掲載されていると共に、「HONDA」のオートバイに「デビル装着使用車」との記載もされていること(甲第30号証)。

(4)我が国において、1990年には、総輸入元であるブリックカンバニー(BRICK COMPANY)のカタログに「DEVIL」が掲載されていること(甲第31号証)。また、1993年における雑誌「CAR GRAPH1C」の広告や、特約店のカタログ・商品広告にも「DEVIL」が掲載されていること(甲第33号証ないし甲第36号証)。

(5)請求人の使用商標は、1986年のカタログで、使用商標「DEVIL」のオートバイ用マフラーの適合車種の一つとして「SUZUKI」が掲載され、1988年〜1990年のカタログにおいても同様に掲載されていること(甲第37号証ないし甲第40号証)。

(6)1992年のフランスにおける著名商標のリストに、使用商標「DEVIL」及び「DEVIL CUP」がオートバイ用マフラー等の商品に使用されるものとして掲載されていること(甲第41号証)。

(7)1996年3月1日には、スズキプロモスポールのトロフィーの為のデヴィルとの提携を提案し、同25日に前記提携契約に即した同社の返事の書簡がきている。そして、1997年4月3日にスズキフランス社と請求人との間に、モーターバイク選手権におけるパートナーシップ契約が締結されていること(甲第43号証ないし甲第45号証)。

2 以上の事実(我が国への輸出高、フランス及び我が国における宣伝広告の実情、我が国における使用商標の実際等)を総合してみれば、請求人の使用する商標「DEVIL」は、フランス及び我が国において、オートバイ等のマフラーについて使用した結果、本件商標の登録出願前に、取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められる。

しかして、本件商標は、「DEVIL」の欧文字と「デビル」の片仮名文字よりなるものであって、かつ、その指定商品も請求人の使用する商品と同一又は類似の商品を含む密接な関係にある商品である。

してみれば、本件商標をその指定商品について使用した場合には、恰も請求人の業務に係る商品、或いは、請求人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所につき混同を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、他の無効理由を判断するまでもなく、商標法第46条第1項の規定により無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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