結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−31201(T2000−31201/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2644527号商標(以下「本件商標」という。)は、「SUMMIT」の欧文字と「サミット」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成3年9月24日に登録出願、第10類「理化学機械器具、光学機械器具、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具、写真材料」を指定商品として、同6年4月28日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として次のように述べた。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中「理化学機械器具、測定機械器具」について使用されていないものであるから、該商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、本件審判の請求は却下する、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べた。
請求人は、本件商標に対して、商標法50条1項に基づく不使用取消審判を請求した。
しかしながら、本件審判請求は、請求権の濫用、すなわち権利の濫用であり却下されるべきである。
(1)請求人 平成11年6月23日 「SUMMIT」出願(商願平11−55947)
(2)請求人 平成12年10月10日 本件審判請求
(3)被請求人 平成13年2月10日頃 本件審判請求書副本受領
(4)被請求人 平成13年3月1日 請求人と話し合いに入る旨等の上申書提出
(5)被請求人 平成13年3月6日 請求人に対し話し合いによる解決を申し入れ(乙第1号証)
(6)請求人 平成13年4月13日 回答の猶予連絡
(7)請求人 平成13年4月25日「SUMMIT」(商願平11−55947)の出願断念及び本件審判請求の放置の回答(乙第2号証)
(8)被請求人 平成13年5月2日 本件審判請求の取下げ要請(乙第3号証)
(9)その後、上記要請に対する返答を再三督促したが何ら回答なし
(1)本件審判請求、すなわち、商標法50条1項に基づく不使用取消審判を請求するについては、平成8年の改正で、何人も請求することが出来るとして、請求人適格については緩和されたが、被請求人を害するような嫌がらせ的請求については、権利濫用として、許されないことは、当時から明らかにされているところである(乙第4号証、同第5号証)。
また、平成8年の不使用取消審判に関する一連の改正では、その趣旨には譲渡交渉等のための当事者間の話し合いの促進、自主的な解決も含まれているところである(乙第6号証、同第7号証)。
(2)これを本件審判請求についてみるに、請求人は、自らの出願商標の障碍を取り除くべき本件審判請求に及んだが、その後出願商標の登録を断念したにも関わらず、被請求人の話し合いによる解決の提案を斥け、かつ、本件審判請求については放置すると明言して、被請求人の取下げ要請に対しても、拒否し続けている(甲第2号証、同第3号証)。
被請求人としては、請求人に対して、話し合いによる解決を申し入れしたことは、本件商標及び、同じく請求人出願商標に類似する被請求人所有に係る登録第4425457号商標のいずれについても使用許諾等の用意があることを前提としたものである。
(3)しかるに、請求人は、仮に本件審判請求が成功しても、登録第4425457号商標の存在により商標登録を受けられないことを知るや、本件審判請求の唯一無二の目的である自らの出願商標の登録を断念したにも関わらず、話合いによる解決を拒否して、本件審判請求を放置すると明言し、しかも、被請求人の取下げ要請に対しても拒否し続けていることは、審判請求権の濫用に該当すると解すべきである。
加えて、請求人は、本件商標及び登録第4425457号の存在は、IPDL検索等で容易に知り得たにも関わらずそれをせずして、拒絶理由及び被請求人の申し入れ書によって知ったものであり、前記出願に当たり初歩的な調査を怠り、しかも、拒絶理由を受けて安易に本件審判請求をし、それにも関わらず、被請求人の申し入れ等に対する請求人の各行為は、当事者双方に公平であるべき審判の請求手続及びその維持とは相入れないものであるばかりでなく、平成8年の改正の趣旨にも反するものである。
(4)また、審判請求後その係属中に事情が明らかになって、その審判請求に係る唯一無二の目的達成が不可能と知り、請求自体が全く不必要となってそのことを請求人が被請求人に告げたにも関わらず、話し合いによる解決を拒否して、しかも、被請求人の取下げ要請をも拒否しているような、審判を係属させることが専ら被請求人を害することになるとき、すなわち、本件審判請求の当初においてはそうではなくとも、結果的に被請求人を害するような嫌がらせ的な請求についても、審判請求権の濫用に該当すると解すべきであり、少なくとも審判請求権の濫用と同一視できるというべきである。
そして、当該登録商標が一定期間継続して使用をしない場合には保護すべき信用がないものと考えられ、その商標権は、前記商標制度の趣旨にそぐわないものであり、他方、そのような不使用の登録商標に対し排他独占的な権利を与えておくのは、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標選択の範囲を狭めることになる等の不合理があることから、商標法第50条の不使用による商標登録の取消審判制度が設けられているものと解される。
したがって、この審判請求をまって、不使用の商標登録を取り消そうというのであり、使用をしていない商標は取り消されてもやむを得ないものである。
しかしながら、本件審判請求は、被請求人も認めるとおり、請求人の出願商標に対し拒絶理由に引用された本件商標の存在を取り除くために行った請求と認められるから、何ら被請求人を害することを目的とする場合には当たらず、その請求は権利の濫用とはいえない。
また、被請求人は、仮に本件審判請求が成功しても、被請求人所有の他の登録商標(登録第4425457号商標)の存在により、商標登録を受けられないことを知るや、本件審判請求の目的である自らの出願商標の登録を断念したにも関わらず、話合いによる解決を拒否して、本件審判請求を放置すると明言し、しかも、被請求人の取下げ要請に対しても拒否し続けていることは、審判請求権の濫用に該当すると解すべきである、と述べている。
しかしながら、本件審判請求は、前記のとおり、請求人の出願商標に対し拒絶理由に引用された本件商標の存在を取り除くために行った請求と認め得るものであり、たとえ本件審判請求による登録の取消しがなされても、被請求人所有の他の登録商標の存在により、直ちに、請求人の出願商標について商標登録を得ることはできないとしても、そのことが、本来使用をしているからこそ保護を受けられるとする商標制度の目的に照らし、不使用による商標登録の取消しを求める本件審判請求の成否自体に直接的に影響を与えるものということはできない。
その他、被請求人の主張をみても、前記1で述べた商標制度の趣旨からみて、商標法第50条に基づく本件審判請求について、請求人の行為が権利の濫用に当たるということはできない。
ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、前記3の如く答弁するのみで、本件商標を本件審判の取消請求に係る指定商品について使用していたことを証明していないし、又本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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