Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90119(T2002−90119/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4524381号商標(以下「本件商標」という。)は、「UPM Max」の文字を書してなり、第16類「印刷用紙、筆記図画用紙、印刷物、文房具類(「昆虫採集用具」を除く。)」を指定商品として、平成11年3月2日に登録出願、同13年11月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
(1)引用商標
異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1965445号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、昭和60年3月15日に登録出願、同62年7月23日に設定登録され、その後、平成9年6月17日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、欧文字で左から右へ「UPM Max」と横書きしてなり、前半の「UPM」部分と後半の「Max」部分との間に一文字分の空白があるところから、前半部分の「UPM」と後半部分の「MaX」部分に分けて認識される。まず、前半部分の「UPM」は、簡単な英単語の中から見つけることができない上に、ローマ字の熟語としての読み方をすることもできないことから、アルファベットの羅列と解釈して、「ユーピーエム」と称呼することとなる。また、後半部分の「Max」は「マックス」の称呼が自然と発生する。してみると、本件商標「UPM Max」は、「ユーピーエムマックス」の称呼を自然と生ずることとなる。
また、本件商標「UPM Max」は、前半の「UPM」部分と後半の「MaX」部分との間が一文字分離れており、また、「UPM」部分はすべて大文字で表されている。また「Max」部分は「M」文字のみが大文字で表され、「ax」文字は小文字であらわさているところから、前半の「UPM」部分と後半の「Max」部分とに分割して認識される。そのため、取引者及び需要者が本件商標を認識する場合にも、「UPM」部分と「Max」部分とに分割して認識することとなり、それぞれ「ユーピーエム」及び「マックス」の称呼が発生することとなる。それゆえ、取引者及び需要者は称呼し易い部分をそれぞれに選択して、「UPM」あるいは「Max」を抽出して、「ユーピーエム」あるいは「マックス」と称呼することとなり、英単語として親しまれている「Max」部分に着目し、「マックス」の称呼を生ずることも少なくない。
また、出願人は、意見書(甲第3号証)で、本件商標「UPM Max」は「UPM」部分及び「Max」部分の2つの文字群からなっており、「Max」部分が独立した部分である旨を主張している。それゆえ、本件商標「UPM Max」は[UPM」部分及び「Max」部分に分離分割して認識されること明白であり、「Max」部分に着目し、単に「マックス」の称呼が生じることも少なくない。
ところで、本件商標の出願人は、前記意見書において述べている通り、「Max」部分は「最高級」を表すものであるので、出所表示機能は全くないと主張しているが、実際に「MAX」は、昭和34年法の第25類等多くの商品区分において、登録になっている。このことは、まさに、商標としての機能を有することを万人が認めていることに他ならない。そこで、その登録例を甲第4号証として提出する。
以上により、本件商標「UPM Max」は、「ユーピーエムマックス」の他に単に「マックス」の称呼を生じるものである。
一方、引用商標「MAX」は「マックス」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、共に「マックス」の称呼を共通
にする類似の商標であるから、その称呼において類似の商標である。
(3)商標法第4条第1項第15号の該当性について
本件商標「UPM Max」は「UPM」と「Max」の間のー文字分の空白により、「UPM」と「Max」に分離されて見られる。前述した通り後半の「Max」部分が独立した部分と認められ、取引者及び需要者の注意も後半の「Max」部分に集中することから、商標としての識別性を有することが認められているものである。
さらに、本件指定商品である「文房具類」との関係で言えば、申立人は本件商標の「文房具類」において、「ホチキス」、「パンチ」、「ナンバリング」、「クリップ綴じ具」等を製造販売しており、甲第5号証として提示した「東洋経済/統計月報 ’98.11」(発行:東洋経済新聞社)の12ページにおいて品目名「ホチキス」が、その部門においてトップシェアであることを客観的に報告している。そして、申立人の商号の略称で有り、営業標である「MAX」標章のもとに、これらの文房具類を製造販売しており、申立人の略称あるいは商標として「MAX」及び「マックス」は広く商取引者及び需要者間に認識されている。すなわち、申立人は商取引者及び需要者に「マックス」と称呼され広く親しまれており、「MAX」及び「マックス」は本件商標の「文房具類」の分野においても有名及び著名な商標であることは明白であり、甲第6号証として提示している1998年に刊行された「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN」(日本有名商標集発行:AIPPI)の345ページに申立人の営業標が掲載されていることも、著名商標となっている証拠のーつであることを示している。
そのため、本件商標をその指定商品の「文房具類」に使用すると、商取引者及び需要者は、該商品が申立人の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、「UPM Max」の文字を書してなるところ、当該文字は、外観上まとまりよく一体的に表されており、殊更これを「UPM」と「Max」との文字部分に分離し称呼、観念しなければならない特段の事由が存するとも認められないばかりでなく、これより生ずると認められる「ユーピーエムマックス」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標は書された文字全体に相応して「ユーピーエムマックス」の一連の称呼のみを生じ、特定の語義を有しない造語を表したものとみるのが相当である。
他方、引用商標は黒の長方形内に白抜きで「MAX」の欧文字を書してなるものであるから、これよりは「マックス」の称呼と「最大限」の観念を生じさせるものと言うのが相当である。
そして、本件商標より生ずる「ユーピーエムマックス」の称呼と引用商標より生ずる「マックス」の称呼とは、語頭部において「ユーピーエム」の音の差異を有するものであるから、称呼上十分に聴別し得るものである。
また、両商標は、外観上互いに区別し得る差異を有し、さらに、観念については各々上記したとおりのものであるから、観念上比較すべくもないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものである。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
本件商標と引用商標とが商標において類似するものでないこと上記(1)認定のとおりである。
してみれば、申立人の引用商標が「ホチキス」に使用するものとして需要者間に広く知られているとしても、本件商標と引用商標とは商標が著しく相違するものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人及び申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、需要者間に商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものと言わざるを得ない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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