結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−30685(T2000−30685/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
1.本件商標
本件登録第3317237号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成5年4月9日に登録出願され、商標の構成を「SABRINA」の欧文字と「サブリナ」の片仮名文字を上下二段に横書きし、指定役務を第42類に属する「飲食物の提供」を含む商標登録原簿に記載のとおりの役務として、平成12年7月12日に設定登録されたものである。
2.請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証の1及び2を提出している。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務中「飲食物の提供」について、少くとも本件審判請求の日前3年間継続して、商標権者又はその使用権者の何れによっても使用されていない。
よって、商標法第50条第1項の規定により取消さるべきである。
(2)弁駁の理由
被請求人は、答弁書を提出し、本件商標はその使用権者によって「飲食物の提供」の役務に使用されており、その事実は同答弁書に添付した乙第1号証ないし同第7号証によって立証されると述べている。
しかしながら、被請求人は、本件商標は被請求人と使用許諾関係にあるル・コルドン・ブルー・カフェ(神奈川県平塚市)及びル・コルドン・ブルー料理学校(東京都渋谷区)によって使用されていると主張して、乙第1号証ないし同第7号証を提出しているところ、該ル・コルドン・ブルー・カフェ及びル・コルドン・ブルー料理学校が、被請求人と使用許諾関係にあると仮定しても、被請求人提出に係る乙各号証によっては本件商標を「飲食物の提供」の役務に使用されたことが立証されていない。
3.被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第8号証を提出している。
(1)答弁の理由
本件商標は、被請求人によって本件審判請求前3年以内に日本国内において、その指定役務「飲食物の提供」についても使用されている。
(ア)乙第1号証は、被請求人と使用許諾関係にある軽食を堤供すル・コルドン・ブルー・カフェ(神奈川県平塚市)が、平成11年4月に本件商標のもとフランス菓子を提供しているのを示し、乙第2号証は、同様に商標「サブリナ」のもとカフェ・ティー・ショコラの飲食物を提供していることを、乙第3号証では、朝食のメニューにより軽食とコーヒーを提供していることを、乙第4号証では、商標「サブリナ」というお菓子を提供していること、乙第5号証では、やはり使用許諾関係にある東京都渋谷区在のル・コルドン・ブルー料理学校・東京校において商標「サブリナ」のもとフランス料理を6,000円の値段で提供していることを、そして、乙第6号証では同校においてフランス料理の一つに「サブリナ」の商標を付して提供していること、さらに第7号証においても商標「SABRINA」を使用していることを明確に示している。
(イ)被請求人は、オードリー・ヘプバーン主演の名画「麗しのサブリナ」で、彼女が料理を身につけたモデルとなった学校がル・コルドン・ブルー料理学校であり、その世界で最も権威ある料理学校から生まれたお菓子・コーヒ−・紅茶等を上記ル・コルドン・ブルー・カフェあるいはル・コルドン・ブルー東京校にて商標「サブリナ」のもと飲食物を提供しているものである。
(ウ)本件審判事件答弁書の理由の正当性を立証するため、さらに飲食店の料理メニューを乙第8号証として提出するものである。
4.当審の判断
本件商標は、前示のとおり「SABRINA」の欧文字と「サブリナ」の片仮名文字よりなり、第42類に属する「飲食物の提供」を含む商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とするものである。
請求人は、本件商標は「飲食物の提供」につき、継続して3年以上日本国内において使用されていないと主張しているのに対し、被請求人は本件商標を「飲食物の提供」について使用している旨述べているので、以下、検討する。
(1)ル・コルドン・ブルー・カフェ(神奈川県平塚市)の使用とする乙第1号証ないし同第3号証ついて
乙第1号証は、小売業、飲食業、サービス業等の集合施設、いわゆるショッピングセンターである「平塚ステーションビル・ラスカ」発行に係る「マンスリーラスカ(MONTHLY LUSCA)」を題号とする宣伝広告用パンフレット(1999年5月号)であるところ、これの2葉目に掲載の該ショッピングセンター内の飲食店として「ル・コルドン・ブルーカフェ」なる飲食店が開店するとの案内の下、その新店舗の紹介記事に「名画『麗しのサブリナ』で、オードリー・ヘップバーンが・・・サブリナ柄のカップで供される・・・」及び「ネイビーブルーとホワイトの市松模様が話題をよびそうな“サブリナ柄”のカップ&ソーサー。」との記述は認められる。
乙第2号証は、「LE CORDON BLEU Cafe」(語末の「e」にはアクサン記号が付されている:以下同じ)を店舗名称とする飲食店の店内外の写真3場面と、これの下段に上記乙第1号証と同様の紹介記述が認められ、また、乙第3号証は、市松模様風のカップ及び皿等の食器に各種飲食物等を盛りつけた献立写真からなる朝食メニューとするものである。
しかしながら、これら乙第1号証及び同第2号証に係る「ル・コルドン・ブルー・カフェ」(LE CORDON BLEU Cafe)とする飲食店における片仮名文字「サブリナ」の使用は、オードリー・ヘプバーン主演の名画「麗しのサブリナ」と、その映画主人公「サブリナ」が料理を身につけたモデルとなった学校としての「ル・コルドン・ブルー料理学校」に携わる映画のストーリーを借りて、主演女優のオードリー・ヘプバーンないしは主人公「サブリナ」の持つキャラクターを連想させるための記述的な使用に止まるものであって、直接的に商標本来の機能である自他役務の識別標識としての使用とみることはできない。
また、該飲食店において使用する市松模様風のカップ及び皿等の食器の柄を「サブリナ柄」と称している点は認め得るとしても、該朝食メニュー(乙第3号証)には、本件商標の使用が確認し得ず、その使用を証明するものではない。
(2)ル・コルドン・ブルー料理学校(東京校)の使用とする乙第4号証ないし同第6号証ついて
乙第4号証及び同第5号証は、料理学校である「ル・コルドン・ブルー料理学校(東京校)」に係る「ル・コルドン・ブルー通信 LE CORDON BLEU 」を題号とする料理学校に関する情報誌(2000年 冬 春号、1999年 冬号)であるところ、これの掲載内容は主として、ル・コルドン・ブルー料理学校(東京校)のフランス料理・菓子講座、及び書籍「ル・コルドン・ブルーのフランス料理基礎ノート」(文化出版局)に関する案内であって、該書籍の副題として「サブリナを夢みて」の記載、該書籍を「サブリナシリーズ」としての紹介記事、及び「出版記念 サブリナ・デモンストレーション」として料理講座の開催は認められる。また、乙第6号証の該書籍の表紙と思しき頁において、「サブリナを夢みて(LE REVE DE SABRINA)」とする副題的な使用、及び料理を解説する頁において「AUBERGINES FARCIES “SABRINA”(なすのファルシ、サブリナ風)」との見出し及びレシピと共に料理名としての記載が認められる。
しかしながら、これら乙第4号証ないし同第6号証に係る情報誌及び書籍に掲載される「サブリナ」又は「SABRINA」の文字は、いずれも他の語と組み合わせ、書籍の副題、書籍のシリーズ名の一部として、又は出版記念デモンストレーションを指称するものとしての使用にすぎず、本件商標の取消請求に係る役務とは直接関係するものではなく、また、「なすのファルシ、サブリナ風」との使用は料理の特徴を表す如きものとして理解されるに止まり、これらはその使用を証明するものではない。
なお、被請求人は、該料理学校においてフランス料理を6,000円の値段で提供している旨述べているが、該料金は料理講座の受講料であり、デモンストレーションの後の試食をもって、飲食物の提供とはいえない。
(3)インボイス(乙第7号証)について
乙第7号証は、渋谷区在の「LE CORDON BLEU 」に宛てたインボイスであって、前出の乙第1号証ないし同第3号証等からして、サブリナ柄(SABRINA DESIGN)とする市松模様風の業務用カップ及び皿等の食器類に関する取り引きがされたことは推認させる。
しかしながら、該インボイスは、食器類に関する商品取引きを確認し得る程度のものであって、本件商標の取消請求に係る役務についての使用事実を証明するものといえない。
(4)料理メニュー(乙第8号証)について
乙第8号証は、「フランス地方料理巡り」と題するコース料理メニューと認められるところ、たとい、該メニューを使用する飲食店及び営業時期について不明な点をおいてみても、「・・・ de sabrina ・・・」「・・・ サブリナスタイル ・・・」の使用は、上述の「なすのファルシ、サブリナ風」と同様に料理名の一部に使用し、その料理の特徴を表す如きものとして理解されるにすぎないものであって、これを自他役務の識別標識としての使用とみることはできない。
(5)まとめ
以上のとおり、乙第1号証ないし同第8号証の各証拠中からは、被請求人が「SABRINA」及び「サブリナ」の文字よりなる商標を役務「飲食物の提供」について使用していたことを明らかにする具体的事実を示すものを見出すことはできず、これら証拠によっては、本件商標の取消請求に係る役務についての使用事実を立証するものとはいえない。その他、この認定を覆すに足りる証拠はない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定役務中の「飲食物の提供」について使用されていたものとはいえないから、結局、本件商標は商標法第50条の規定により、その登録は、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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