結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35796号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
第1.本件商標
本件登録第4089482号商標(以下「本件商標」という。)は、平成7年10月18日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第34類「たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く。),マッチ」を指定商品として、平成9年12月5日に設定登録されたものである。
第2.請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する商標は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第27類「フイルター付たばこ」を指定商品として、昭和46年2月19日に登録出願され、昭和51年10月27日に設定登録された登録第1228748号商標(以下「引用商標1」という。)、同じく、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第27類「ライター、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和50年5月23日に登録出願され、昭和55年7月31日に設定登録された登録第1427048号商標(以下「引用商標2」という。)、同じく、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、第27類「たばこ、喫煙用具、マツチ」を指定商品として、昭和56年4月30日に登録出願され、昭和60年5月30日に設定登録された登録第1775278号商標(以下「引用商標3」という。)、同じく、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、第34類「たばこ,紙巻きたばこ用紙,喫煙用具(貴金属製のものを除く。),マッチ」を指定商品として、平成4年6月8日に登録出願され、平成7年11月30日に設定登録された登録第3098721号商標(以下「引用商標4」という。)、同じく、別掲(6)に示すとおりの構成よりなり、第34類「たばこ,紙巻きたばこ用紙,喫煙用具(貴金属製のものを除く。),マッチ」を指定商品として、平成5年6月11日に登録出願され、平成8年9月30日に設定登録された登録第3199230号商標(以下「引用商標5」という。)である。(以下、引用商標1ないし5を「引用各商標」という。)
第3.請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出している。
1.無効理由
本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。その理由を述べる。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標1、引用商標3ないし5を対比すると、外観上の共通点は長方形の中央部分に同様な角度のルーフ(屋根状)・デザイン、及び類似のクレスト(紋章)が存在することである。外観上の主な相違点としては前記ルーフ・デザインの向きが逆さまであること、及び引用各商標のルーフの上部には楕円形状のデザインが存在するのに本件商標には存在しない点、さらに本件商標にあっては中央に記載された英文字が「HERO」であるのに対し、引用各商標にあっては「Marlboro」その他の文字であることが挙げられる。
特に、引用商標5は緑色のルーフ・デザイン及び茶、赤色等からなるクレスト(紋章)を有し、本件商標とは図形とその色彩において文字以外の主たる構成要素を共通とするものである。
本件商標と引用商標2とを対比すると、外観上の共通点は長方形の中央部分に同様な角度のルーフ(屋根状)・デザインが存在すること、他方、外観上の主な相違点としては前記ルーフ・デザインの向きが逆さまであること、及び引用商標2にはクレスト及び「HERO」の英文字が存在しない点が挙げられる。
ところで、我々の日常経験によれば、一般に取引者、需要者は必ずしも商標の構成を細部にまでわたり正確に記憶し、想起するものとは限らず、商標全体の主たる印象によって商品の出所を識別する場合も少なくないことが認められている。さらに、引用各商標の主要部であるルーフ・デサインは、それを見た日本の消費者をして請求人のたばこブランドを即想起させるほど浸透している著名商標である。
このような状況において、本件商標と引用各商標が、同一の大きさに表示される場合、看者は前記の共通点に最も強く印象づけられ、前記の各相違点にはそれほど注意を引かれず、両商標の図形全体の印象が極めて近似するに至るものと考えることができる。
従って、時と所を異として離隔的に観察するとき、また迅速を旨とする商取引において一見して識別を要する時などにおいて、外観上互いに紛れやすく取引上混同を生じさせるおそれがあり、本件商標は引用各商標と類似の商標と言わざるを得ない。
そして、本件商標と引用各商標の指定商品は同一又は類似のものである。
従って、本件商標は商標法第4条第1項第11号に反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
請求人フィリップ モリス プロダクツ インコーポレイテッドは、米国最大のたばこメーカーである。請求人が製造し販売するたばこ「Marlboro」(マルボロ)は、1924年に発売され、1970年代末から現在まで米国で最も売れるたばこの地位を維持しており、日本はもとより世界でも著名なたばこブランドである。(甲第2号証)
また、請求人は、日本における紙巻きたばこの販売数量として市場占有率13.2%(1997年度)を占める外国産たばこでは首位のメーカーである。(甲第3号証)
請求人は、「マルボロ」ブランドの知名度及びそのブランドイメージの向上を目的として、日本において雑誌、テレビコマーシャル及び映画館で上映されるコマーシャルなどのメディアを通じて多額の費用を費やし、恒常的かつ大量に宣伝広告活動を行っている。このようなメディアを通じての宣伝広告中では、マルボロ・ルーフ・デザインと呼ばれるルーフ(屋根状)のデザイン、又は、これを含んだ商標が繰り返し使用されてきた。その結果、マルボロ・ルーフ・デザインは日本において広く浸透し、請求人のたばこに関する著名商標と認識されている。
また、請求人は、ゴルフやモータースポーツの分野で請求人の名を冠した競技会を主催し、またはチームや選手のスポンサーとなって、多額の費用を請求人のたばこの宣伝広告、販売促進活動のために費やしている。その一例として、請求人は、F1グランプリ・レースにおいてフェラーリ・チームをサポートしており、車体やドライバー、スタッフのユニホームには「Marlboro」のロゴ及びルーフ・デザインが表示されている。(甲第4号証及び甲第5号証)
上記のとおりルーフ・デザインは、請求人のたばこを表示するものとして、本件商標出願時から今日に至るまで全国的に取引者・需要者に広く認識されている商標である。
一方、本件商標は、請求人のルーフ・デザインと傾斜角度を同じくする同様のデザインを有し、外観において著しく類似するものである。かつ、本件商標はたばこと同一または類似の商品について使用するものであるから商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)、(2)のとおり、マルボロ・ルーフ・デザイン及び引用各商標は、本件商標の出願時から今日に至るまで請求人のたばこ等を表示するものとして周知著名な商標である。従って、仮に本件商標がこれらの著名商標と類似しないと認められた場合でも、本件商標は、これを付したたばこ等に接する需要者、取引者が、請求人の業務にかかる商品であるか又はその関連会社の業務にかかる商品であると認識し、商品の出所について混同するおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、その出願時はもとより今日においても、これを付したたばこ等に接する取引者・需要者が、請求人の業務にかかる商品であるか、又はその関連会社の業務に係る商品であると認識し商品の出所について混同するおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
引用各商標が、本件商標の出願時から今日に至るまで、請求人の製造販売に係るたばこブランドを表示するものとして、日本を含む世界各国の需要者間で著名であることは前述のとおりであり、これは周知の事実と言うべきである。
本件商標と引用各商標が類似している点については、前述のとおりであり、著名な引用各商標と類似する本件商標の出願からは、その使用によって消費者をしてその出所を混同させたり、あるいは少なくとも引用各商標の出所表示機能を稀釈化させるといった被請求人の意図を疑わざるを得ない。また、これによって被る請求人の財産上その他の有形無形の損害を考慮すれば、本件商標の登録は著名商標保護の理念に反するといわざるを得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に反して登録されたものである。
2.被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標の構成中の背景図形部分は格別特異な図形であるとはいえず、当該背景図形部分が独立して認識され、特定の称呼ないし観念をもって取引に資されるとみるべき特段の事由は見いだせないから、本件商標は、その構成中の「HERO」の文字部分に相応して生ずる「ヒーロー」の称呼及び観念により取引に資されるとみるべきであると述べている。
しかし、本件商標は、緑色のルーフ・デサインの上に金色等の文字をその上部に文字及びルーフ・デサインと同色のクレストを配置したものであり、いずれの文字・図形とも本件商標の構成において一体不可分のものである。文字のみを抽出して、それのみを引用各商標との類否を判断する基準にするのは不合理であり、また、そもそも本件商標中のルーフ・デザインやクレストを被請求人のいう「背景図形部分」として切り捨て、顕著性を否定するのは適切ではない。
また、被請求人は、本件商標と引用各商標との類否判断は、文字部分から生ずる称呼・観念を主たる要素として行われるべきであると述べている。しかし、その根拠は不明である。商標の類否の判断は、商標構成全体の有する外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察しなければならない(商標審査基準)のであって、本件商標と引用各商標のうち文字部分から生ずる称呼・観念が相違することをもって非類似の商標であると断ずることはできない。特に図形を含む商標にあっては、その図形そのものが与える印象や図形構成及び色彩配列等の外観の比較検討は十二分になされるべきであり、称呼・観念が異なろうとも、外観において類似する商標は類似商標である。
3.以上のとおり、本件商標は、前記及び各証拠から明らかなように、商標法第4条第1項第10号、第11号、第15号及び第19号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。
第4.被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1)本件商標と引用各商標との類否について
本件商標は、中央に顕著に「HERO」の欧文字を表し、その背後に図形を表してなるものであるが、その構成中の背景図形部分は格別特異な図形であるとはいえず、当該背景図形部分が独立して認識され、特定の称呼ないし観念をもって取引に資されるとみるべき特段の事由は見いだせないものである。とすれば、本件商標は、その構成中の「HERO」の文字部分に相応して生ずる「ヒーロー」の称呼及び観念により取引に資されるとみるべきである。したがって、本件商標は、「HERO」の文字部分に相応して「ヒーロー」の称呼及び観念を生ずるものである。
これに対して、請求人主張の屋根状のデザインを含んだ商標(甲第4号証及び甲第5号証)及び引用商標1・3・4・5は、「Marlboro」等の欧文字と図形とからなる商標であるが、その構成中の背景図形部分が格別特異な図形であると認めるべき特段の事情は見当たらない。また、これらの甲号証のみをもってしては、背景図形部分が独立して取引者・需要者の間に広く認識されているものとは認められない。とすれば、請求人主張の屋根状のデザインを含んだ商標及び引用商標1・3・4・5は、その構成中の「Marlboro」の文字部分に相応して生ずる「マールボロ」又は「マルボロ」の称呼及び観念をもって取引に資されるとみるべきである。したがって、引用商標1・3・4・5は、「Marlboro」の文字部分に相応して「マールボロ」又は「マルボロ」の称呼及び観念が生ずるものである。
また、請求人主張の屋根状のデザイン(甲第7号証及び甲第8号証)及び引用商標2は、図形のみからなる商標であるが、これらの甲号証のみをもってしては、どのような商品について使用され、かつ、取引者・需要者の間に広く認識されているのか不明であり、具体的な主張はなされていない。
本件商標と引用各商標との類否判断は、文字部分から生ずる称呼・観念を主たる要素として行われるべきであって、識別上重要な文字部分を無視して背景図形部分を抽出した上で外観の比較だけを行うことは、本件商標と引用各商標とにおける類否判断としては不適切である。
そこで、まず、本件商標から生ずる「ヒーロー」の称呼及び観念と請求人主張の屋根状のデザインを含んだ商標及び引用商標1・3・4・5から生ずる「マールボロ」又は「マルボロ」の称呼及び観念とを比較検討すると、両者は明確に識別することができるものであるから、称呼及び観念において相紛れるおそれのない非類似の商標である。なお念のため、両者の外観についても検討すると、本件商標と請求人主張の屋根状のデザインを含んだ商標及び引用商標1・3・4・5とは文字部分「HERO」・「Marlboro」が相違し、背景図形部分の構成及び天地も相違するものであり、両者は背景図形部分を含んだ商標全体の構成において明瞭に区別することができるものであるから、外観においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
つぎに、本件商標と請求人主張の屋根状のデザイン及び引用商標2とを比較検討すると、本件商標からは「ヒーロー」の称呼及び観念が生ずるのに対して、図形のみからなる引用商標2からは特段の称呼及び観念が生ずるものではないことから、両者は称呼及び観念において相紛れるおそれのない非類似の商標である。なお念のため、両者の外観についても検討すると、本件商標と請求人主張の屋根状のデザイン及び引用商標2とは文字部分「HERO」の有無の点で相違し、本件商標に係る背景図形部分と引用商標2に係る図形の構成及び天地も相違するものであり、両者は背景図形部分を含んだ商標全体の構成において明瞭に区別することができるものであるから、外観においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
よって、本件商標と引用各商標とは、称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第10号、同第11号の主張について
本件商標と引用各商標とは、前記(1)で述べたとおり非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号に該当するものではない。
なお、本件商標が引用各商標との関係で商標法第4条第1項第11号に該当しないことは、本件商標に対し請求人が行った登録異議申立てに対する決定において、「本件商標と引用各商標は、...その称呼、外観および観念のいずれからしても類似しない商標である。」と判断されていることからも裏付けられるものである(乙第1号証)。
(3)商標法第4条第1項第15号の主張について
本件商標と引用各商標とは、前記(1)で述べたとおり非類似の商標であり、両者は文字部分から生ずる称呼・観念によって取引に資されるものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、引用各商標を想起させず、請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはない。
よって、本件商標は引用各商標との関係で商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)商標法第4条第1項第19号の主張について
本件商標と引用各商標とは、前記(1)で述べたとおり非類似の商標であり、そのような商標を指定商品について使用しても引用各商標の出所表示機能を稀釈化させることにはならないから、不正の目的をもって使用するものではない。
よって、本件商標は引用各商標との関係で商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
このことは、本件商標に対し請求人が行った登録異議申立てに対する決定において、「本件商標は不正の目的(意図)をもって使用するものとは認められない。」と判断されていることからも裏付けられる(乙第1号証)。
(5)したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号、同第19号に該当するものではない。
よって、本件商標は商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とされるべき理由は全く存在しない。
第5.当審の判断
(1)本件商標と引用各商標の類否
本件商標と引用各商標は、別掲に示すとおりの構成であるところ、本件商標は、正方形の上辺を底辺とした逆三角形を切り取ったような緑色を施した凹形状の図形を表し、その輪郭を細線で縁取りしてなり、この図形上部に重なるように「HERO」の欧文字を書し、さらに、その中央上部に紋章を配してなる安定感のある図形として印象づけられるものとみるのが相当である。
これに対し、引用商標1、3、4、5の各商標は、下部に「Marlboro」の欧文字を書し、その上に紋章を表し、この紋章を包むように屋根状の図形を描き、その中を極端に横長の楕円を白抜きにした全体として紋章の付いた屋根状の図形として印象づけられ得るものである。しかしながら、その各商標は、その色彩、屋根状の図形の大きさ、又は、他に付記的なものとみられる文字の有無等の多少の違いがあるが、看者は、当該各商標からそれぞれ上記の如き印象を与えられるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標1、3、4、5の各商標とは、その印象明らかに異なり、かつ、両者の図形には細線の輪郭の有無、楕円の有無等に加え、紋章が一緒に描かれているので、該図形の上下は固定的に把握し認識されるとみるのが相当であるから、両商標を時と所を異にして離隔的に観察する場合においても、両者は、外観上、相紛れるおそれのある類似する商標とはいい難いものである。
また、引用商標2は、灰色の縦長短冊の上部を赤い屋根状の図形で色分けした如き図形として看取され得るものであって、本件商標とは、外観上、明らかな差異を有するものである。
次に、称呼及び観念について比較するに、本件商標は、前記のとおりの構成であるところ、該図形部分からは称呼、観念を生じ得ないものであるが、「HERO」の欧文字部分からは、その欧文字に相応して「ヒーロー」(英雄)の称呼、観念を生ずるものである。
これに対し、引用商標1、3、4、5の各商標は、前記のとおりの構成であるところ、該図形部分からは特定の称呼、観念を生じ得ないものであるが、「Marlboro」の欧文字部分からは、その文字に相応して「マールボロ」又は「マルボロ」(紙巻きたばこの名前)の称呼、観念を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標1、3、4、5の各商標とは、それぞれより生ずる上記の称呼、観念において顕著な差異があるので、称呼及び観念において互いに相紛れるおそれはないものである。
また、引用商標2は、前記したとおりの構成であって、特定の称呼、観念を生ずるものとはいえないことから、本件商標と比較することができない。
してみれば、本願商標は、引用商標1ないし5の各商標と外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似するものと判断することはできない。
(2)本件商標の出所の混同のおそれの有無
請求人の提出に係る証拠によっては、請求人が主張するところの引用各商標の「ルーフ・デザイン」(屋根状の図形)のみで請求人の製造・販売する「たばこ」を表示する商標として取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたとは認められないものであり、加えて、本件商標と引用各商標は、上記認定のとおり類似しない別異の商標といえるものであって、他に、両商標の間で出所の混同を生じる特段の事由があるとは認められないので、本件商標をその指定商品に使用した場合であっても、請求人の引用各商標を想起させることはないものであるといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断することはできない。
(3)本件商標の不正の目的の有無
本願商標と引用各商標との関係は、前記(1)及び(2)で認定したとおりであって、請求人の提出に係る証拠を検討したが、本件商標は、請求人がその業務に係る商品(たばこ)に使用する商標の出所表示機能を希釈化させ、又は、その名声を毀損させるなど不正の目的をもって使用するものとは判断し難いものである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものということはできないことから、その登録は同法第46条第1項第1号により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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