結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35407(T2001−35407/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4475958号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年3月22日に登録出願、「アタックリン」の片仮名文字と「あたっくりん」の平仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の香料類,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同13年5月25日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効理由に引用する登録第1929596号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和59年2月1日に登録出願、「アタック」の片仮名文字を横書きしてなり、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同62年1月28日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
請求人は、結論同旨の審決を求める、と申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標と引用商標は、「アタック」の称呼を共通にし、末尾において「リン」の称呼の有無の差異を有するものである。
本件商標の構成中大半を占める「アタック」及び「あたっく」は、「攻撃」等の意味を有する英語「attack」に由来する外来語として日常的に使用され、一般に親しまれている語であり、末尾の「リン」及び「りん」の文字は、好まれて商標の接尾語として採用される顕著性の乏しい語であるから、本件商標は、「アタック」及び「あたっく」の部分が最も看者の注意を惹く部分であり、該部分が本件商標の要部をなすものである。
また、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,歯磨き,化粧品,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨」が人体或いは物を清潔にする或いはきれいにする目的のために使用される商品であるから、本件商標は、これら商品の需要者又は取引者に、「アタック」と「クリーン」を結合した「アタック+クリーン」(汚れを攻撃してきれいにする)からなる商標と容易に理解、認識されるものである。
この中「クリーン」の文字は、「他の商品標識に使用される文字と組合させ商品が『きれいにするもの、或は清潔にするもの』であることを表す効能表示として一般に採択使用されている」(甲第4号証)ものであり、また、この「クリーン」の語は、商標の構成態様中に「クリン」と表記して(甲第5号証ないし同第10号証)多々使用されているものである。
因みに、請求人は、登録第1051393号商標「マジックリン」(甲第11号証)を商品「洗浄剤」に使用(甲第12号証)しているが、同登録商標のネーミングは、「マジック(magic)+クリーン(clean)」(魔法にかかったようにきれいになる)に由来するものである。
してみれば、本件商標は、「アタック」(攻撃)の称呼及び観念をも生ずるものである。
一方、引用商標「アタック」が周知著名な商標であることは、防護標章登録されている(甲第2号証の2ないし同4)ことによって明らかであり、また、引用商標から「アタック」(攻撃)の称呼及び観念が生ずるものであることは明らかである。
したがって、本件商標は、引用商標と「アタック」(攻撃)の称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品中「せっけん類、歯磨き、化粧品、芳香剤(身体用のものを除く。)、その他の香料類」は、引用商標の指定商品と同一の商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものである。
本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、同条第1項第15号の「他人の業務にかかる商品と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するものである。
引用商標は、上述のとおり、平成11年6月25日に防護標章登録された著名商標である。
請求人は、引用商標を付した商品「衣料用洗剤」を1987年(昭和62年)4月に発売して以来今日に至るまで、盛んな広告宣伝活動を行うと共に、活発な販売活動を行って来た結果、衣料用洗剤に使用する引用商標は、その発売直後にトップブランドとしての地位を確立し、それ以来今日に至るまで、トップブランドとしての地位を維持し続けている著名商標である(甲第14号証ないし同第20号証)。
すなわち、引用商標を付した製品は、1987年には早くも日本経済新聞の「1987年のヒット商品番付」で西横綱に選ばれ(甲第14号証)、1997年には日経産業消費研究所の「97年ブランドパワー・ランキング」で首位となり(甲第15号証)、2000年に新発売したシート型家庭用洗濯洗剤「アタック シートタイプ」が日経産業消費研究所の「2000年第4四半期の新製品ランキング」で3位となり(甲第16号証)、2001年に新発売したマイクロ粒子を採用した新「アタック」が日経産業消費研究所の「2001年第2四半期新製品ランキング」で2位(甲第17号証)となっている。
因みに、請求人は、「アタック」製品の広告費として、本件商標が出願された平成12年の1年間だけで総額36億3300万円投資している(甲第18号証)。
その内訳は、テレビジョン広告33億円、新聞広告1億6800万円、雑誌広告1億6300万円である(同号証)。
また、平成12年度の大手洗剤メーカー3社の衣料用洗剤の販売実績を金額シェアで比較すると、全製品のシェアは、花王(請求人)51.9%、ライオン23.8%、P&G17.7%である(甲第19号証)。
製品別に金額シェアを見てみると、請求人の「アタック」は、一製品だけで36.6%あり、一製品だけで他社の全製品の金額シェアを大きく引き離している(同号証)。
本件商標は、請求人の著名商標「アタック」を一部に有する商標であるが、商標審査基準は「他人の著名商標を一部に有する商標」について「それが他人の著名商標と類似しないと認められる場合...において、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるときは、原則として、本号の規定に該当するものとする。」(甲第13号証)と定めている。
本件商標は、請求人の著名商標「アタック」をその主要部とする商標であり、本件商標にあって該「アタック」の文字は、看者が最も注意を惹くところであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、需要者又は取引者に、あたかも請求人の「アタック」商品のシリーズ商品、姉妹品の如く認識されることになるので、本件商標は、引用商標と商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるものである。
したがって、本件商標は、引用商標と商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録は無効とされるべきものであり、仮に、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないとしても、同条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録は無効とされるべきものである。
被請求人は、何ら答弁していない。
請求人(花王株式会社)の提出に係る甲第14号証ないし同第20号証によれば、請求人は、自己の取り扱いに係る商品「衣料用洗剤」に「アタック」の片仮名文字よりなる引用商標を昭和62年4月に発売して以来今日に至るまで長年に亘って一貫して使用し、その間、盛んな広告宣伝活動を行うと共に、活発な販売活動を行ってきた結果、引用商標は、請求人の業務に係る商品「衣料用洗剤」(家庭用洗濯洗剤)を表示するものとして、本件商標の登録出願時においては既に、我が国の取引者、需要者の間に周知、著名な商標となっていたことを認めることができる。
しかして、本件商標は、「アタックリン」の片仮名文字と「あたっくりん」の平仮名文字を併記してなるところ、これより特定の意味を有する成語、熟語を表したものと看取されるものではないから、本件商標に接する取引者、需要者は、上記の周知、著名な商標である「アタック」の文字に「リン」の文字を連綴し、その下段に「あたっくりん」の平仮名文字を併記した構成よりなるものと理解し、構成中の前半の「アタック」(あたっく)の文字を本件商標の主要部と理解し、本件商標を、請求人の業務に係る商品「衣料用洗剤」を含む本件商標の指定商品に使用した場合には、請求人の周知、著名な商標「アタック」を連想、想起し、その商品が請求人又は同人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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