結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30420(T2001−30420/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3080156号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおり「EIU−II」(「II」はローマ数字で算用数字の2に当たる。以下、同じ。)の構成よりなり、第9類「理化学機械器具、測定機械器具、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、電子応用機械器具及びその部品、防火被服」を指定商品として、平成7年10月31日登録されたものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、電子応用機械器具及びその部品、及びこれらの類似商品』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。(1)被請求人は、本件審判請求前3年以内に日本国内において本件商標を商品「写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、電子応用機械器具及びその部品、及びこれらの類似商品」について使用していない。よって、本件商標は商標法第50条の規定により、請求の趣旨記載の通り取消を免れないものである。
(2)被請求人と契約関係にあるという株式会社クラボウテクノシステムへの注文書(甲第2号証ないし甲第7号証)の「EIU−II」の記載については、これは商標とはいえないものである。
ここではいずれも「エンドターミナル中継装置」の後に括弧書きで「EIU−II」と記載されているが、このような記載方法は単に、「エンドターミナル中継装置」という商品の普通名称が長いために、これを「EIU−II」と記号で略すことを表しているに過ぎない。すなわち、ここにある「EIU−II」は単なる商品の記号表示であるため、それが「エンドターミナル中継装置」であることが分かればよいのであって、この表示が自他商品の識別標識として機能するものではない。たとえ「EIU−II」の表示があったとしても、これほどまでに定型化された注文書では、買主も単なる商品記号として「EIU−II」を認識するに過ぎない。注文書の中には「固定ディスク(4GB)」という表示もあり、「4GB」が記号・品番表示であることは明らかであるが、「EIU−II」の表示も位置付けとしてはこの「4GB」と同じであり、これを商標的な使用ということはできない。
また、カタログ(甲第14号証)のシステム仕様表の「エンドターミナル中継装置(EIU)」の「EIU」も、その上の「エンドターミナル(ET)」の「ET」が商標でないのと同様、商標ということはできない。結局、商品名の後に括弧書きしてあるような「EIU−II」表示では、上記「4GB」や「ET」と同じ位置付けなのであって、単にシステムの一構成要素である「エンドターミナル中継装置」を記号化しているに過ぎないので、これをもって商標の使用ということはできない。
被請求人は、あるいはカタログの写真や商品の説明書(甲第15号証)をもって直接的な商標の使用を証明するものかもしれない。しかし、カタログの写真に「EIU−II」の表示はあっても、このカタログ自体は1997年3月作成のものであり、これをもって本審判請求前3年以内の商標の使用が証明されるものではない。また、商品の説明書は、その作成年月日が不明である。このように、被請求人の提出した資料のうち「EIU−II」の表示があるものは、商標としての使用ではないものと、過去3年以内の使用が証明されないものばかりである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出している。
(1)被請求人と関係会社である株式会社クラボウテクノシステム(以下「テクノシステム」という。)は、本件商標を付した商品(以下「本商品」という。)等に関する製造・販売ならびに保守活動に関して契約を締結している(甲第1号証)。
契約の内容は、テクノシステムは、被請求人が開発した本商品に関する販売に最善の努力を払い販路の拡張、信用の維持、顧客に対するサービス、その他の販売活動を実施するという内容になっている。被請求人は、テクノシステムが顧客に本商品を納入し検収書を受領したときは、「技術供与料」をテクノシステムへ請求し、また、テクノシステムは本商品を円滑に稼動させるために保守契約を顧客と締結することが可能となっている。商売形態を要約すると、本商品を被請求人からテクノシステムへ販売し、そこから顧客へ販売し、保守も実施するということになっている。
テクノシステムから顧客へ売上した実績があり、顧客からの注文書については以下のとおりであって、これら注文書の中にも(5)エンドターミナル中継装置に続けて「EIU−II」の記載がされているのは明らかである。
平成10年10月8日 株式会社松井(甲第2号証)、平成10年12月8日 共友繊維株式会社(甲第3号証)、平成11年4月1日 九州カネイチ株式会社(甲第4号証)、平成11年8月20日 日南ニット株式会社(甲第5号証)、平成11年9月22日 協同組合鳥取ソーイングセンター(甲第6号証)、平成11年12月24日 株式会社むつ縫製(甲第7号証)。
また、上記の販売形態に伴い、本商品に関する顧客の検収書と被請求人からテクノシステムへ請求した「技術供与料」の請求書(控)が以下のとおりである。
甲第2号証に対応の検収書と請求書(控)(甲第8号証)、甲第3号証に対応の検収書と請求書(控)(甲第9号証)、甲第4号証に対応の検収書と請求書(控)(甲第10号証)、甲第5号証に対応の検収書と請求書(控)(甲第11号証)、甲第6号証に対応の検収書と請求書(控)(甲第12号証)、甲第7号証に対応の検収書と請求書(控)(甲第13号証)。
さらに、本商品掲載のカタログを提出する(甲第14号証)。被請求人が現在も営業活動する際には当該カタログを使用しており、カタログ中の商品の写真にも「ARIS」に続けて「EIU−II」と本件商標が記載されているのは明らかである。
「EIU−II」の商品を説明すると、この商品は、中継処理装置といわれるもので、詳細なデータ収集や見やすい管理レポート等を集計するコンピューターである。よって、「写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、電子応用機械器具及びその部品、及びこれらの類似商品」の商品の一部に該当するのは明らかである。なお、本商品説明書の系統機器構成図の中に「EIU−II」と本件商標が記載されているのは明らかである。
以上のとおり、被請求人は本件商標を、請求人に係る指定商品「写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、電子応用機械器具及びその部品、及びこれらの類似商品」について本審判請求前3年以内に使用しているので、商標法第50条の規定に該当するものではない。
被請求人が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を、取消請求に係る指定商品について使用しているとして提出した甲各号証を徴するに、甲第1号証は、被請求人とテクノシステムが平成10年10月1日に交わした縫製工場向け生産管理システムの製造・販売ならびに保守活動に関する覚書と認められる。甲第2号証ないし甲第7号証は、テクノシステムあての顧客からの注文書と認められ、同注文書の品名・規格の欄には、取引に係る品名「エンドターミナル中継装置」の記載、及び本件商標と社会通念上同一と認められる「EIU−II」の商標が記載されていることが認められる。また、甲第8号証ないし甲第13号証は、上記の甲第2号証ないし甲第7号証に対応した検収書と請求書と認められ、かつ、これら取引書類は、本件審判の請求の登録前3年以内に発行されたものと認められる。甲第14号証(97、3、1作成)のカタログ中の商品写真をみると、本件の指定商品に属する商品に「EIU−II」商標が使用されていることが認められ、かつ、「プリンタ」、「ディスプレイ」等が掲載されていることが認められる。
そして、上記甲各号証を総合すると、テクノシステムは、本件商標に関しの通常使用権者の地位にあると認めて差し支えないものである。
また、商品カタログ(甲第14号証)に徴すれば、本件商標を使用している商品は、「電子応用機械器具及びその部品」に属する「コンピュータを用いたデータ処理装置」と認め得るものである。
以上を総合勘案すると、本件商標は、通常使用権者と認められる「株式会社クラボウテクノシステム」によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「コンピュータを用いたデータ処理装置」について使用されていたものと認められる。
請求人は、甲第14号証のカタログは1997年3月作成のものであり、本審判請求前3年以内に商標の使用が証明されるものではない旨主張しているが、これらの商品カタログが過去3年以上前に作成されたものであるとしても、一つの商品カタログを何年にも亘って使用することは商品の特性上十分あり得ることであり、必ずしも短いサイクルでカタログを制作するのが本商品の常態とも言い得ないものであるから、この点に関する主張は採用できない。さらに、請求人は、注文書(甲第2号証ないし甲第7号証)に記載された標章は、商標とはいえない旨主張している。しかし、注文書に記載されている「EIU−II」は、甲第14号証の商品カタログに表示された商標「EIU−II」と一致するものであり、本件商標を記載したものと認め得るものであるから、この点に関する主張も採用できない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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