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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「写真画集の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2000−2536(T2000−2536/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2000−2536(T2000−2536/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
写真画集の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2000−2536(T2000−2536/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「写真画集の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「写真画集」の文字を横書きしてなり、第16類「写真,書画,印刷物」を指定商品として、平成11年3月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、指定商品との関係において、『絵画を写真にとって集めた本』の意を認識させる『写真画集』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品中『上記内容の書籍』に使用しても、単に商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質(内容)の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して、その出願を拒絶したものである。

3 当審における職権証拠調べ結果の通知

当審において、本件審判事件につき、職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かに関する下記の証拠物件を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に通知したものである。

記

1.書籍関係

(1)「岩波 近代日本の美術4 写真画論 写真と絵画の結婚」(1996年4月10日発行 木下直之著 株式会社岩波書店)の48頁〜には「写真画」 の言葉が使用されていて、写真画についての記述がある。

(2)写真界初の試み。写真画集の誕生。「丹地保堯写真画集」(千代田区紀尾井町3ー23 求龍堂)映像表現を極めた日本の風景88点を、再現性に優れた高精細(700線)で印刷。技術の枠を集めてワイド版(B4変)として集大成した。」との記載がある。

2.インターネット情報関係

(1)「萩書房在庫写真集」(http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kosho/info/56/5617p.htm)の中に美の生態 眞継不二夫写真画集 計2冊 カ破れ/【第二集は昭25年双芸社発行/函痛】/A4&A4変・71&95p大泉書店」との記載がある。

(2)「服飾史・美術史」(http://www.rinsen.com/books/art.htm)「ナタン・チャイキン編著 B.Hチェンバレン旧蔵コレクション 英文 錦絵から見た日清戦役史」の紹介記事には「英訳古事記等で日本文化を紹介しハーンの学兄でもあったチェンバレン博士の旧蔵書から、日清戦役にかかる錦絵100余点を集成、写真画集として初公開するもの。・・・・」との記載がある。

3.新聞記事関係

(1)1990年3月1日付け 日本経済新聞朝刊(36頁)「日本の近代写真十選(3)高山正隆、楽器を持つ女」の見出しのもと「・・・・彼が一九二六年に刊行した『高山正隆写真画集』(アルス)におさめられた静物、肖像、ヌードなどの作品は、感情のふるえをそのまま写しとったような、独特の魅力にあふれている。・・・・」と記載されている。

(2)1995年12月26日付け 朝日新聞朝刊 神奈川版「ネイラーコレクション資料館建設提言 横浜市長に保存活用委/神奈川」の見出しのもと、「・・・・コレクションは、サーマン・F・ネイラー氏が四十年間にわたって収集してきたものだ。世界最大級の銀板写真用カメラ(ダゲレオカメラ)や世界最初の写真画集「自然の鉛筆」など希少価値の高いものが多い。・・・・」と記載されている。

(3)2000年6月28日付け 読売新聞中部朝刊(29頁)「おはようトーク」今秋、米・露訪問 名市美術館学芸員 竹葉丈さん39=愛知」の見出しのもと「・・・・調査した成果に基づいて展覧会をするのが仕事で、そういう作業の中で、その時代にアートとしての写真を普及しようと尽力した淵上白陽という人物を知ったんです。熊本県出身、南満州鉄道の高級嘱託だった人で、満州写真作家協会を作ったり、写真家の作品を集めた写真画集を出版したりしています。・・・・」と記載されている。

4 請求人(出願人)は、前記3の「証拠調べ通知書」に対して、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本願商標は、「写真画集」の文字を横書きしてなるものである。

そして、「写真画集」の語については、平成14年6月5日付け証拠調べ通知書により通知したとおり、「写真を基に絵画的表現を施した作品を集めたもの」を表す語として使用されている事実が認められる。

そうすると、本願商標を、その指定商品中「書籍」に使用した場合、需要者は、その商品が「写真を基に絵画的表現を施した作品を集めた書籍」であることを表示している文字とのみ理解するとみるのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。また、前記「写真を基に絵画的表現を施した作品を集めた書籍」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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