結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35522(T2001−35522/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4383287号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、平成11年3月15日登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品として、同12年5月19日に設定登録されたものであるが、指定商品中の「コーヒー及びココア,コーヒー豆」についての商標登録は、同13年5月29日付けの異議の決定により取り消され、同13年11月14日にその確定登録がなされたものである。
請求人が本件審判の無効の理由に引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第696970号商標(以下「引用商標A」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和40年1月6日登録出願、第29類「コーヒー、その他本類に属する商品」を指定商品として、同41年2月1日に設定登録されたものである。
(2)登録第1355811号商標(以下「引用商標B」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、昭和50年3月5日登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、同53年10月31日に設定登録されたものである。
(3)登録第2696299号商標(以下「引用商標C」という。)は、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、平成4年3月31日登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、同6年9月30日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標は、その指定商品中の『茶,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと』についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。
1.商標法第4条第1項第11号について
(1)わが国においては、味の素ゼネラルフーヅ株式会社(以下「AGF」という。)が、請求人の許諾を得て、遅くとも1975年(昭和50年)3月から現在に至るまで引用商標AないしCを「コーヒー」について使用している(甲第3号証)。
甲第4号証及び甲第5号証は、飲料メーカー等が提供する飲料商品を掲載した飲料商品ガイドの抜粋であるが、わが国で「コーヒー」を紹介する際には、必ず「マキシム/MAXIM」ブランドのコーヒーが含まれていることがわかる。また、これらの飲料商品ガイドや、AGFのホームページの商品情報(甲第3号証)によれば、「マキシム/MAXIM」ブランドのコーヒーは、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒー(コーヒー豆)、ボトルコーヒー等多岐にわたっており、かつ、それぞれにおいてブレンドや味の種類があることから、相当数の「マキシム/MAXIM」ブランドのコーヒーが存在する。昭和50年以来、このように多種多様な「マキシム/MAXIM」ブランドのコーヒーが製造、販売され続けている状況にかんがみれば、引用各商標は、本件商標の出願日である平成11年3月15日より以前に、「コーヒー」について周知となっていることは明らかである。
なお、本件商標の指定商品中「コーヒー及びココア,コーヒー豆」については、請求人がした登録異議申立(異議2000−90856号)により、商標法第4条第1項第15号に該当するとして登録が取り消されているところ、その異議決定において、「申立人(請求人)が、我が国の『味の素ゼネラルフーヅ』(AGF)を介して販売している『コーヒー』に使用される『マキシム』及び『MAXIM』の文字よりなる商標は、申立人の業務に係る商品を表すものとして、取引者・需要者の間に広く認識されているものと認められるものである。」旨記載されており(甲第2号証)、請求人の商標が周知・著名であることが認定されている。
(2)商標審査基準によれば、周知・著名の他人の登録商標と他の文字又は図形等が結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体的に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含めて、原則としてその他人の登録商標と類似するとされ、当該他人の登録商標の部分が既成語の一部となっているもの等は除くとされている。
本件商標は、「AROMAXIM」(欧文字「O」の上に山形の記号が付されている。)の文字の上に、2頭の動物が後ろ足で向かい合って立ち、前足で円を支えている図形を表してなる(甲第1号証)。
一方、引用商標Aは、欧文字「MAXIM」と片仮名文字「マキシム」を上下2段に書してなり、引用商標B及びCは、「MAXIM」の欧文字を多少ロゴ化した文字よりなる。
すなわち、本件商標の文字部分は、請求人の周知・著名な登録商標である「MAXIM」の欧文字の前に、「ARO」の欧文字を結合してなる商標であり、構成中に「MAXIM」の文字を含んでいることは明らかである。加えて、本件商標は造語であるから、その構成中に含まれる「MAXIM」部分が既成語の一部となっているともいえない。
したがって、本件商標は、周知・著名な他人の商標を一部に含むことが明らかであるから、上記引用各商標に類似するというべきである。
(3)本件商標からは「アロマキシム」の称呼が生じると考えられるが、前半の「アロ」が軽く発音され、第3音目の「マ」にアクセントが置かれるように発音されると考えられる。このようなイントネーションからすると、本件商標の称呼を耳にする需要者・取引者にとっては、アクセントを伴う後半部「マキシム」が強く印象に残るから、「マキシム」の称呼が生じる引用各商標と本件商標は、称呼上相紛らわしく類似しているといえる。
加えて、本件商標の指定商品中「茶」は、引用各商標の指定商品(昭和34年法による法区分である第29類に属する商品)と、審査基準上抵触していることが明確である。
(4)以上より、本件商標は、「コーヒー」について周知・著名である引用各商標を一部に含むことが明らかであり、かつ、称呼がそれぞれ相紛らわしいから、両者は類似すると判断すべきであり、また、本件商標の指定商品中「茶」は、引用各商標の指定商品と抵触するので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2.商標法第4条第1項第15号について
前記1.のとおり、引用各商標は、本件商標の出願日以前に「コーヒー」について既に周知・著名となっていたことは明らかである。
本件商標の指定商品「茶」は、「コーヒー」と同様の飲料業界に属する商品であり、両商品は、例えば、自動販売機等で横に並べられて販売されたり、あるいは一般食料品店、すなわち、同一店舗内で販売される可能性のある極めて関係の深い商品である。加えて、甲第5号証に示すとおり、本件商標の出願以前においても、飲料水を製造・販売する企業の多くが、「コーヒー」と「茶系飲料(紅茶、日本茶等)」の双方を製造等することが普通に行われている。また、それは「コーヒー」を主力商品としている企業(キーコーヒー株式会社、UCC上島伽排株式会社など)であろうと、主として「茶系飲料」を主力商品としている企業(日東紅茶株式会社など)であろうと、事情は変わらない。
このように、「コーヒー」と「茶」の双方を製造等することが珍しくない状態において、「コーヒー」につき周知・著名な引用各商標の欧文字「MAXIM」を含む本件商標を「茶」に使用した場合、需要者がその「茶」を請求人若しくはAGFの業務に係る商品と誤認し、又は請求人若しくはAGFと経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その出所について混同するおそれがあることは容易に推認できる。
また、本件商標の指定商品中「菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」については、例えば「コーヒーゼリー」、「モカケーキ」、「モカアイスクリーム」、「ティラミス」等、「コーヒー味」あるいは「コーヒーを使用した」商品が多数存在すると考えられる。したがって、このような商品に対して、「コーヒー」につき周知・著名な引用各商標の欧文字「MAXIM」を含む本件商標を使用すると、需要者がその商品を請求人若しくはAGFの業務に係る商品と誤認し、又は請求人若しくはAGFと経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その出所について混同するおそれがあるといえる。
現に、「コーヒー」について周知・著名であると思われる「NESCAFE(ネスカフェ)」のブランド名で、コーヒーゼリーが販売されている例もある(甲第9号証)。「コーヒー」についての知識及び技術を有したコーヒー又はコーヒー飲料の製造・販売企業が、そのノウハウを活かして「コーヒーゼリー」やその他のコーヒー味の「菓子及びパン」、コーヒー味の「即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」等の製造・販売に乗り出すことは、容易に想像できることであり、別段特異なことではない。したがって、このような企業の多角経営化、同一表示による商品化事業等を勘案すると、本件商標を「菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」に使用すると、その出所について混同を生ずるおそれがあると考える。
よって、本件商標は、その指定商品中「茶,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」については、商標法第4条第1項第15号に該当するといえる。
3.商標法第4条第1項第16号について
AGFは四半世紀を超える長きにわたり、継続的にコーヒーに引用各商標を使用しており、その販売量が膨大となることは容易に推測できるであろう。また、そもそも「MAXIM」は、請求人が1960年代にアメリカにおいてインスタントコーヒーに使用し始めた商標であるが、これは味と香りの面でインスタントコーヒーの品質を画期的に改良した「フリーズドライ製法」(急速凍結したあと真空乾燥させる製法)を初めて採用したことで知られている(甲第10号証及び甲第11号証)。
また、このように長期的に「MAXIM」印のコーヒーが製造・販売され続けていることは、そのコーヒーの品質(味、香り、製法など)に関して、需要者及び取引者から一定の信頼を得ていることを意味していると考えられる。
そうであるとすると、AGF若しくは請求人と何ら関係のない第三者の製造販売に係る「コーヒー味の菓子・パン」、「コーヒー味の即席菓子のもと,コーヒー味のアイスクリームのもと,コーヒー味のシャーベットのもと」に、引用各商標の欧文字「MAXIM」を含む本件商標が付されている場合、需要者及び取引者はAGF若しくは請求人の提供する一定の品質(味、香り、製法など)を満たしている商品であると、品質についても誤認するおそれがある。あるいは、「コーヒー味の菓子」等に限らず、それ以外の「菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」や「茶」について使用した場合にも、AGF若しくは請求人が、「コーヒー」について得ている一定の信頼(品質水準)を満たした商品であるとの誤認を、需要者に与えることになる。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4.商標法第4条第1項第19号について
前記したように、引用各商標は「コーヒー」について周知・著名である。そして、本件商標の商標権者は食品業界に属する企業であるから、周知・著名である引用各商標の存在を出願前に知っていたものと推認できる。また、出願商標の選択の幅は広く、しかも造語の場合には、いかようにも言葉を組み合わせることが可能であるにもかかわらず、本件商標の商標権者は、食品業界において周知・著名な「MAXIM」を含む本件商標をあえて選択したと考えられる。そして、上述のとおり、本件商標と引用各商標は、相紛らわしく類似している。
これらの点にかんがみると、本件商標は引用各商標に化体した業務上の信用にフリーライドする意図、若しくはその信用を希釈化する意図、すなわち、不正な目的を持ってなされたものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
5.以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「茶,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」については、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第16号及び同第19号に該当するため、商標法第46条第1項第1号により、その登録は無効とされるべきである。
被請求人は、上記第3の請求人の主張に対し、何ら答弁するところがない。
1.商標法第4条第1項第11号について
(1)外観について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、図形と文字との組み合わせよりなるものであるのに対し、引用商標Aは、別掲(1)に示したとおり、「MAXIM」と「マキシム」の各文字よりなるものであり、また、引用商標B、Cは、それぞれ別掲(3)、(4)に示したとおり、「Maxim」の文字をやや図案化して書してなるものであるから、本件商標と引用各商標とは、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。
(2)称呼及び観念について
ア.本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と文字との組み合わせよりなるものであるところ、上段に描かれた図形部分は、特定の称呼、観念を生ずるものとはいい難いものであるから、本件商標に接する取引者、需要者は、読みやすい文字部分より生ずる称呼をもって商品の取引に当たる場合が多いというのが相当である。
そして、本件商標中の「AROMAXIM」(「O」の上部には、「^」が付されている。以下同じ。)の文字部分は、「O」の文字部分の上部に「^」が付されているとしても、その綴り文字は、同一の書体をもって同一の大きさで同一の間隔で書されているものであるから、外観上一体的に看取されるばかりでなく、これより生ずると認められる「アロマキシム」の称呼も冗長というほどのものではなく、淀みなく称呼し得るものである。
してみると、本件商標中の「AROMAXIM」の文字部分は、書された文字全体の不可分一体性は強いというべきである。
そうとすれば、本件商標は、「AROMAXIM」の文字部分に相応して「アロマキシム」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「マキシム」の称呼は生じないものといわなければならない。
また、本件商標は、構成全体からは特定の観念は生じないものであり、「AROMAXIM」の文字部分も特定の観念を有しない造語よりなるものと認められる。
イ.引用商標Aは、別掲(2)のとおりの構成よりなるものであるところ、下段の片仮名文字部分は、欧文字部分の読みを表したと容易に理解されるものであるから、これより「マキシム」の称呼を生ずるものであって、「格言、金言」などを意味するものである。
ウ.引用商標B、Cは、それぞれ別掲(3)、(4)に示したとおりの構成よりなるものであるところ、英単語の「Maxim」を書したものであることは容易に理解されるものであり、これより「マキシム」の称呼を生ずるものであって、「格言、金言」などを意味するものである。
エ.そこで、本件商標より生ずる「アロマキシム」の称呼と引用各商標より生ずる「マキシム」の称呼を比較すると、両称呼は、語頭部分において「アロ」の音の有無の差異を有するものであるから、互いに聞き誤られるおそれはないものである。
さらに、本件商標は、全体として特定の観念を生じない商標であるのに対し、引用各商標は、「格言、金言」などの観念を生ずるものであるから、両商標は、観念上相紛れるおそれはないものである。
(3)上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわなければならない。
(4)請求人は、商標審査基準で掲げている著名な他人の登録商標を他の文字とを結合した商標についての類否判断をあげ、本件商標は、「ARO」と他人の著名な登録商標である「MAXIM」とを結合したものであるから、引用各商標と類似する旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断は、対比する2の商標の有する外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察し、かつ、取引の実情を考慮して判断すべきものであるところ、本件商標と引用各商標は、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似であることは、上記したとおりである。また、後記2.で認定するように、引用各商標は、商品「コーヒー」については著名性を獲得しているものの、その著名性は、「コーヒー」及びこれと極めて密接な関係を有する商品(甲第2号証の異議の決定でいう「コーヒー及びココア,コーヒー豆」)の範囲に限定されるというのが相当である。そして、本件商標は、その指定商品中の「コーヒー及びココア,コーヒー豆」についての登録は、前記したとおり、平成13年5月29日付けの異議の決定により取り消され、平成13年11月14日にその確定登録がなされたものである。
さらに、請求人は、本件商標から生ずる「アロマキシム」の称呼は、前半の「アロ」が軽く発音され、第3音目の「マ」にアクセントが置かれるように発音されるから、その称呼中、後半部の「マキシム」が強く印象に残り、本件商標と引用各商標とは称呼上類似する旨主張するが、本件商標より生ずる称呼中、「マ」の音にアクセントが置かれるという証拠は見出せないばかりでなく、一般的にいえば、語頭部分が強く発音される場合がむしろ多いというのが相当である。
したがって、請求人の上記に関する主張は採用することができない。
2.商標法第4条第1項第15号について
(1)甲第3号証ないし甲第5号証及び甲第9号証ないし甲第11号証によれば、以下の事実が認められる。
ア.「AGF(味の素ゼネラルフーズ株式会社)」は、1973年に、味の素株式会社と請求人の前身であるゼネラルフーズ社との合併により設立された。AGFは、1975年よりわが国において、「Maxim」商標を使用したインスタントコーヒーを販売した。その後、AGFは、1977年に「マックスウェル ブレンディ」インスタントコーヒーを発売し、1978年に「マスターブレンド」レギュラーコーヒーを、1982年に「グランデージ」インスタントコーヒーを、1985年に「マキシム(MAXIM)」レギュラーコーヒーを、1987年に「マキシム(MAXIM)スペシャリティーズ炭焼珈琲」インスタントコーヒーを、1988年に「ブレンディ」ボトルコーヒー、「紅茶物語」ボトルティー、「新茶人」インスタントティーを発売、1992年に「カルテ・ノワール」及び「マキシムクイックドリップ」のレギュラーコーヒーを、1996年に「マキシムユーロパック」レギュラーコーヒーを、1997年に「ビタホット」マルチビタミン飲料を、1998年に「ブレンディ挽きたてカフェ」コーヒー飲料、「アロマイン」インスタントコーヒー、「ハーブランド」インスタントティーを発売した(甲第3号証;AGFのホームページの「AGF沿革」)。
イ.「BEVERAGE GUIDE1997/飲料商品ガイド1997」の「コーヒー・クリーム類/レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー」の項目に、引用商標Cと同一態様からなる商標を使用した商品が「味の素ゼネラルフーズ」の表示とともに掲載されている(甲第4号証)。
ウ.「BEVERAGE GUIDE1998/飲料商品ガイド」の「コーヒー・クリーム類/レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー」の項目に、引用商標Cと同一態様からなる商標を使用した商品が「味の素ゼネラルフーズ」の表示とともに掲載されている。また、「企業別商品リスト」によれば、飲料製造、販売メーカーは、「コーヒーストレート飲料」とともに「紅茶飲料」、「茶系飲料」等を製造、販売していている会社が存在する(甲第5号証)。
エ.ネスレ・スノー株式会社は、平成13年5月22日より「ネスカフェ コーヒーゼリー」を日本国内で発売した(甲第9号証)。
オ.「Maxim」は、米国New York州のMaxwell House(General Foods Corp.の一部門)製の、フリーズドライ製法によるインスタントコーヒーで、1969年に試験的に売り出したが、比較的値段が高かったために広く売れず、いったんは製造中止となったが、後に再発売された(甲第10号証;1990年発行「英和商品名辞典」)。
カ.「Maxim」は、1960年代に、アメリカでフリーズドライ製法により製造されたインスタントコーヒーあり、従来のインスタントコーヒーになかった香りをもつ商品であること(甲第11号証;平成9年11月20日発行「Green Arrow Graffitti/Made in U.S.A.」)。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、「AGF」は、主としてインスタントコーヒー、レギュラーコーヒーなどコーヒーを製造、販売する会社として、本件商標の登録出願前より、わが国において知られていたと認められるところ、その取扱いに係る「Maxim」商標を使用したインスタントコーヒーは、フリーズドライ製法により請求人によって製造されたインスタントコーヒーであることは、わが国のコーヒー取扱業者及びコーヒーの愛好家においても知られているものと認め得るところである。
しかしながら、「MAXIM」、「Maxim」等の表示は、AGFないし請求人の取扱いに係るインスタントコーヒー、レギュラーコーヒーなどのコーヒーについて使用され、コーヒーを取り扱う業界及びその需要者の間で知られているものであるとしても、該表示が使用される商品は、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒーなど極めて限定された商品であり、AGFの取扱いに係るコーヒーのうちでも一部の商品に使用されているにすぎないものである。そして、「MAXIM」、「Maxim」等の表示を使用したインスタントコーヒー、レギュラーコーヒーなどについて、どの程度宣伝広告をし、どの程度の販売量があったのかなどは、明らかでない。
してみると、引用各商標の周知著名の程度は、コーヒーの分野を越えて広く食品の分野全般にわたるものではなく、言い換えれば、商品「コーヒー」及びこれと極めて密接な関係を有する商品と認められる「コーヒー及びココア,コーヒー豆」以外の商品に「MAXIM」、「Maxim」等の表示を、AGFないし請求人以外の者が使用したとしても、AGFないし請求人の取扱いに係る商品との間に出所の混同を生ずるおそれは極めて少ないものというのが相当である。
このことは、請求人より申立があった登録第4383287号商標(本件商標)の商標登録に対する登録異議の申立てにおいて、登録異議申立人が上記登録商標について、その指定商品中「コーヒー及びココア,茶,氷」についての登録は商標法第4条第1項第11号に該当し、「コーヒー及びココア,茶,氷」以外の商品についての登録は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、上記登録商標の登録を取り消す旨主張したのに対し、異議の決定は、上記登録商標をその指定商品中の「コーヒー及びココア,コーヒー豆」についてその商標権者が使用するときは、申立人若しくはこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある旨判断したことからも首肯し得るところである。
加えて、前記1.で認定したとおり、本件商標と引用各商標とは、商標自体別のものとして看取されるものであること、「maxim」の語は、「格言、金言」を意味する英単語であり、何人も商標として比較的採択しやすいものであることなどを総合勘案すれば、本件商標をその指定商品中「コーヒー及びココア,コーヒー豆」以外の商品について使用しても、AGFないし請求人の取扱いに係る商品「コーヒー」との間に、出所の混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
(3)請求人は、本件商標の指定商品中の「茶」と商品「コーヒー」は、販売場所、製造業者を共通にする場合が多く、また、同じく指定商品中の「菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」は、コーヒーを原材料に使用するものが多く存在し、企業の多角経営が普通に行われている現状を考慮すると、本件商標をその指定商品中「茶,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」に使用した場合は、AGF若しくは請求人、又はこれらと何らかの関係を有する者の業務に係る商品との間に出所の混同を生じさせるおそれがある旨主張する。
確かに、缶入りの茶飲料やコーヒー飲料、あるいはいわゆるペットボトル入りの茶飲料やコーヒー飲料などのように、そのまますぐに飲める商品について、同一の自動販売機で販売されていること、飲料製造業者が「コーヒーストレート飲料」とともに「紅茶飲料」、「茶系飲料」等を製造、販売していている場合もあること、コーヒーを原材料に使用した食品が存在すること、及び企業の多角経営が普通に行われていることは認め得るとしても、前記したとおり、「MAXIM」、「Maxim」等の表示の著名の程度は、コーヒーの分野を越えて広く食品の分野全般にわたるものではなく、引用各商標の著名性の程度、本件商標と引用各商標とが商標において非類似であること、「MAXIM」、「Maxim」等の表示を使用した「インスタントコーヒー、レギュラーコーヒー」等が「紅茶飲料」、「茶系飲料」等とともに自動販売機で現実に販売されているという事実は見出せないことなどを併せ考えると、本件商標をその指定商品中「茶、菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」について使用しても、請求人及びAGF、又はこれらと何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品との間に、商品の出所について混同を生じさせるおそれは極めて少ないものといわざるを得ない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
4.商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、前記1.で認定したとおり、構成全体として特定の観念を有しないものであり、また、「AROMAXIM」の文字部分についても造語よりなるものと認められるから、これをその指定商品中の「茶,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものである。
5.商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用各商標とは、前記1.のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標である。
6.むすび
以上によれば、本件商標は、その指定商品中の「茶,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」についての登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第16号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。