Trademark Appeal Case
商標称呼の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90089(T2002−90089/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4520714号商標(以下「本件商標」という。)は、「QUALIA」の欧文字と「クオリア」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第29類及び第33類の商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年1月4日に登録出願、同13年11月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
(1)引用商標
異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第3038540号商標(以下「引用商標」という。)は、「QUALY」の欧文字を書してなり、第29類「食用油脂、食肉、肉製品」を指定商品として、平成4年9月30日に登録出願、同7年4月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について
(ア)称呼における類否
商標の称呼類否判断にあたっては、比較される両称呼の音質、音量及び音調並びに音節に関する判断要素、すなわち称呼上の類否にあたって考慮すべき要素等の原則や音声上の判断要素を考慮すべきである。
そして、本件商標からは「クオリア」の称呼が生ずる一方で、引用商標からは「クオリィ」の称呼が生ずることから、比較する称呼が1音のみにおいて相違するといえる。両者は、いずれも語頭の「ク」にアクセントを有し、強めに発音される前半部分「クオ」の2音を全く共通にし、後半部分はそれぞれ「リア」、「リィ」と発音される。これらを比較するとき、「ア」と「ィ」とは、共に単母音として独立的に発音させるものであって、日本語では「ア」、「イ」、「ウ」、「エ」、「オ」の5音を母音と定めてこれを音声の基本の音としており、母音である5音は各々明確な音を持ち相互に混同することのない特徴を有し、音声学的に見ても「リア」と「リィ」が彼此混同されるおそれがないと云われているが、両者からは「クオリア」及び「クオリィ」の一連不可分の称呼を生ずるものであるから、両称呼の類否は、全体的な配列構成音や語調、語感等を吟味すべきところ、商取引上需要者一般の間には、地域・習俗・年齢・生理などが手伝って言語生活の地域差・年時差・個人差があるから、そこからくる転訛・発声上の混同・ゆがみ・聞き違えも予想できるので「リア」「リィ」間の類似性は否定するものとはいえない。
してみれば、本件商標と引用商標とは称呼において類似する商標であり、かつ指定商品も同一若しくは類似の商品であるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおりの構成からなり、「QUALIA」の欧文字部分及びその字音を表した「クオリア」の片仮名文字部分より、「クオリア」の称呼を生ずるというのが相当である。
他方、引用商標は、前記のとおり「QUALY」の欧文字からなるものであるところ、該語は特定の語義を有しない造語を表したものと認められ、このような場合、我が国で最も親しまれている英語風に発音されることも少なくないからこれを英語風に発音すると、構成中の「QUA」については「quality」(質、属性)が「クオリティ」と発音されるように「クオ」と発音され、「LY」については名詞に付して副詞を形成する接尾辞「ly」が例えば「kindly」のように「リー」と発音されることに倣えば、「QUALY」よりは「クオリー」の称呼を生ずるというのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「クオリア」の称呼と引用商標より生ずる「クオリー」の称呼とを比較するに、両称呼は全体として4音と3音という音構成上の差異を有し、それぞれの構成音も「クオリ」の音を同じにするが、一方が「リ」の音に続き「ア」の音を伴い、他方は「リー」と長音を伴っていることから「ア」と「リ」の母音「イ」の音の差異を有し、「ア」音が口を広く開け舌を低くく下げ、その先端を舌歯の歯茎に触れる程度の位置に置き声帯を振動させて発する震わせて前舌先を高めて硬口蓋に接近させて発音する母音(a)であるのに対し、「イ」が唇を平らに開き、舌の先を下方に向け前舌先を高めて硬口蓋に接近させて発する母音(i)であり、それぞれ音質を異にするから、該差異音が比較的短い両称呼全体に及ぼす影響は小さくなく、それぞれを一連に称呼した場合には全体の語調、語感が異なり、称呼上十分聴別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、外観上互いに区別し得る差異を有し、また、両者はいずれも造語よりなるものと認められるものであるから、観念上は比較すべくもないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観および観念のいずれの点おいても相紛れるおそれのない非類似の商標と言わざるを得ない。
(2)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「食肉、肉製品、食用油脂」について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたと認められないから、同法第43条の3項第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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