Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90015(T2002−90015/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4512049号商標(以下「本件商標」という。)は、「Citras Diet」の欧文字を標準文字で書してなり、第30類「コーヒー及びココア、コーヒー豆、茶、調味料、香辛料、食品香料(精油のものを除く)、米、脱穀済みのえん麦、脱穀済みの大麦、食用粉類、食用グルテン、穀物の加工品、ぎょうざ、サンドイッチ、しゅうまい、すし、たこ焼き、肉まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、べんとう、ホットドッグ、ミートパイ、ラビオリ、菓子及びパン、即席菓子のもと、アイスクリームのもと、シャーべットのもと、アーモンドペースト、イーストパウダー、こうじ、酵母、ベーキングパウダー、氷、アイスクリーム用凝固剤、家庭用食肉軟化剤、ホイップクリーム用安定剤、酒かす」及び第32類「ビール、清涼飲料水、果実飲料、飲料用野菜ジュース、乳清飲料、ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成12年9月21日に登録出願、同13年10月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
(1)引用商標
異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4325972号商標(以下「引用A商標」という。)は、「CITRA」の欧文字と「シトラ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第32類「清涼飲料、果実飲料(トマトジュースを除く。)を指定商品として、平成10年3月10日に登録出願、同11年10月15日に設定登録され、同登録第4325963号商標(以下「引用B商標」という。)は「CITRA」の欧文字を標準文字で書してなり、第32類「清涼飲料、果実飲料(トマトジュースを除く。)」を指定商品として、平成10年1月23日に登録出願、同11年10月15日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について
(ア)本件商標の称呼について
本件商標は、上記のような構成からなり、これより「シトラスダイエツト」の称呼が生じる。また、その構成中の「Diet」の文字は、「低力ロリ一」食品という意味を有する語として広く馴染まれている(甲第4号証、甲第5号証、甲第6号証)。したがって、「Diet」の語は、本件商標の指定商品である清涼飲料水等に関し、低カロリーであるというその品質を意味する自他商品識別力のない用語である。
そして、本件商標は欧文字「Citras」及び「Diet」から構成されているといっても、自他商品識別力があるのは主として「Citras」の部分であり、本件商標からは「シトラス ダイエット」のみならず「シトラス」の称呼が生じるとともに、外観についても、「Citras」の部分が、自他商品識別標識として取引者・需要者に強く印象付けられ、記憶されるものである。
(イ)引用商標の称呼について
引用A、B商標からは「シトラ」の称呼が生ずることはいうまでもない。 また、引用A商標の構成中、片仮名文字「シトラ」は、欧文字「CITRA」の読み仮名を表したに過ぎないため、欧文字の「CITRA」の部分が独立して注意を強く惹くものである。
(2)本件商標と引用商標との比較について
(ア)称呼について
本件商標より生ずる「シトラス」の称呼と引用A、B商標より生ずる「シトラ」の称呼を比較すると、両者の相違点は、語尾の「ス」の有無のみである。そして、語尾の「ス」は、声帯が振動せずに発せられる無声摩擦音でありそもそも聴覚上明瞭でないため、前音に吸収されて、聴覚されにくいものである。また、両者は、アクセントの位置も「シ」の部分にある点で共通しているものである。
したがって、本件商標は引用A、B商標とその称呼において近似し、相紛らわしい類似の商標であること明らかである。
(イ)外観について
本件商標を構成する「Citras」の外観と引用A、B商標を構成する「CITRA」の外観とを比較するところ、両者の相違点は、本件商標を構成する「Citras」が「C」のみが大文字でそれ以外の文字も小文字で構成されているのに対し、引用A、B商標を構成する「CITRA」は全て大文字から構成されている点、末尾の「s」の有無のみである。
一般に、大文字、小文字の差は、通常の取引において当然変更して使用することが考えられている範囲内での差異にすぎず、この差異が商標の外観に与える影響は極めて小さいものである。また、末尾の「s」は英語においては複数形であることを意味するが、日本語において複数形の概念は存在しないため、我が国の需要者は、末尾の「s」を特に意識しない傾向が強く、この末尾の「s」の有無が商標の外観として記憶に与える影響は極めて小さい。
したがって、本件商標と引用A、B商標とは外観においても近似し相紛らわしい類似の商標である。
(ウ)指定商品について
本件商標と引用A、B商標の指定商品は、前記したとおりであるから、同一又は類似のものである。
(エ)したがって、本件商標は、商標法第4条1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、「Citras」と「Diet」間に一文字程度の間隔を有するものの、同書、同大で一連に横書きしてなるものであり、殊更これを「Citras」と「Diet」との文字部分に分離して称呼、観念しなければならない特段の事由が存するとも認めらないものであって、その構成文字全体より生ずる「シトラスダイエット」の称呼もそれ程冗長なものとはいえず、淀みなく一連に称呼し得るものであるから、構成中の「Diet」の文字が「低カロリー食品」の意味を有する語であるとしても、かかる構成においては全体として一連に造語を表したものとみるべきであり、その構成全体に相応し「シトラスダイエット」の一連の称呼を生じ、特定の語義を有しない造語を表したものというのが相当である。
他方、引用A商標は「SITRA」「シトラ」の各文字を二段に書してなり、また引用B商標は「CITRA」の文字を書してなるものであるから、これらよりはいずれも「シトラ」の称呼を生じ特定の意味合いを有しない造語を表したものと認められるものである。
そうとすれば、本件商標より生ずる「シトラスダイエット」の称呼と引用各商標より生ずる「シトラ」の称呼とは、「シトラ」の音を共通にするものの、他の構成音「スダイエット」の差異を有し、該差異がそれぞれの称呼全体に及ぼす影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼したときには語感、語調が異なるから、本件商標と引用商標は称呼上十分聴別し得る非類似の商標といわなければならない。
また、本件商標と引用各商標との外観を比較しても、それぞれの構成文字の字形及び文字数の相違により視覚的に区別できる差異を有するものであるから、外観上も互いに区別し得るものである。
さらに、両者はいずれも造語よりなるものと認められるものであるから、観念上は比較し得ないものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と言わなければならない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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