Trademark Appeal Case
「地名+発」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−9181(T2001−9181/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「盛岡発」の文字(標準文字)を横書きしてなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリ−ソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(製油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、平成12年5月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、岩手県の県庁所在地『盛岡』の文字と『出ること』等の意味を有する『発』の文字とを一連に標準文字により『盛岡発』の文字を表してなるところ、食品関係の通信販売等をみると、『地名』に『発』を付して、該商品の生産地を表していることが認められるから、これを本願指定商品に使用するときは、『盛岡で生産されたもの』を容易に認識し、商品の産地を表示するものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認めらない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は「盛岡発」の文字よりなるところ、構成文字中「盛岡」の文字は、岩手県中部、北上盆地の北部にある市。県庁所在地。(広辞苑第5版)「盛岡」の地名を表すものとして、また、「発」は、「出ること、出すこと」等を意味するものとして、いずれも普通に使用されている語であるから、本願商標は、「盛岡から出ること」あるいは「盛岡から出すこと」を表すものと容易に理解されるものである。
ところで、近年、「○○発」なる文字は、商品の産地、販売地を表すものとして使用されている事実があり、例えば、新聞紙面においては、2002年2月26日付け読売新聞(東京朝刊、35頁[近県NEWS]の見出しで「即席じゃじゃめん、冷めん人気(岩手) じゃじゃめんと冷めんの即席めんが県内で人気を呼んでいる。作ったのは安代町の『北舘製麺』。『本場盛岡冷麺』と『盛岡発じゃじゃ麺』=いずれも280円(税別)=の名前で売り出した。湯切りしてからミソだれやキムチスープと混ぜる・・・」の記載がみられ、また、1999年9月24日発行の毎日新聞の地方版/岩手、「〔街・ひと・はなし〕食欲の秋 新しい味を求めて――盛岡/岩手の見出しで「地場産品のPRと郷土料理の新たな提案を目指して」『盛岡発−創作ひっつみ料理コンクール』(市農業まつり実行委主催)が23日、市内で開かれた。・・・」の記載が見られる。また、1995年6月12日発行の日本食糧新聞に、「はこだてわいん鹿追産のイチゴワイン『然別湖物語』発売」の見出しで「(株)はこだてわいん(・・・)は1日から、果実酒『十勝発・鹿追いちごわいん然別湖物語』(ロゼ)を・・・」の記載が見られる。
さらに、近年、「○○発」なる文字が郵便局の「ゆうパック」を利用した通信販売のカタログ、ちらし等に多数使用されている事実があり、例えば、菓子に「横濱發」なる文字が、魚貝類に「北海道発」なる文字が使用され、産地、販売地を表示しているものと認められるもので、食料品でも「生ラーメン」の袋に「北海道発」、「喜多方発」なる文字が使用され、その地で産地、販売地を表示する商品であることを表すものとして、使用されていることが認められるものである。
そうとすれば、「盛岡発」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、上記実情から、該商品が「盛岡で製造し発売されたもの」であること、すなわち商品の品質、産地又は販売地を表示するものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。
なお、請求人は証拠として甲第1号証ないし甲第27号証を提出して本願商標は請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されており自他商品識別標識としての機能を有していると主張しているが、
上記書証は、証明に係る商標について、周知著名である旨をあらかじめ用意された書式に従い証明したにすぎないものであり、いかなる根拠にもとづいて周知著名性を認定したか不明確なものであるから、上記書類によっては、需要者の間に広く認識されているとは認められない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。