Trademark Appeal Case
一般名称・原材料の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第1540号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「D−fraction」の文字を書してなり、第5類「中枢神経系用薬剤,アレルギー用薬剤,循環器官用薬剤,呼吸器官用薬剤,ビタミン剤,滋養強壮変質剤,細胞賦活用薬剤,しゅよう治療用薬剤,抗生物質製剤,生物学的製剤,生薬,動物用薬剤,カプセル」を指定商品として、平成8年9月27日に登録出願されたものである。
2.原審の理由
これに対し、原査定は、「本願商標は、“D−fraction”の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該文字は、“Dフラクション”として、マイタケ(学名:Grifosa frondosa)の子実体より特定の抽出方法で得た抗腫瘍作用等を有する蛋白質を含む多糖体に付与された一般名(例:難波宏彰著「舞茸の世界」(菜根出版社)p.41-42,難波宏彰著「舞茸の代替療法域」(菜根出版社)p.61-71,Chemical Pharmaceutical Bulletin.Vol.36(No5)p.1819-p.1827(1988):Ikuo HISHIDA,Hiroaki NANBA,Hisatora KURODA/Antitumor Activity Exhibited by Orally Administrated Extract from Fruit Body of Grifola frondosa (MAITAKE).)であるから、このようなものを、上記文字に照応する一般名称を有する商品若しくは、上記文字に照応する原材料を配合してなる薬剤に使用しても、単に商品の一般名を表すに止まり、商品の品質、原材料を表すものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(マイタケからの抽出分“D−fraction”)以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」として、拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、「D−Fraction」又は「Dフラクション」の語は、原審において開示する文献によれば、「マイタケの熱水抽出物で得られた酸不溶性、アルカリ容性の分枝鎖を持っている多糖体のこと」であって、該抽出物は、近年研究成果の著しい抗ガン剤の一物質として注目されていること。また、東洋産のキノコについての薬効の研究は、永年に亘っておこなわれており、「マイタケ」についての研究及び「マイタケ」からの抽出分(D−Fraction)についても、本願商標出願時以前から研究が行われていたことが認められる。
ところで、近年、抗ガン剤の研究は世界的に注目を集め、その研究対象も多種に及んでおり、「きのこ」もその有力な研究対象とされている。
そうとすれば、本願指定商品に接する取引者・需要者は、本願商標が、出願人(請求人)主張のように、「『4番目の抽出工程において混合物から分離されたもの』の如き意味合いが間接的に暗示されるにとどまるものである」と認識するとみるよりは、「マイタケ」より抽出された物質を表したものと理解し、認識するとみるのが相当である。
してみれば、本願商標を、その指定商品に使用しても、単に商品の原材料又は品質を表示するにすぎないものである。また、該原材料、品質を有しない商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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