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Trademark Appeal Case

不使用取消の証明時期

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31376(T2000−31376/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3146596号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3146596号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年5月15日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝間き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同8年4月30日に設定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

1.本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによって使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

また、本件商標の商標登録原簿によれば、専用使用権者、通常使用権者の設定登録はなされていない。

2.答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、本件商標を「洋服」について使用している旨を主張し、その証拠として、店内と見られる場所において吊り下げられている洋服の写真を乙1号証として提出している。

しかしながら、以下に述べる理由により、被請求人提出の証拠は、本件商標の過去3年間の使用の証明には全く不十分である。

(2)乙1号証の写真には、撮影年月日の日付と思われる「'01 94」の数字が見られるが、これは2001年9月4日を意味するものであると理解できる。したがって、この写真は明らかに本件審判請求の登録日より後に撮影されたものであり、同写真は、審判請求の登録前3年以内の本件商標の使用を証する証拠たり得ないものである。

さらに、被請求人は、「本件商標は、乙1号証に示すとおり、現在商標権者である被請求人によって使用され、」と主張しているが、これは正に、被請求人が乙1号証を提出して使用であると主張している行為が、現在、すなわち平成13年9月6日(答弁書提出日)付近に行われた行為であることを被請求人自ら自白しているものである。

このことは、前述の写真の撮影日が2001年(平成13年)9月4日であることからも、被請求人は、答弁書提出直前に写真にある行為をし、これを撮影したことが明白である。

被請求人は、その他本件商標を指定商品について本件審判請求の登録前3年以内に使用していたことを客観的に証明する証拠は何ら提出していない。

3.したがって、本件商標は、過去3年間に使用されたことを証明していないものであるから、その登録は取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙1号証を提出した。

1.本件商標は、乙1号証に示すとおり、現在商標権者である被請求人によって使用され、商品として主として日本国内の小売店において販売されているものである。

2.請求人の主張について

(1)請求人は、乙1号証の日付について、本件審判の請求の登録日以降に撮影されたものであるから、本件商標を本件審判の請求前3年以内に使用したことを証明するものではない旨主張する。

被請求人は、複数の登録商標を有し、それぞれ複数種の商品を取り扱っているため、それぞれすべての商品を写真撮影しているわけではなく、本件審判の請求のために写真を撮影をしたため、日付は当然請求より後の日付になる。まして、本件審判請求書の副本が被請求人に送付されたのは、請求の日より4ヶ月後であったので、請求の日付より以前の日付の写真撮影ができるわけはなく、撮影日が後になっているのである。

しかしながら、本件商標を使用した商品は十数年来被請求人の主たる商品の一つであるので、当然本件審判の請求時以前より商品が存在しており、現在も販売されている。

したがって、写真の撮影日が後であってもこの商品の製造は撮影日及び本件審判請求日よりも以前であるので、この商品の存在そのものが本件商標の使用の何よりの証拠である。

(2)請求人は、被請求人が前記1.で述べた「現在」について、答弁書提出の平成13年9月6日付近を指す旨主張するが、被請求人は、その前に提出した平成13年6月23日付け答弁書でも「現在使用中である」と述べている。そもそも答弁書は常に「請求」に対して述べるものであり、その中で述べる「現在」は、「請求時現在」にほかならないことは明白である。

(3)乙1号証は商品の存在を示すものである。商品は企画してから製造し店頭に並ぶまで時間がかかるもので、アパレル業界では大抵1年前から次の年の商品が企画され、小売店よりの注文を受けるものである。

したがって、現在ある商品は1年以上前に企画製造されたものであり、商品の存在は請求時に使用していることの証明になるといえるのである。

3.以上のとおり、「継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存しないものである」という請求人の主張は事実に反しており、本件商標は、商標法第50条第1項の規定は適用されないので、その登録は取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断

被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に使用している旨主張し、乙1号証を提出しているので、以下検討する。

1.乙1号証は、洋品店の店頭に並んだ上着2種とズボン1種の写真をそれぞれ2葉ずつ撮影した6葉の写真が添付されており、3種類の商品の写真のうちの各1葉の写真は、商品に付された下げ札部分を中心に拡大した写真である。そして、商品に付された下げ札には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標(以下「使用商標」という。)が表示されていることが認められる。

しかしながら、以下の理由により、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによってその指定商品について使用された事実を認めることができない。

(1)乙1号証に示された各写真は、その撮影された場所が不明であるばかりでなく、撮影者も不明である。また、これらの写真からは、使用商標の使用者が、商標権者であるのか、あるいは専用使用権者又は通常使用権者であるのかも確認することができない。

(2)乙1号証に添付の各写真は、本件審判の請求の登録日(平成12年12月13日)以降の2001年(平成13年)9月4日に撮影された写真と認められるところ、該写真以外に、写真に示された各商品が、本件審判の請求の登録前3年以内に実際に取引等され、本件商標が使用されたという事実を認め得るに足りる証拠は何ら提出されていない。

(3)上記(1)及び(2)に関し、審判長は、被請求人に対し、平成14年6月13日付けで審尋をしたところ、被請求人は何らの回答をなさないものである。

(4)してみると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標をその指定商品のいずれかについて、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが使用していたことを証明したということはできない。

また、被請求人は、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

なお、被請求人は、本件審判請求書の副本が被請求人に送付されたのは、請求の日より4ヶ月後であった旨述べているが、本件商標の商標登録原簿によれば、被請求人の住所は、「大阪市東淀川区東中島1丁目17番18号 新大阪ビル東館」として平成8年4月30日に登録されたところ、本件審判請求時において、被請求人は、住所を移転していたにもかかわらず、その届け出を特許庁長官になさなかったため、審判長は、審判請求書の副本を送達することができず、大阪法務局に被請求人の住所の確認をしたうえで、被請求人に審判請求書の副本を送達したから、被請求人に審判請求書の副本が送達されるまでに約4ヶ月の期間を要したものであることを申し添える。

2.以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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