結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2001−90627(T2001−90627/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4477322号商標(以下、「本件商標」という。)は「JNOC」の欧文字を横書きしてなり、平成12年8月1日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、同13年5月25日に設定登録されたものである。
本件登録の異議の申立てがあった結果、本件商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。
<取消理由>
平成14年3月7日付け拒絶理由通知書をもって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第3263372号商標(以下、「引用商標」という。)は、「JNCO」の欧文字を横書きしてなり、平成6年1月21日登録出願、第25類「半ズボン,その他のズボン,ジャケット,ワイシャツ,ティーシャツ,その他の被服,短靴,その他の履物,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年2月24日に設定登録されたものである。
しかして、本件商標は「JNOC」、引用商標は「JNCO」のアルファベット4文字より構成されており、両商標は前2文字「JN」を共通にし、その後に続く「OC」と「CO」の文字は、「O」と「C」の文字が入れ替わった構成よりなるものである。
そして、「C」の文字は、「O」の文字の右側面が開口した形状よりなるものであるから、「C」と「O」の文字は外観上よく似た形状であるといえる。
してみれば、共にアルファベット4文字構成で前2文字「JN」を共通にし、その後に続く文字がよく似た形状の「O」と「C」の文字の入れ替わった構成よりなる両商標を、時と所を異にして離隔的に観察した場合、外観上相紛れるおそれがあるとみるのが相当である。
また、本件商標の指定商品中「仮装用衣服」を除いたその他の商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中「仮装用衣服」を除いたその他の商品については、商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、その登録は取り消すべきものである。
1.「JNOC」の欧文字を横書きしてなる本件商標からは、乙第1号証(織研新聞社発行の「ファッションブランドガイド SENKEN FB2001」)に示すとおり、「ジェノック」の明瞭な称呼を生ずるものであり、当該明確な称呼をもって実際の商品流通市場において自他商品の識別機能を充分に奏しているものであるから、引用商標との誤認・混同は起こり得べくもなく、本件商標は何ら商標法第4条第1項第11号の規定には抵触するものではない。
すなわち、「JNCO」の欧文字を横書きしてなる引用商標からは、多く云うまでもなく「ジェイエヌシーオー」のみの称呼を生ずるものであることは挿疑の余地がなく、本件商標から生ずる「ジェノック」の称呼とは明瞭に聴別することができるものである。
2.最近においては、固定電話ないし携帯電話等の通信手段を用いた口頭による商取引が普及していると共に、ラジオ等による広告宣伝手段の普及等により文字商標が増加して類似要素としての称呼のウェイトは急速に高まっているものであり、本件商標から生ずる上記「ジェノック」の称呼と、引用商標「JNCO」から生ずる「ジェイエヌシーオー」の称呼とは、明確に峻別することができるものであり、両商標はその発音上の明らかな相違により外観を越えて彼此を充分に識別することができるものである。
3.取消理由通知書において、「C」の文字は、「O」の文字の右側面が開口した形状よりなるものであるから、「C」と「O」の文字は外観上よく似た形状であるといえる、とされているが、英語の普及度合いの著しい現今において「C」と「O」を見誤る者は皆無に近いものと思料する。特に、本件商標は乙第1号証から看取されるように、アルファベットに習熟した22歳から26歳のOLをターゲットにしたブランドであり、当該主たる購買層がアルファベットの「C」と「O」を混同する等とは到底考えられないところであると共に、本件商標「JNOC」と引用商標「JNCO」を視覚的に混同することもないものと確信する。
4.本件商標の所有者である株式会社ニットファクトリーは、乙第1号証に示すとおり、既に本件商標をセーター,カーディガン,ニット&カットソーの関係で使用しており、「ジェノック」の称呼、観念により前記したとおり自他商品の識別機能を充分に奏しているものであるところ、平成13年5月25日の設定の登録後1年も経たずに、しかも異議申立人の業務に係る指定商品との誤認混同が何ら証明されないままに軽々しくその登録が取り消されるというのは商標権者としては全く納得できるものではない。
5.以上要するに、本件商標と引用商標とは、その文字構成を異にしていて、外観的に両者を見誤るおそれはないと共に、称呼、観念的にも明らかに相違しており、たとえ指定商品について同一性が認められるとしても、商標自体を彼此異にしている限り、本件商標が商標法第4条第1項第11号の規定に該当することはなく、本件商標の登録が取り消されることには到底承服することができない。
1.本件商標と引用商標との構成の比較検討
(1)本件商標と引用商標との外観、観念について
両商標は前記のとおりの構成よりなるものであって、いずれも欧文字4文字よりなるものであり、かつ、特定の語義を有しない造語よりなるものと認め得るものである。
そして、両商標はいずれも同一の欧文字4字で、しかも「J」「N」が1字及び2字に位置し、後の3字及び4字が本件商標では「O」「C」、引用商標では「C」「O」と入れ替わったにすぎない構成である。
また、「C」の文字は、「O」の文字の右側面が開口した形状よりなるものであるから、「C」と「O」の文字は外観上よく似た形状であるといえるものである。
このように4字という短い字数を横書きした構成の標章において、看者に最も強い印象を与えるものと推認される左側2文字の「JN」を共通にし、その書体も酷似し、しかも残余の2文字においてよく似た形状の「O」と「C」の文字が、3文字目と4文字目が入れ替わっているにすぎない場合にあって、時と所を異にして離隔的に観察するときは、両商標が前記したとおり、共に特定の語義を有しない造語であることと相まって、取引者、需要者に商品の出所について誤認、混同を生ぜしめるおそれがあるものとみるのが相当であるから、両商標は、外観上類似する商標といわなければならない。
(2)本件商標と引用商標の称呼について
本件商標は前記したとおり「JNOC」の文字を書してなるものであるところ、欧文字を綴り合わせてなる一連の成語を形成するものではなく、「J」「N」「O」「C」のアルファベット4文字を羅列してなるものというべきであるから、その構成文字に相応して「ジェイエヌオーシー」の称呼を生ずるものと判断するのが相当である。
これに対し、引用商標は前記したとおり「JNCO」の欧文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「ジェイエヌシーオー」の称呼を生ずるものと認められる(この点は、請求人も意見書において認めているところである。)。
そこで、両称呼を比較するに、両称呼は共に同数音からなり、前半部の「ジェイエヌ」を共通にし、後半部の「オー」「シー」が相互に置き換えられた関係にあるものであるところ、「オー」と「シー」それ自体は音感を異にするものではあるが、両商標を一連に称呼する場合、両商標はその構成において、前記(1)のとおり、共に同数音からなり、単に後半部の順序が入れ替わったにすぎず、ことに前半部の「ジェイエヌ」が看者に強く印象づけられる結果、両称呼の語調語感が近似し、そのいずれかであるかを区別しがたい程度に相紛らわしいものというのが相当であるから、両商標は、全体として称呼上類似する商標といわなければならない。
(3)してみれば、本件商標と引用商標とは、観念においては共に造語であるから、比較することができないが、外観及び称呼において、類似する商標といわなければならない。かつ、本件商標の指定商品中「仮装用衣服」を除いたその他の商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。
2.商標権者の主張
商標権者は、本件商標は、「ジェノック」と称呼されるものであるから、引用商標とは明瞭に聴別できること、現今において、「C」と「O」を見誤るものは皆無に近い旨主張している。
しかしながら、本件商標は、造語であることは前記したとおりであり、英語としてわが国において馴染みの薄いものといえるから、その英語上の正確な発音をすることは困難であろうと容易に推測し得るところである。そして、商標の称呼はその商標の構成自体から最も呼びやすいものが選ばれるのが自然であるから、本件商標から「ジェノック」の称呼のみしか生じないということはできないし、本件商標が「ジェノック」と称呼され周知であることは提出された証拠のみからはうかがうことができない。
また、外観上の類似において、離隔的に観察するときは、その観察は、普通の知識を有する商品需要者が商品を購買するに当たって普通に用いる注意を標準とすべきものであり、両商標が商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれがあることを否定することはできないというべきであるから、商標権者の主張は採用することができない。
3.結語
したがって、本件商標は、その指定商品中結論掲記の商品については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとし、その余の指定商品「仮装用衣服」については、取り消すべき理由がないから、同4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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