Trademark Appeal Case
語尾音の称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第15770号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ELMER’S」の文字を書してなり、平成7年10月31日に登録出願、その指定商品については、平成8年8月8日付けをもって手続補正書が提出され、第16類「プラスチック製包装用紙・同袋,事務用機械器具,取扱い説明書,指導書,紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,紙製幼児用おしめ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,装飾塗工用ブラシ,封ろう,マーキング用孔開型板,観賞魚用水槽及びその附属品」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1008360号商標(以下「引用商標A」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和45年4月1日に登録出願、第1類「のりおよび接着剤、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和48年4月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく登録第2143635号商標(以下「引用商標B」という。)は、「エルマージュ」の文字を書してなり、昭和61年11月1日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成1年5月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく登録第2481516号商標(以下「引用商標C」という。)は、「ELLMAGE」及び「エルマージュ」の文字を二段に書してなり、平成2年4月27日に登録出願、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「ELMER’S」の文字よりなるから、該文字に相応し「エルマーズ」の称呼が生ずるものと認められる。
一方、引用の各登録商標をみると、引用商標Aは、別掲のとおり、図形と文字との組み合わせよりなるものであるが、図形又は文字の各部分はいずれもそれ自体独立して自他商品を識別する標識としての機能を果たすものとみられるところ、図形部分は直ちに特定の称呼、観念を生ずるともいいえないものであるから、該商標に接する取引者、需要者は、見易く読みやすい文字部分に着目し、該文字部分をもって取引にあたる場合がむしろ多いものとみるのが相当である。そして該文字部分は、本願商標と同一の綴りであり、これより「エルマーズ」の称呼が生ずること明かである。
してみれば、本願商標と引用商標Aとは、「エルマーズ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定商品においても本願商標の指定商品は、引用商標Aの指定商品と同一又は類似の商標を含むものである。
次に、引用商標B及びCは、それぞれ前記したとおりの構成よりなるから、その構成文字に相応し、いずれも「エルマージュ」の称呼を生ずるものである。
そこで、本願商標より生ずる「エルマーズ」の称呼と引用商標B及びCより生ずる「エルマージュ」の称呼とを比較するに、両者は称呼識別上重要な要素を占める語頭音を含む「エルマー」の4音を共通にし、異なるところは語尾の「ズ」と「ジュ」の音の差にすぎず、該差異音とても、共にサ行の濁音であることおよび、拗音「ジュ」が母音「u」を伴うことから、両音は母音「u」をも共通とする近似した音となるため、それぞれを一連に称呼するときは全体の語調、語感が近似したものとして聴取され、取引上彼此聴き誤るおそれがあるものである。
してみれば、本願商標と引用商標B及びCとは、称呼上類似の商標と認められ、かつ、その指定商品においても本願商標の指定商品中には引用商標B及びCの指定商品と同一又は類似の商品が含まれているものと認められる。
以上のとおり、本願商標は、引用の各登録商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似の関係にあるから、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとしてその出願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、本件審判の請求の理由において、引用各登録商標について、近日中に移転の手続をとるので本件の審理を猶予するよう述べているところ、引用商標の商標登録原簿を徴するも、既に相当の期間(審判請求時からは約3年7月、原審の意見書提出からは約4年5月)が経過しているにもかかわらず、出願人(請求人)と引用の各登録商標の商標権者は合致するところがないから、これ以上、本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと認め、審理を進めることとした。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。