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Trademark Appeal Case

著名人名の商標登録可否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35040(T2002−35040/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4477998号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4477998号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年7月21日に登録出願、後掲に示すとおりの構成よりなり、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,キーホルダー」を指定商品として、同13年5月25日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

結論同旨の審決を求める、と申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第37号証(枝番号を含む。)を提出している。

1 請求の根拠

本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号、同第16号及び同第19号に該当し、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効とされるべきものである。

2 無効理由

(1)ジュエリーデザイナー「水野薫子」及び引用商標等について

本件審判請求人「有限会社ヴィアカオルコ」の代表取締役たる水野薫子は、イタリア国及び日本国においては、商品「デザイン宝飾」について著名なジュエリーデザイナーである(甲第3号証)。そして、商標「薫子」「カオルコ」又は「KAOLUCO」(「KAORUKO」ではない。)といえば、商品「デザイン宝飾」についてジュエリーデザイナーたる「水野薫子」を直ちに認識される程度に著名性を獲得するに至っている。

したがって、イタリア国においても、商品「デザイン宝飾」について「薫子」「KAOLUCO」が著名な商標であるとともに、「薫子」「KAOLUCO」がジュエリーデザイナー「水野薫子」「KAOLUCO MIZUNO」の著名な略称であることが認められる。

上記に鑑みれば、商標「薫子」又は「KAOLUCO」は、商品「デザイン宝飾」についての世界的に著名なジュエリーデザイナー「水野薫子」「KAOLUCO MIZUNO」の著名な略称であることが認められ、現在は勿論本件商標の出願前10年以上前には、少なくとも日本国及びイタリア国において商品「デザイン宝飾」についての著名な商標であることが客観的に認められるところである。

(2)商標法第4条第1項第8号の該当性について

上記の通り、「薫子」又は「KAOLUCO」はジュエリーデザイナー「水野薫子」の著名な略称である。

一方、本件商標は漢字「薫子」から構成され、明かに「水野薫子」の著名な略称を表示したものである。本件商標から生ずる読み「カオルコ」が商標権者「斎藤薫子」ではなく、「水野薫子」を直ちに想起させるからである。

しかも、ジュエリーデザイナー「水野薫子」は本件商標の商標権者「斎藤薫子」に対して何の承諾も与えていない。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当し、その登録適格性を明らかに欠くものである。

(3)商標法第4条第1項第10号の該当性について

上記の通り、商標「薫子」又は「KAOLUCO」は日本国及びイタリア国において著名なジュエリーデザイナー「水野薫子」の著名な略称であると共に、商品「デザイン宝飾」について水野薫子のデザイン・制作に係るものであることを指称表示するものとして、又は、請求人「(有限会社)ヴィアカオルコ」の取扱・販売に係るものであることを指称表示するものとして未登録ではあるが、周知著名である。そして、「薫子」「KAOLUCO」は「カオルコ」と称呼されるものである。

一方、本件商標は、「薫子」から構成され、「カオルコ」と称呼されるものであり、著名なジュエリーデザイナー「水野薫子」を観念させるものでもある。

してみれば、本件商標は未登録周知商標と外観・称呼・観念において類似するものである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当し、その登録適格性を明らかに欠くものである。

(4)商標法第4条第1項第15号の該当性について

上記のとおり、「薫子」等は著名なジュエリーデザイナー「水野薫子」の著名な略称であって、請求人の著名な商標であるから、商標権者が本件商標「薫子」をその指定商品「身飾品等」について使用するときは、恰も請求人又はジュエリーデザイナー「水野薫子」と資本的・組織的又は人的に何等かの関連のある者の業務に係るものであるかの如く、出所について誤認混同を生ずるおそれがあることは明らかである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録適格性を明らかに欠くものである。

(5)商標法第4条第1項第16号の該当性について

商品「デザイン宝飾」について「薫子」といえば「水野薫子」のデザインに係り、「(有限会社)ヴィアカオルコ」の取り扱いに係るもの(デザイン宝飾)であることを指称表示するものであるから、商品「身飾品」について「水野薫子のデザイン・制作に係るデザイン宝飾」又は「ヴィアカオルコの取扱・販売に係るデザイン宝飾」であるかの如く観念されるものである。

しかして、水野薫子のデザイン・制作でない「身飾品」について本件商標を使用した場合には、斎藤薫子の取り扱いに係るものであるにも拘らず、「水野薫子」のデザイン・制作に係るものであるかの如く、又は、「ヴィアカオルコ」の取扱・販売に係るもの(デザイン宝飾)であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあること明らかである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当し、その登録適格性を明らかに欠くものである。

(6)商標法第4条第1項第19号の該当性について

本件商標が第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,キーホルダー」をその指定商品としていることから、本件商標の商標権者「斎藤薫子」は、商品「身飾品,カフスボタン,キーホルダー」を取り扱うものと思われるが、請求人の調査によればジュエリーデザイナーと認めることができなかった。「社団法人日本ジュエリーデザイナー協会」の会員の中には「斎藤薫子」なる氏名の者は見当たらなかった。

しかして、デザイナーでもない個人が商品「身飾品等」に「水野薫子」の略称であるにも拘らず、商標権者は、漢字からなる商標「薫子」を、商品「身飾品等」について、請求人によりたまたま登録されていなかったことを奇貨として、本件商標の出願をしたものと思われる。上記のように「薫子」「KAOLUCO」の著名性に鑑みれば、その名声に便乗して不正な意図に基づいて本件商標を出願し、登録を受けたものと思われる。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当し、その登録適格性を明らかに欠くものである。

3 被請求人の答弁に対する弁駁

(1)第一に、被請求人のいう「甲第4号証ないし同第7号証は、客観性がない。」との主張は認められず採用されるべきではない。即ち、甲第4号証は、経済産業省公認のデザイン8団体の構成団体でありかつ我が国唯一の公式ジュエリーデザイナーの団体である社団法人日本ジュエリーデザイナー協会の会長の証明である。つまり、この証明書は、同業者の業界団体の客観的な証明でありこれ一通のみの証明であっても、請求人の商標「薫子」或いは「KAOLUCO」が当該業界で周知・著名であることを類推することが可能な証明である。一般にその協会の会長は、協会の名義で事実に反する証明をすることはできないからである。更に、甲第5号証は、協会名義ではないものの、社団法人日本ジュエリーデザイナー協会の副会長の証明である。つまり、甲第4号証ないし同第7号証の証明書は誰でも自由に取得できるものでなく、実際に事実を客観的に証明しているものである。

したがって、被請求人の第一の主張は採用されるべきではない

(2)第二に、被請求人のいう「甲第8号証ないし同第33号証には、商標「薫子」或いは「KAOLUCO」が使用されている様子を示すものが少なく、日時が推定可能な証拠は平成12年以降のものである。」との主張は認められず採用されるべきではない。即ち、甲第8号証ないし同第33号証は、見ればわかるとおり、ほとんど全てについて発表日時が明確(印刷されている場合等)か又は推定可能(表紙からバックNo.の掲載日時の確認が可能な場合等)な証拠である。この点に関する被請求人の主張は、故意に日時の推定の根拠に目を向けずただ拒否しているだけである。

したがって、被請求人の第二の主張は事実に反しており採用されるべきではない。

(3)第三に、被請求人のいう「甲第8号証ないし同第16号証、同第18号証、同第25号証、同第27号証、同第30号証には、商標「薫子」或いは「KAOLUCO」等は一切存在せず、デザイナーの氏名として「水野薫子」等が紹介されているだけである。」及び「最後の主張」はともに採用されるべきではない。

つまり、請求人は、何もせずにジュエリーデザイナーとして周知・著名

になってきたわけではなく、日々の努力を20年以上も積み重ねてきたが故、同業者の協会からも周知証明を発行してもらえるに至ったのものである。

更に、請求人は1996年頃より四谷に自分のギャラリーを開設しており(現在は六本木)、以降、自らの作品即ち常時展示販売を行っている。

また、請求人は、1999年4月28日まで、商標「薫子」(日本分類第21類:登録第2131613号 甲第37号証)について商標権者であった者でもある。当時の代理人の不注意により商標権の更新申請を逃したため今回の事態を生じているのである。しかし、請求人は、1989年4月28日より商標「薫子」を第21類の商品について独占排他的な使用をする権利を有し、実際当該商標を使用し、かつ、現在もその使用を継続している。

かかる事情から、1999年までの使用の証拠も多くを要しないと判断した次第である。即ち、10年間も独占排他的な使用が約束され、かつ、実際にその使用が継続していたことは提出証拠からも明らかである。

したがって、既に提出している証拠のみからでも十分に請求人の使用にかかる、商標「薫子」或いは「KAOLUCO」及びジュエリーデザイナーとして「水野薫子」或いはその略称である「薫子」・「KAOLUCO」がそのジュエリーを取り扱う業界で周知・著名であることを理解できると確信する。つまり、請求人の提出した証拠に対する被請求人の主張は採用されるべきでない。

(4)被請求人のその他の主張に対する弁駁

被請求人の「請求人の提出した証拠は、客観性がなく、商標の使用事実が不明でかつ日時が推定できないため、周知性の獲得さえしているものとは思えない。したがって、『薫子』等は、『水野薫子』の著名な略称ではなく、商標『薫子』等は周知・著名ではないので、本件商標は商標法第4条第1項第8号・第10号・第15号・第16号・第19号には該当しない。」との主張は採用されるべきではない。

まず、略称の著名性について考察するに、一般にデザイナー名は、姓で略称されて指称されることが多く、かつ、本件の場合の略称は、請求人の代表者のブランド名とも同一であるため、少なくともジュエリーデザイナーの業界では、その人格権を特定できるほど著名であると言える。

次に、提出した証拠からでも十分に、商品「宝石」・「身飾品」等を取り扱う業界で、商標「薫子」等は周知・著名になっていると認められる。そうでなければ、例えば、甲第34号証のアンケートでその名前が挙がってくることなどあり得ない。

4 むすび

以上のように、被請求人の答弁はいずれも妥当な主張ではない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、第10号、第15号、第16号、第19号にそれぞれ該当するので、同法第46条1項1号により、その登録を無効にすべきである。

よって、本件商標登録無効審判について請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べている。

1 商標「薫子」或いは「KAOLUCO」について

請求人は、商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が「水野薫子」の著名な略称であり、周知著名商標であると主張している。そして、請求人は、上記商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が周知著名であるとする証拠として、甲第4号証ないし同第33号証を挙げている。

上記証拠のうち、甲第4号証ないし同第7号証は、いずれも請求人の作成した宣誓書に対して請求人と業務上関係のある者が署名押印したものと推定されるため、客観性のあるものとは考えられない。

また、甲第8号証ないし同第33号証を精査すると、たしかに、「水野薫子」あるいは「KAOLUCO MIZUNO」が宝飾デザイナーとして20年以上前から活動をしていたことがうかがわれるものの、上記商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が使用されている様子を示すものは、きわめて数少なく、しかも、日時が推定可能な証拠としては、平成12年以降の最近のものしか存在しない。

すなわち、甲第8号証ないし同第16号証、同第18号証、同第25号証、同第27号証、同第30号証には、商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が一切存在していないだけでなく、これらの「薫子」あるいは「KAOLUCO」を含む商標も一切示されていない。単に、記事の中でデザイナーの氏名としての「水野薫子」若しくは「KAOLUCO MIZUNO」、さらには社名としての「VIA KAOLUCO」、「力オルコミラノ」などが紹介されているだけである。また、甲第32号証の「カオルコのジュエリーは、」の記載は単に氏名の略称として用いられているだけであると思われる。

また、甲第19号証には、記事中に「カオルコ・ミザーニ」という商標を今後発表するとの記載がある。ただし、これらの記事中には、商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」を単独で使用していることをうかがわせる内容は存在しない。

さらに、甲第31号証、同第33号証には、「ヴイアカオルコ」という商標が記載されているが、西洋において用いられていた点を示すにすぎない。

また、甲第17号証には、記事中に「カオルコ・ブライダル」、「プチカオルコ」の商標と思われる文字が存在し、甲第20号証、同第22号証ないし同第24号証及び同第26号証には「薫子コレクション」、「プチカオルコ」、「薫子ブライダル」、「カオルコ ブライダル」、同第21号証には、「KAOLUKO」の商標と思われる文字が記載されているが、これらがどのように、そして、どの程度使用されているかをうかがわせる内容は存在しない。

最後に、甲第21号証には、平成12年の記事中に「KAOLUKO」の文字が紹介されている。また、甲第28号証には、商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が使用されている様子がうかがわれるが、日付が証明されていない。本件に関しては、これらのみが実質的に商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」の使用態様を示す証拠であるものと思われる。

以上のように、商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が明らかに単独で使用されていることを示す証拠は上記甲第28号証のみであり、その他の証拠は、「薫子」あるいは「KAOLUCO」を含む種々の名称がその時々において異なる態様で使用されていることを示すものにすぎない。したがって、上記全ての証拠をあわせても、商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が著名であることはおろか、周知であることを示すものとはなっていない。

また、甲第21号証や同第22号証にみられるように、商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が紹介されているのは、いずれも平成12年の新聞記事であり、それ以前の記事は単に「薫子」あるいは「KAOLUCO」を含む氏名や商標をその都度異なる態様で用いている点だけを示しているように思われる。したがって、上記証拠から見ると、請求人が上記商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」を使用していたのは、本件商標が登録された時点から遡ること高々数年のことであるものと推定されるから、仮に、その間、継続的に商標使用がなされていたものと善意に解釈しても、上記商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」が周知性を獲得しているものとは認められない。

さらに、ジュエリーデザイナーと称する「水野薫子」あるいは「KAOLUCO MIZUNO」は、請求書の主張によれば単に「デザイン宝飾」の分野で活動をしているだけであり、その「デザイン宝飾」における活動が直ちに「身飾品」における著名性ないしは周知性を生じさせるものとは限らない。ましてや、単なる「薫子」あるいは「KAOLUCO」が「水野薫子」あるいは「KAOLUCO MIZUNO」の著名な略称といえるためには、相当の周知度を必要とするものと考えるべきものであろう。ちなみに、きわめて著名な服飾デザイナーである「三宅一生」や「越野順子」であっても、姓に相当する部分が付随しない単なる「ISSEY」や「JUNKO」だけで直ちに「三宅一生」や「越野順子」を想起するか否かは、微妙な問題である。

2 商標法第4条第1項第8号の該当性について

上述のように、上記証拠によっては「薫子」あるいは「KAOLUCO」が「水野薫子」あるいは「KAOLUCO MIZUNO」の著名な略称とはいえないから、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第10号、15号、16号、19号の該当性について

上述のように、上記証拠によっては商標「薫子」あるいは「KAOLUCO」には著名性及び周知性が認められないから、本件商標は、上記のいずれの法条にも該当しない。

なお、請求人は、審判請求書において、「デザイナーでもない個人が商品『身飾品等』に『水野薫子』の略称であるにも拘らず.........その名声に便乗して不正な意図に基づいて本件商標を出願し登録を受けたものと思われるからである。」と主張している。しかしながら、被請求人には過去にも現在においてもそのような意図は一切ない。

第4 当審の判断

本件商標は、後掲に示すとおりの構成よりなるところ、請求人より提出された甲4号証ないし同第6号証、同第20号証及び同第28号証によれば、請求人の使用に係る「薫子」若しくは「KAOLUCO」の文字よりなる商標は、「宝石等」について、宝飾デザイナー「水野薫子」のデザインに係るものとして、当該商品取引業界において広く認識されるに至っていたことを認めることができる。

そして、このことは、本件商標の登録出願の20年近く前の1982年4月15日の毎日新聞(甲第8号証)の記事の中で「『水野薫子』が宝石と取り組み初めてから5年になる。......薫子の仕事。名刺には『ジュエリー・デザイナー』とあった。この世界ではちょっと知られた新進で、今年二月の第一回現代宝飾デザイン展で、イヤリング部門の金賞を受けた。こうした賞は、すでに十回も受けている。......」と本人の写真付で紹介されているのをはじめ、同様の記事が日本を代表する新聞、業界新聞、各種の雑誌(主に女性誌)において紹介又は特集されていることからも裏付けられる。

そうとすれば、請求人の使用に係る「薫子」又は「KAOLUCO」の商標は、本件商標の登録出願時には、既に、請求人の業務に係る商品「宝石」等の商標として取引者、需要者の間において広く認識されていたものとみるのが相当である。

しかして、本件商標は、後掲に示すとおりブルーとグリーンで二分した長方形内に「薫子」の漢字を書してなる構成(「薫」の文字を大きく、「子」の文字を小さく書してなる。)よりなるものであって、この「薫子」の漢字は、請求人が「宝石」等に使用して広く知られた商標「薫子」とその漢字を同じくするものである。

してみれば、商標権者(被請求人)が本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、請求人の使用する商標「薫子」又は「KAOLUCO」を容易に想起し、その商品が請求人又は宝飾デザイナー「水野薫子」のデザインに係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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