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Trademark Appeal Case

称呼の末尾音の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第7430号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、パリ条約に基づくフランス国を最初の出願(1996年7月23日)とする優先権を伴う商標登録出願とし、平成8年8月23日に登録出願されたものである。

そして、願書記載の指定商品については、平成10年6月15日付けの手続補正書により、第14類「金及び金合金,その他の貴金属,貴金属製の茶缶,その他の貴金属製食器類,貴金属製ろうそく立て及び枝付きろうそく立て,貴金属製彫刻,貴金属製像,貴金属製のたばこ入れ,その他の貴金属製喫煙用具,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶,指輪,イヤリング,カフスボタン,ブレスレット,ブローチ,チェーンネックレスその他のネックレス,ネクタイピン,メダル,その他の身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計用鎖,腕時計,目覚まし時計,懐中時計,クロノメーター,その他の時計」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1481873号商標(以下「引用商標」という。)は、「Complice」の欧文字と「コンプリチェ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、昭和52年1月20日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同56年9月30日に設定登録、その後、平成4年4月28日及び同13年9月4日に商標権の存続期間更新の登録がされているものである。

3 当審の判断

本願商標は別掲のとおりの構成よりなるところ、構成中の「C」と「M」の文字の間において、黒丸中に星形を白抜きしてなる部分は、前後の欧文字の構成から、欧文字の「O」をやや図案化したもとして容易に理解されると認められるものであって、全体として「COMPLICES」の欧文字を表したものとして認識されるというのが相当である。

ところで、「COMPLICES」の綴りからなる語は、英和辞書としては収録語数最大クラスの小学館ランダムハウス英和大辞典(株式会社小学館発行)等において、中世期の古語として紹介されているにすぎず、例えば新コンサイス英和辞典第2版(株式会社三省堂発行)においては、収録されていないものである。

また、小学館ロベール仏和大辞典(株式会社小学館発行)及び小学館伊和中辞典(株式会社小学館発行)等によれば、「共犯の、共犯者」等の意味の語として収録されている。

そうとすれば、本願商標よりは、特定の読みを直ちに想起しがたいが、このような場合、我が国で親しまれたローマ字、英語、仏語風、又は、親しまれた欧文字単語の綴りの共通部分等の読みを、該文字に想応して適宜に選択して読まれることから、これよりは、「コンプリシース」「コンプリス」及び「dolce(ドルチェ)」、「cello(チェロ)」等を参考とした「コンプリチェス」の各称呼が生ずるというのが相当である。

これに対し、引用商標は、「Complice」及び「コンプリチェ」の文字を二段に書してなるところ、下段に書された「コンプリチェ」の文字が、その称呼を特定したものと無理なく認められることから、「コンプリチェ」の称呼を生ずるものである。

そこで、本願商標から生ずる「コンプリチェス」の称呼と、引用商標から生ずる「コンプリチェ」の称呼を比較するに、両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める冒頭音を含め第5音までを共通にし、末尾音において「ス」の有無に差異を有するのみである。

そして、この差異音「ス」は、無声摩擦音であるところから明確に聴取し難いばかりでなく、聴者の印象に残りにくい語尾音であること、前音である「チェ」が明確に発音される破擦音であるため、前音「チェ」に比べ弱く聴取されることも相俟って、差異音「ス」の音の有無の差が称呼全体に及ぼす影響は、決して、大きいものということはできず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語感が近似したものとなり、両商標は、称呼において、互いに紛れるおそれのあるものというべきである。

してみると、本願商標と引用商標は、共に特定の親しまれた観念を有するともいえないものであるから、この点において比較することはできず、外観における差異を考慮するとしても、なお、称呼において互いに紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。

そして、本願商標の指定商品中「指輪,イヤリング,カフスボタン,ブレスレット,ブローチ,チェーンネックレスその他のネックレス,ネクタイピン,メダル,その他の身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものである。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができないとした原査定は妥当であって、これを取り消すことができない。

なお、請求人は、本件審判請求書において、引用商標については、譲渡交渉中である旨を述べている。そこで、職権により調査したが、相当の期間経過するも、引用商標に対して手続が行われた事実は何ら認められず、また、審判長は、交渉経緯等を詳述するよう審尋をおこなったところ、請求人は、回答書(平成13年10月9日付)において、本願指定商品を補正により限縮するべく検討中である旨を述べたが、その後、相当の期間を経過するも何らの手続もなされていないので、審理を進めることにした。

よって、結論のとおり審決する。

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