Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−18110(T2000−18110/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「できることから、始めます。」の文字を横書きしてなり、第1類「吸着剤,油・その他液体の吸収に使用する吸収剤,廃液処理剤,その他の化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」を指定商品として、平成11年7月28日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、「できることから、始めます。」の文字を書してなるところ、これは「出来ることから開始します」程の意味合いを看取させる以上に特別顕著なところはなく、キャッチフレーズの一種と理解されるに止まり、商標として認識されないものと認められるものだから、これを本願指定商品に使用するも需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
企業は、その取扱商品や企業イメージに関して、需要者に親しみやすさや好感度、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心掛けているところ、その一手段として、企業姿勢、理念、標語(キャッチフレーズ)などを採択し、それらを通じて商品の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。
そして、これらの中には、端的な宣伝文句のほか、商品や企業のイメージアップを目的とした観念的、抽象的表現もしばしば採択されているところである。
このことは、例えば、以下の各種新聞記事情報、インターネット情報においても認められるものである。
(ア)「わたしたち地球家族 できることから始めます」をキャッチフレーズにしたつどいは、公募で集まった県内の女性二十五人が実行委員会を組織、企画運営した。(1994.12.05 西日本新聞朝刊24頁)
(イ)フリースのリサイクル事例を紹介したファーストリテイリングは、回収に当たっての法制の不整備を指摘。またニットの「大量生産・大量販売には社会的責任もある。できることから実行しよう」とフリースのリサイクルも始めた考え方を示した。(2002.01.30 繊研新聞5面)
(ウ)九〇年代初頭から多くの企業が環境問題の重要性に気づき、「地球規模で考え、地域レベルで活動(できることからやる)」とスローガンで各種の対策を打ち出したが、”できることからやる”部分に重点が置かれたきらいがある。(2002.01.01 日本食糧新聞)
(エ)白元の環境派宣言シリーズは、一般消費者が手軽に環境改善に取り組めるよう開発された環境対策用品。キャッチフレーズは、「できることから、始めます。」。(http://www.wise-jp.com/b200004/chemical.pdf)
(オ)新会社とはいえ、従業員はなく、資金は親戚が出資してくれた資本金のみという状態からのスタートでした。しかし、事業創造に燃える福永氏は「やれることからはじめる」ため、まずは「自社内の強み」を見出し、その「強みを最大限に活かすことができる事業は何か」と考えました。(http://www.mydome.or.jp/aid/kakusin12/kakusin12.htm)
(カ)サンエーオリジナルマイバッグ誕生 1.基本コンセプト「環境問題はお客様と一緒に、できることから始めます」 私たちサンエーは、今年の6月から食品トレーと牛乳パックの回収を始めました。(http://www.san-a.co.jp/topix/allnews/news99-11-9.htm)
そこで、本願商標をみるに、その構成は前記のとおり「できることから、始めます。」の文字よりなるところ、前記した事情よりすれば、これをその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、自他商品識別標識として認識するというよりは、むしろ、できることから始めますといった企業理念を端的に表現したものとして理解するに止まると認められるから、結局、需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識することができない商標というのが相当である。
なお、請求人(出願人)が挙げた登録例及び審決例は、本件とは事案を異にするので、同列に論ずることはできず、本件の参考とすることはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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